画面・帳票サポートシステム XMAP3 実行ガイド


6.6.2 統合システム運用管理JP1との連携

統合システム運用管理JP1を利用したクライアント/サーバ型のバッチ業務を実行する場合の構成です。サーバ側では,バッチ帳票印刷などのジョブの実行を,クライアント側ではサーバで実行するジョブの登録および実行監視を,それぞれの端末で操作できます。

XMAP3の実行環境はスタンドアロン構成で,JP1はC/S構成で業務システムを構築します。

JP1を使用したシステム構築の例を次に示します。

[図データ]

実行時の流れを次に説明します。

  1. ユーザが,WindowsクライアントからJP1/AJSのクライアントを使用して,Windowsサーバ上のAP(COBOL)のサブミット要求を出す。

  2. Windowsサーバ上のJP1/AJSが,1.の要求を受けて,AP(COBOL)を起動する。JP1/AJSから実行ジョブ(AP)へJP1の印刷ジョブ情報を流す。

  3. AP(COBOL)が,XMAP3へ印刷要求をする。

  4. XMAP3が,帳票管理ソフトウェアを経由し,プリンタマネージャへ印刷要求を出す。

    情報登録時に,プリンタマネージャへJP1の印刷ジョブ情報を登録する。

  5. プリンタマネージャから,Windowsクライアント上のプリンタへ印刷が行われる。

  6. Windowsサーバ上の帳票管理ソフトウェアが,プリンタマネージャ中の4.の印刷を監視する。

  7. Windowsサーバ上の帳票管理ソフトウェアが,4.の印刷の終了を検知し,Windowsクライアント上の帳票管理ソフトウェアへ印刷完了を通知することで,ユーザは,サブミットしたジョブの印刷が完了したことを確認できる。

〈この項の構成〉

(1) 設定

JP1を使用するC/S構成の場合は,WindowsでのC/Sシステムの設定(TCP/IP環境で使用するSERVICESファイルとHOSTSファイルの設定)をしておくだけで,サーバでのXMAP3のC/Sセットアップを使った設定は必要ありません。クライアントでは,表示・印刷セットアップを使用した帳票環境の設定が必要です。

サーバとクライアントで必要な設定について,システム構成に沿った内容で説明します。

設定するファイル間で名称を合わせる必要があります。ファイル間の関係を確認してください。

(a) サーバ側の設定

  • プリンタドライバの設定

    Windowsのプリンタの設定で,通常使うプリンタ(標準プリンタ)に設定してください。また,プリンタのスプールデータ形式をEMFにしてください。

  • 帳票環境の設定

    1. 表示・印刷セットアップを起動して[プリンタ]タブを表示します。

    2. 「使用環境」に「スタンドアロン」を選択します。

    3. 「仮想端末名」に任意の仮想端末名を指定します。通常は「PRT001」を指定します。

    4. 「サービス名」に任意のサービス名を指定します。通常は「#PRT001」を指定します。

    5. 「プリンタ名(ドライバ名)」に,帳票を出力したいプリンタを指定します。このリストには,Windowsで設定されているプリンタだけが表示されます。指定したいプリンタが候補に表示されない場合は,いったん設定を中止してWindows上でプリンタの設定を追加してください。

    6. 「印刷モード」で,使用するプリンタに適した印刷モードを指定します。使用するプリンタが240dpi以上の解像度を持つページプリンタであれば,通常は「GDI:ページプリンタ」を指定することをお勧めします。

    7. そのほかのオプションについては,必要に応じて設定してください。

    8. [プリンタ]タブの[追加]ボタンをクリックし,上記の設定を確定します。

    9. [表示・印刷セットアップ]ダイアログの[OK]ボタンをクリックすると,表示・印刷セットアップが終了し,設定内容がファイルに登録されます。

      [プリンタ]タブで[追加]ボタンをクリックしないで,[表示・印刷セットアップ]ダイアログの[OK]ボタンをクリックして終了すると,設定内容はファイルに登録されません。また,実際のファイルの内容は,[表示・印刷セットアップ]ダイアログで[OK]ボタンをクリックして登録するまでは変更されません。設定を取りやめるときは[キャンセル]ボタンをクリックして終了してください。

(2) APでの指定

APでは,設定した仮想端末名「PRT001」を使用して印刷を指示します。仮想端末のサービス名は,「#PRT」としてください。

XMAP3の印刷環境で設定しない場合は,帳票を印刷するWindowsマシンの標準プリンタ(通常使うプリンタ)へ出力されます。この場合の印刷モードはGDIモードです。

XMAP3印刷環境で設定した場合は,設定された印刷モードでプリンタへ出力されます。

(3) ソフトウェア構成

JP1と連携する場合のソフトウェア構成を次に示します。

システム構成

使用するソフトウェア

XMAP3

コンパイラ※1

DB※2

スタンドアロン

XMAP3 Server RuntimeまたはXMAP3 Client Runtime

COBOL2002(Runtime),またはVisual C++

HiRDB※3

またはISAM※4

注※1

使用するコンパイラが必要になります。

注※2

DB連携しない業務では,DBに関するソフトウェアは不要です。

注※3

HiRDBのほかに,SQL ServerやOracleなども使用できます。

注※4

ISAMのプログラムインタフェースは,COBOL2002に標準添付されています。

(4) 環境変数によるXMAP3の印刷先プリンタの切り替え

クライアント側のJP1バッチジョブ運用管理での設定で環境変数を設定すると,サーバ側のXMAP3のサービス#PRTに関連づけられた印刷先のプリンタを,この環境変数で設定したプリンタに切り替えることができます。

設定する環境変数

XMAP3_PRINTER=プリンタ名

設定例

設定例を次に示します。

サーバ側の設定

XMAP3の帳票環境の設定で,#PRTのプリンタに「Canon LBP 730」を設定

クライアント側の設定

JP1の環境変数で「XMAP3_PRINTER=\\HOSTA\VP-1000」を設定

XMAP3での印刷先プリンタ

\\HOSTA\VP-1000へ印刷される。

(5) 統合システム運用管理JP1との連携時の注意

XMAP3と統合システム運用管理JP1とを連携して実行環境を運用する場合の注意について説明します。