画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド
5.3.7 LAN直結プリンタを複数PCで共用するC/Sシステム構成の設定例
XMAP3のC/Sシステム構成の場合,XMAP3のAPを自動起動する機能を利用して,クライアント側でXMAP3の表示サービスが起動されたタイミングでサーバのAPを起動し,サーバのAPからLAN直結プリンタへ帳票印刷できます。
ここでは,LAN直結プリンタ構成での実行環境の設定,およびソフトウェア構成について説明します。
実行時のおおまかな流れを,次に示します。
- XMAP3サーバを起動します。
- XMAP3クライアントを起動します。
- クライアントのXMAP3の表示サービスが起動されます。
- XMAP3の表示サービスに連動し,サーバのAPが自動起動されます。
- APからXMAP3の印刷サービスが起動され,プリンタに帳票出力されます。
- <この項の構成>
- (1) 設定
- (2) APでの指定
- (3) ソフトウェア構成
- (4) XMAP3システムを起動する手順
(a) サーバとクライアントのTCP/IP環境の設定
ネットワークを使用するため,サーバとクライアントの各PCで次に示すファイルの設定が必要になります。また,設定するファイル間で名称を合わせるなどの注意も必要です。ここでは,システム構成に沿った設定例を示しますので,ファイル間の関係を確認してください。
- TCP/IPポート番号の設定
WindowsのSERVICESファイルに,サーバ側とクライアント側で同じポート番号を設定します。
- TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定
コントロールパネルの「ネットワーク」を開き,「TCP/IPプロトコル」および「DNS」で設定してください。また,WindowsのHOSTSファイルに必要なホスト名とIPアドレスの設定も必要になります。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されますので使い分けてください。
(b) サーバでのC/Sシステム環境の設定
「C/Sセットアップ」を使用して,クライアントで表示サービスを起動する指定をし,さらにその表示サービスに対して起動時実行する帳票印刷APを指定します。
- [C/Sセットアップ]ダイアログの[C/S構成]タブで「指定種別」として「画面」を選択します。
- [C/Sセットアップ]ダイアログの[C/S構成]タブの「ホスト名」にXMAP3システムを動かすPCのホスト名を設定します。WindowsのHOSTSファイルに記述している名称を指定してください。
- 任意のサービス名を指定します。
- 仮想端末名は通常「自動割当て」を指定してください。
- 「起動時実行アプリケーション」で「固定で指定」を選択し,APをインストールしているフォルダおよびファイル名を指定します。
- [追加]ボタンをクリックして,指定情報を登録してください。
- 使用するクライアントをすべて登録するまで,1~6までを繰り返してください。
- [OK]ボタンをクリックし,設定を終了してください。[追加]ボタンをクリックしないで[OK]ボタンで終了すると,設定ファイルへは登録されないのでご注意ください。また,実際の設定ファイルの内容は[OK]ボタンをクリックして登録を行うまでは変更されません。設定を取りやめるときは[キャンセル]ボタンをクリックして終了してください。
- APの実行形式ファイルとは別のフォルダにマップを格納するときは,表示・印刷セットアップの[アプリケーション1]タブの「マップ」でマップを格納したフォルダを指定してください。
- クライアント起動時は,起動APに関する引数は不要です。
- XMAP3のC/Sシステム環境のセットアップファイルの内容
サービス名ファイル(X3PHOST)の設定内容の例を示します。
仮想端末名ファイル(X3MWHOST)の設定内容の例を示します。
(c) 印刷環境の設定
ここで使用する構成では,Windows NTサーバ上からlpr印刷をします。
アプリケーションサーバで共用するプリンタを,サーバのWindowsのコントロールパネルの「プリンタ」を開いて設定しておきます。以降は,スタンドアロン環境で常に特定のプリンタに印刷する場合と同じ設定になります。
サーバの表示・印刷セットアップで次のように設定します。
- 表示・印刷セットアップを起動して[プリンタ]タブを表示します。
- 「使用環境」で「C/S」を選択します。
- 「仮想端末名」に任意の仮想端末名を指定します。通常は「PRT001」を指定します。
- 「サービス名」に任意のサービス名を指定します。通常は「xppPRT01」を指定します。
- 「プリンタデバイス名」に「PR1」を指定します。
- 「プリンタ名(ドライバ名)」にそのPCでの「通常使うプリンタ」を指定します。「通常使うプリンタ」以外のプリンタを使用したい場合は,いったん設定を中止して,Windows上で目的のプリンタを「通常使うプリンタ」に設定し直してください。
- 「印刷モード」で使用するプリンタに適した印刷モードを指定します。なお,使用するプリンタが240dpi以上の解像度を持つページプリンタであれば,通常は「GDI:ページプリンタ」を指定することをお勧めします。
- その他の設定項目については,必要に応じて,設定を変更してください。
- [プリンタ]タブの[追加]ボタンをクリックし,上記の設定を確定します。
- [表示・印刷セットアップ]ダイアログの[OK]ボタンをクリックすると,表示・印刷セットアップが終了し,設定内容がファイルに登録されます。
- なお,[プリンタ]タブで[追加]ボタンをクリックしないで,[表示・印刷セットアップ]ダイアログの[OK]ボタンをクリックして終了すると,設定内容はファイルに登録されないため注意してください。また,実際のファイルの内容は,[表示・印刷セットアップ]ダイアログで[OK]ボタンをクリックして登録するまでは変更されません。設定を取りやめるときは[キャンセル]ボタンをクリックして終了してください。
- 例に挙げたシステム構成の場合の設定例
プリンタデバイス名 :LBP
プリンタ名(ドライバ名):Canon LBP-A304E LIPS3
プリンタの種類 :LIPS III準拠プリンタ
オプション :任意に選択
(2) APでの指定
APでは設定した仮想端末名「PRT001」を使用して印刷指示を行います。
(3) ソフトウェア構成
LAN直結プリンタを複数PCで共用するC/Sシステムの,ソフトウェア構成を次に示します。
サーバ
/クライアント |
使用するソフトウェア |
XMAP3 |
コンパイラ※1 |
DB※2 |
サーバ |
XMAP3/
NET(-RTS)またはXMAP3/Enterprise Edition(-RTS) |
日立COBOL(-RTS),
VC++,VC++.NET,またはVB |
HiRDB※3または
ISAM※4 |
クライアント |
XMAP3/
NET(-RTS)またはXMAP3/Enterprise Edition(-RTS) |
- |
- |
- (凡例)
- -:なし。
- 注1
- -RTSは,Run Time Systemを示します。
- 注2
- この構成の場合,LAN直結プリンタはTCP/IP+lpr用のプリンタです。
- Windows NTサーバに「TCP/IPネットワーク印刷サポート」を組み込み,発行先で「LPR port」を指定してください。
- 注※1
- 使用するコンパイラが必要になります。
- 注※2
- DB連携しない業務では,DBに関するソフトウェアは不要です。
- 注※3
- HiRDBのほかに,SQL ServerやORACLEなども使用できます。
- 注※4
- ISAMは,日立COBOLに標準添付されています。
(4) XMAP3システムを起動する手順
次の手順でXMAP3システムを起動してください。
- サーバ側で,「XMAP3サーバ」アイコンを選び,XMAP3サーバを起動します。
- クライアント側で,「XMAP3クライアント」アイコンを選び,XMAP3クライアントを起動します。
- XMAP3クライアントによって,そのクライアントに定義された表示サービスが自動的に起動されます。
- 起動された表示サービスに対応するAPがサーバ側で起動されます。
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