画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド
5.3.5 クライアントから起動するサーバAPを共用するC/Sシステム構成の設定例
APおよびマッピングライブラリがサーバ側にあり,表示サービスがクライアントにある構成です。複数のクライアントをサーバに接続して共通の業務をする場合は,この構成になります。
なお,1クライアントに対して複数サーバを同時に対応させることはできません。1クライアントに対して接続できるサーバは一つだけです。ただし,クライアントの起動時に接続するサーバを明示的に指定することで,複数のサーバを切り替えて運用できます。詳細については,「9.5 XMAP3のC/S環境に関する制限」を参照してください。
実行時のおおまかな流れを,次に示します。
- XMAP3サーバを起動します。
- XMAP3クライアントを起動します。
- クライアントのXMAP3の表示サービスが起動されます。
- クライアント側の表示サービスに連動し,サーバのAPが自動起動されます。
- <この項の構成>
- (1) 設定
- (2) ソフトウェア構成
- (3) XMAP3システムを起動する手順
次に示すファイルの設定が必要になります。また,設定するファイル間で名称を合わせるなどの注意も必要です。ここでは,システム構成に沿った設定例を示しますので,ファイル間の関係を確認してください。
(a) サーバ側の設定
- TCP/IPポート番号の設定
WindowsのSERVICESファイルに,ポート番号を設定します。
- TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定
コントロールパネルの「ネットワーク」を開き,「TCP/IPプロトコル」および「DNS」で設定してください。また,WindowsのHOSTSファイルに必要なホスト名とIPアドレスの設定も必要になります。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されますので使い分けてください。
- XMAP3のC/Sシステム環境の設定
クライアントでのAP起動方式によって,次のどちらかの設定をします。
《実行するAPを起動時に指定する場合》
「C/Sセットアップ」で,起動時に選択するAPの候補を指定しておきます。
- 「C/Sセットアップ」を起動します。[C/S構成]タブを表示して「指定種別」に「画面」を選択します。
- [C/S構成]タブの「ホスト名」にXMAP3システムを動かすPCのホスト名を設定します。WindowsのHOSTSファイルに記述している名称を指定してください。
- 「サービス名」に,任意のサービス名を指定します。
- 「仮想端末名」には「自動割当て」を指定します。
- 「起動時実行アプリケーション」で,「起動時に指定」を選択してください。
- [追加]ボタンをクリックして,指定情報を登録してください。
- 使用するクライアントをすべて登録するまで,1~6までを繰り返してください。
- 「C/Sセットアップ」の[アプリケーション]タブを表示して,クライアント起動時に指定するAP名とサーバ上のファイル名を指定します。
- [追加]ボタンをクリックして,AP名を登録してください。
- [OK]ボタンをクリックし,設定を終了してください。[追加]ボタンをクリックしないで[OK]ボタンで終了すると,設定ファイルへは登録されないのでご注意ください。また,実際の設定ファイルの内容は[OK]ボタンをクリックして登録を行うまでは変更されません。設定を取りやめるときは[キャンセル]ボタンをクリックし終了してください。
- APの実行形式ファイルとは別のフォルダに定義体を格納するときは,「表示・印刷セットアップ」の[アプリケーション1]タブの「マップ」で定義体を格納するフォルダを指定してください。
- クライアント起動時は,実行時の引数で設定したAP名を指定してください。
《実行するAPを固定で指定する場合》
- 「C/Sセットアップ」の[C/S構成]タブで「指定種別」として「画面」を選択します。
- 「C/Sセットアップ」の[C/S構成]タブの「ホスト名」にXMAP3システムを動かすPCのホスト名を設定します。WindowsのHOSTSファイルに記述している名称を指定してください。
- 任意のサービス名を指定します。
- 仮想端末名は通常「自動割当て」を指定してください。
- 「起動時実行アプリケーション」で「固定で指定」を選択し,APをインストールしているフォルダおよびファイル名を指定します。この場合,すべてのクライアントPCに対して同じアプリケーション名を指定してください。
- [追加]ボタンをクリックして,指定情報を登録してください。
- 使用するクライアントをすべて登録するまで,1~6までを繰り返してください。
- [OK]ボタンをクリックし,設定を終了してください。[追加]ボタンをクリックしないで[OK]ボタンで終了すると,設定ファイルへは登録されないのでご注意ください。また,実際の設定ファイルの内容は[OK]ボタンをクリックして登録を行うまでは変更されません。設定を取りやめるときは[キャンセル]ボタンをクリックして終了してください。
- APの実行形式ファイルとは別のフォルダにマップを格納するときは,「表示・印刷セットアップ」の[アプリケーション1]タブの「マップ」でマップを格納したフォルダを指定してください。
- クライアント起動時は,起動APに関する引数は不要です。
- C/Sシステム環境のセットアップファイルの内容
サービス名ファイル(X3PHOST)の内容は,次のとおりです(実行するAP C:\AP.EXEが固定の場合)。
仮想端末名ファイル(X3MWHOST)での仮想端末の設定内容は,次のとおりです。
上記,XMAP3のC/Sシステムと仮想端末の設定は,「C/Sセットアップ」で定義します。上記ファイルを直接設定することもできますが,「C/Sセットアップ」を使用することをお勧めします。
(b) クライアント側の設定
- TCP/IPポート番号の設定
WindowsのSERVICESファイルに,サーバ側で設定した値と同じポート番号を設定します。
- TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定
コントロールパネルの「ネットワーク」を開き,「TCP/IPプロトコル」および「DNS」で設定してください。また,WindowsのHOSTSファイルに必要なホスト名とIPアドレスの設定も必要になります。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されますので使い分けてください。
(2) ソフトウェア構成
クライアントから起動するサーバAPを共用するC/Sシステムの,ソフトウェア構成を次に示します。
サーバ
/クライアント |
使用するソフトウェア |
XMAP3 |
コンパイラ※1 |
DB※2 |
サーバ |
XMAP3/NET(-RTS)または
XMAP3/Enterprise Edition(-RTS) |
日立COBOL(-RTS),
VC++,VC++.NET,またはVB |
HiRDB※3またはISAM※4 |
クライアント |
XMAP3/NET(-RTS)または
XMAP3/Enterprise Edition(-RTS) |
- |
- |
- (凡例)
- -:なし。
- 注
- -RTSは,Run Time Systemを示します。
- 注※1
- 使用するコンパイラが必要になります。
- 注※2
- DB連携しない業務では,DBに関するソフトウェアは不要です。
- 注※3
- HiRDBのほかに,SQL ServerやORACLEなども使用できます。
- 注※4
- ISAMは,日立COBOLに標準添付されています。
(3) XMAP3システムを起動する手順
次の手順でXMAP3システムを起動してください。
- サーバ側で,「XMAP3サーバ」アイコンを選び,XMAP3サーバを起動します。
- クライアント側で,「XMAP3クライアント」アイコンを選び,XMAP3クライアントを起動します。
- XMAP3クライアントによって,そのクライアントに定義された表示サービスが自動的に起動されます。
- 起動された表示サービスに対応するAPがサーバ側で起動されます。
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