画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発・実行ガイド
XMAP3では,グラフィックを使用した画面表示,および帳票印刷ができます。使用するグラフィックデータは,レイアウト定義前にあらかじめ作成して準備しておく必要があります。
なお,XMAP3では,ビットマップ形式のグラフィックデータのサンプルを提供しています。必要に応じて利用してください。
グラフィックデータの使用を定義できるドローの定義対象とオブジェクトを説明します。
XMAP3で扱うことのできるグラフィックデータの形式は,Windowsのビットマップ形式,Windowsメタファイル形式,およびJPEG形式(JFIF準拠ベースライン形式(基本DCT))の3種類があります。
画面・帳票定義のオブジェクトごとに,使用できるグラフィックデータの形式と使用できる色が異なります。この対応を次の表に示します。
表3-2 グラフィックデータの形式とオブジェクトの対応
オブジェクト | データの形式 | 色 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
.bmp | .wmf | .emf | .jpg, .jpeg |
カラー | モノクロ | ||
画面定義 | 壁紙 | ○ | - | - | - | ○ | ○ |
固定・出力グラフィック | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
プッシュボタン | ○ | - | - | - | ○ | ○ | |
帳票定義 | 固定・出力グラフィック | ○ | ○ | ○ | ○ | ○※ | ○ |
画面でビットマップ形式のグラフィックデータを使用する場合を例に,使用できる色について説明します。なお,帳票の場合は,通常,モノクロで作成したグラフィックデータを使用します。
画面で使用するビットマップデータの色は次のとおりです。ただし,ディスプレイドライバがそれぞれの色数を表現できることが前提となります。
使用する色が多くなるに従って,ビットマップデータのサイズも大きくなります。通常は,256色で運用することをお勧めします。ただし,JPEGファイルについては,1,600万色のグラフィックデータとして扱われますので,JPEGファイルを使用する場合は,ディスプレイを6万色以上にしてください。
また,ディスプレイの表示できる色が256色の場合,瞬間的に色化け(ほかのAPや壁紙の色が異なる色に変わる)が発生することがあります。したがって,色はWindowsの基本20色とXMAP3の文字色,背景色に指定した色の範囲で作成することをお勧めします。ただし,表示するディスプレイが6万色以上であれば色化けすることはありません。
色数が少ないディスプレイに,ディスプレイより多い色数を使用したビットマップを表示してもエラーにはなりません。ただし,表示できる色数が少ないことから,正しい色表現ができず意図した内容が表示できません。ディスプレイで表示できる色と作成したビットマップの色数の関係を次の表に示します。
表3-3 ディスプレイで表示できる色と作成したビットマップの色数の関係
ディスプレイで表示 できる色数 |
作成したビットマップの色数 | ||||
---|---|---|---|---|---|
2 | 16 | 256 | 3万/6万 | 1,600万 | |
2 | ○ | △※1 | × | × | × |
16 | ○ | ○ | × | × | × |
256 | ○ | ○ | ○ | × | × |
3万/6万 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○※2 |
1,600万 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
プッシュボタンに使用するビットマップのサイズは,画面の解像度によって変わります。XMAP3の標準文字サイズを基準にしたます目で配置するボタン内に貼り付けるビットマップの大きさを次の表に示します。
表3-4 XMAP3の標準文字サイズを基準にしたボタン内に貼り付けるビットマップの大きさ
画面の 解像度 |
ます目の大きさ | 4.5ますボタン (ドット数: 縦×横) |
3.5ますボタン (ドット数: 縦×横) |
2.5ますボタン(ドット数: 縦×横) |
2ますボタン (ドット数: 縦×横) |
---|---|---|---|---|---|
640×480 | 大 | 48×48 | 36×36 | 24×24 | 22×22 |
中 | 32×32 | 24×24 | 16×16 | 14×14 | |
小 | 24×24 | 18×18 | 12×12 | 10×10 | |
800×600 | 大 | 48×48 | 36×36 | 24×24 | 22×22 |
中 | 32×32 | 24×24 | 16×16 | 14×14 | |
小 | 24×24 | 18×18 | 12×12 | 10×10 | |
1,024×768 | 大 | 64×64 | 48×48 | 32×32 | 30×30 |
中 | 48×48 | 36×36 | 24×24 | 22×22 | |
小 | 32×32 | 24×24 | 16×16 | 14×14 | |
1,280×1,024 | 大 | 64×64 | 48×48 | 32×32 | 30×30 |
中 | 48×48 | 36×36 | 24×24 | 22×22 | |
小 | 32×32 | 24×24 | 16×16 | 14×14 |
XMAP3では,画面の解像度ごとに,使用するフォントのサイズを指定できます。その指定に従ってプッシュボタンのサイズも変わります。一方,ビットマップは大きさが固定であるため,それぞれの解像度で表示されるプッシュボタンに対して最適なサイズのビットマップを作成しておく必要があります。また,ボタンを不活性の状態にする必要がある場合は,不活性状態時に表示するビットマップも作成しておきます。
実際,画面で使用するます目の大きさと,ボタンの大きさは定義画面ごとに固定となりますので,一つのボタンに対して最大8種類のビットマップを用意することになります。ただし,運用上,使用する画面解像度が固定であるとか,ビットマップの周囲に多少の空白があってもかまわない場合は,8種類より少ない数のビットマップを用意するだけでかまいません。
定義上([プッシュボタン]ダイアログ)では,いちばんよく使用する解像度のビットマップを標準として,それ以外のものを交代1~3に指定してください。このとき,ボタンにちょうど適したビットマップデータがない場合は,[プッシュボタン]ダイアログで指定されているビットマップデータの中で,指定したボタンになるべく収まるサイズのものを使用して表示します。
また,大きなビットマップを縮小すると,小さくなるに従いビットマップの形状が崩れてしまいます。したがって,まず小さなビットマップを作成し,そのあとで大きなビットマップに整形した方が手間が少なくなります。
Windowsが標準に提供するペイントで作成できます。
ある程度,複雑なグラフィックを作成する場合には,作成したいグラフィックに適した市販のドロー系ツールを使うほうが,拡大や縮小による修正作業を簡単にできます。市販のドロー系ツールで作成し,目的のデータ形式でエクスポートすると修正作業が簡単にできます。
作成したグラフィックデータは,グラフィックデータ格納用のフォルダに保管します。なお,「XMAP3インストールフォルダ\USER\GRAPHICS」がグラフィックデータ格納用フォルダとして用意されていますので,これを利用できます。
なお,任意のフォルダにグラフィックデータを格納して運用する場合には,AP実行環境の準備として,表示・印刷セットアップを使用し,そのフォルダのパスを指定する必要があります。
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