画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド
5.3.6 クライアントから起動するサーバAPが異なるC/Sシステム構成の設定例
複数のクライアントをサーバ接続して,クライアントごとに別々の業務を行う場合や,1クライアントで複数の業務を行う場合は,この構成となります。
なお,1クライアントに対して複数サーバを同時に対応させることはできません。1クライアントに対して接続できるサーバは一つだけです。ただし,クライアントの起動時に接続するサーバを明示的に指定することで,複数のサーバを切り替えて運用できます。詳細については,「9.5 XMAP3のC/S環境に関する制限」を参照してください。
ここでは,1台のサーバと2台のクライアントでのアプリケーションサーバ型C/Sシステムの構成と設定例で説明します。
実行時のおおまかな流れを,次に示します。
- XMAP3サーバを起動します。
- XMAP3クライアントを起動します。
- クライアントのXMAP3の表示サービスが起動されます。
- XMAP3の表示サービスに連動し,サーバのAPが自動起動されます。
- <この項の構成>
- (1) 設定
- (2) APでの指定
- (3) ソフトウェア構成
- (4) XMAP3システムを起動する手順
次に示すファイルの設定が必要になります。また,設定するファイル間で名称を合わせるなどの注意も必要です。ここでは,システム構成に沿った設定例を示しますので,ファイル間の関係を確認してください。
(a) サーバ側の設定
- TCP/IPポート番号の設定
WindowsのSERVICESファイルに,ポート番号を設定します。
- TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定
コントロールパネルの「ネットワーク」を開き,「TCP/IPプロトコル」および「DNS」で設定してください。また,WindowsのHOSTSファイルに必要なホスト名とIPアドレスの設定も必要になります。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されますので使い分けてください。
- XMAP3のC/Sシステム環境の設定
クライアントでのAP起動方式により次のような設定を行います。
《クライアントでアプリケーション名を指定して起動する場合》
一つのクライアントで表示サービスを一つ定義しておきます。その表示サービスに,複数のサーバAPを割り当てます。クライアントでサーバで起動するAPを切り替えることで,それぞれのクライアントごとに別々の1業務を行わせるような運用構成です。
- 「C/Sセットアップ」の[C/S構成]タブで「指定種別」として「画面」を選択します。
- 「C/Sセットアップ」の[C/S構成]タブの「ホスト名」にXMAP3システムを動かすPCのホスト名を設定します。WindowsのHOSTSファイルに記述している名称を指定してください。
- 任意のサービス名を指定します。
- 仮想端末名は「自動割当て」を指定してください。
- 「起動時実行アプリケーション」では「起動時に選択」を選択してください。
- [追加]ボタンをクリックして,指定情報を登録してください。
- 使用するクライアントをすべて登録するまで,1~6までを繰り返してください。
- 「C/Sセットアップ」の[アプリケーション]タブでクライアント起動時に指定するアプリケーション名とサーバ上のファイル名を指定します。
- [追加]ボタンをクリックして,アプリケーション名を登録してください。
- 必要に応じて1~9の手順を繰り返して,必要なAPを登録します。
- [OK]ボタンをクリックし,設定を終了してください。[追加]ボタンをクリックしないで[OK]ボタンで終了すると,設定ファイルへは登録されないのでご注意ください。また,実際の設定ファイルの内容は[OK]ボタンをクリックして登録を行うまでは変更されません。設定を取りやめるときは[キャンセル]ボタンをクリックして終了してください。
- APとは別のフォルダにマップを登録するときは,「表示・印刷セットアップ」の[アプリケーション1]タブの「マップ」でマップを登録したフォルダを指定してください。
- クライアント起動時は,実行時の引数で起動したいアプリケーション名を指定してください。
《クライアントでサービス名を指定して起動する場合》
一つのクライアントで表示サービスを複数定義しておきます。そのそれぞれの表示サービスに,別のAPを割り当てます。クライアントで起動するサービスを切り替えることで,一つのクライアントに複数の業務を行わせるような運用構成です。
- 「C/Sセットアップ」の[C/S構成]タブで「指定種別」として「画面」を選択します。
- [C/Sセットアップ]ダイアログの[C/S構成]タブの「ホスト名」にXMAP3システムを動かすPCのホスト名を設定します。WindowsのHOSTSファイルに記述している名称を指定してください。
- 任意のサービス名を指定します。
- 仮想端末名は通常「自動割当て」を指定してください。
- 「起動時実行アプリケーション」では「固定で指定」を選択し,APをインストールしているフォルダおよびファイル名を指定します。
- [追加]ボタンをクリックして,指定情報を登録してください。
- 同じPCに対して起動するAPとして別な物を登録したい場合は,ホスト名は変更せず,サービス名を変更して登録してください。
- 使用するクライアントをすべて登録するまで,1~7までを繰り返してください。
- [OK]ボタンをクリックし,設定を終了してください。[追加]ボタンをクリックしないで[OK]ボタンで終了すると,設定ファイルへは登録されないのでご注意ください。また,実際の設定ファイルの内容は[OK]ボタンをクリックして登録を行うまでは変更されません。設定を取りやめるときは[キャンセル]ボタンをクリックして終了してください。
- APとは別のフォルダにマップを登録するときは表示・印刷セットアップの[アプリケーション1]タブの「マップ」でマップを登録したフォルダを指定してください。
- クライアント起動時は,実行時の引数で起動したいAPを設定したサービス名を指定してください。
- XMAP3のC/Sシステム環境のセットアップファイルの内容
サービス名ファイル(X3PHOST)の内容は,次のとおりです(クライアントでサービス名を指定して起動する場合)。
仮想端末名ファイル(X3MWHOST)の仮想端末の設定内容は,次のとおりです。
(b) クライアント側の設定
- TCP/IPポート番号の設定
WindowsのSERVICESファイルに,サーバ側で設定した値と同じポート番号を設定します。
- TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定
コントロールパネルの「ネットワーク」を開き,「TCP/IPプロトコル」および「DNS」で設定してください。また,WindowsのHOSTSファイルに必要なホスト名とIPアドレスの設定も必要になります。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されますので使い分けてください。
(2) APでの指定
サーバ上のAP1,AP2からそれぞれのクライアント,サーバのサービスを使用する場合,AP中の仮想端末を次のように指定します。
サーバ,クライアント1,クライアント2の画面:仮想端末名「DSP001」
(自動割当てを使用するため,一つの仮想端末名でよい)
(3) ソフトウェア構成
クライアントから起動するサーバAPが異なるC/Sシステムの,ソフトウェア構成を次に示します。
サーバ
/クライアント |
使用するソフトウェア |
XMAP3 |
コンパイラ※1 |
DB※2 |
サーバ |
XMAP3/
NET(-RTS)またはXMAP3/Enterprise Edition(-RTS) |
日立COBOL(-RTS),
VC++,VC++.NET,またはVB |
HiRDB※3
またはISAM※4 |
クライアント1 |
XMAP3/
NET(-RTS)またはXMAP3/Enterprise Edition(-RTS) |
- |
- |
クライアント2 |
XMAP3/
NET(-RTS)またはXMAP3/Enterprise Edition(-RTS) |
- |
- |
- (凡例)
- -:なし。
- 注
- -RTSは,Run Time Systemを示します。
- 注※1
- 使用するコンパイラが必要になります。
- 注※2
- DB連携しない業務では,DBに関するソフトウェアは不要です。
- 注※3
- HiRDBのほかに,SQL ServerやORACLEなども使用できます。
- 注※4
- ISAMは,日立COBOLに標準添付されています。
(4) XMAP3システムを起動する手順
次の手順でXMAP3システムを起動してください。
- サーバ側で,「XMAP3サーバ」アイコンを選び,XMAP3サーバを起動します。
- クライアント側で,「XMAP3クライアント」アイコンを選び,XMAP3クライアントを起動します。
- XMAP3クライアントによって,そのクライアントに定義された表示サービスが自動的に起動されます。
- 起動された表示サービスに対応するAPがサーバ側で起動されます。
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