画面・帳票サポートシステム XMAP3 実行ガイド

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19.2.3 XMAP3の帳票を正常に印刷できない

帳票印刷でのトラブルに対する情報の見直し個所と内容を次に示します。

情報の見直し個所 内容
XMAP3表示・印刷セットアップでの帳票印刷に関する設定(XMAP3インストールフォルダ\ETC\X3PCONF[表示・印刷環境ファイル] XMAP3での帳票印刷に関する設定(印刷ページ長,用紙サイズなど)は正しいか確認する。ファイルで確認する場合は項目「COxxxx=」,「PCxxxx=」,「PLxxxx=」,「POxxxx=」の設定値を見直す。
XMAP3表示・印刷セットアップでのプリンタに関する設定(XMAP3インストールフォルダ\ETC\X3PPINF[プリンタ構成ファイル] XMAP3の帳票印刷でのプリンタ出力に関する設定(プリンタ名,印刷モードなど)の内容が正しいか確認する。
「通常使うプリンタ」へのプリンタ割り当て機能を使用している場合は,Windows上で「通常使うプリンタ」に割り当てられていたプリンタと,印刷実行時の「通常使うプリンタ」とで,印刷モード,およびドライバ情報が同一となっているか確認する。
Windowsコントロールパネルのプリンタドライバ情報 ドライバのバージョンが最新であるか,用紙設定,ポート情報などは正しいかを確認する。
Windowsサービス Windows上で印刷を実行するために必要なサービス(Print Spoolerなど)が正常に開始されているか確認する。
印刷サービス 印刷サービスが起動されているか確認する。
起動されていない場合,サービス名ファイル(XMAP3インストールフォルダ\ETC\X3PHOST[サービス名ファイル])の印刷サービス名が,システム全体で重複しない名称になっているか確認する。
印刷しているマップ 帳票の中で定義されている情報は正しいか確認する。
ユーザ作成のグラフィックファイル,およびXMAP3表示・印刷セットアップでのグラフィックデータの格納フォルダの設定 出力グラフィックのパスの設定は正しいか確認する。
FAX宛先ファイル FAX番号,登録キュー情報は正しいか確認する。
JP1にサブミットしている環境変数 XMAP3の出力先プリンタ名は正しいか確認する。
注※
XMAP3のロギング支援機能の「実行環境の表示」メニューで,ファイルの設定内容が確認できます。詳細については,「19.9.4 実行環境情報の確認(実行環境ビューア)」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 印刷性能や描画結果のトラブルと対処方法

(1) 印刷性能や描画結果のトラブルと対処方法

印刷実行時に,印刷性能や描画結果のトラブルが発生した場合の対処方法を次の表に示します。

表19-3 印刷実行での問題と対処方法

現象 推定原因 対処方法
同等レベルのCPUで動作が遅いものがある。 実メモリが少ない。 メモリを増設する。
スワップファイルがあるドライブとXMAP3などのあるドライブが同一ドライブになっている。 スワップファイルがあるドライブとXMAP3などのあるドライブを別のドライブに設定する。
物理的に別のドライブがある場合(1台のハードディスクを二つのドライブに分けたものではなく,ハードディスク自体が複数台ある場合),実行ファイルのあるドライブではないドライブにスワップファイルを設定すると,動作が速くなることがある。
ディスク圧縮ソフトを使用している。 XMAP3のファイルやマップなどを圧縮されていないドライブに置く。
ほかのソフトが同時に動作している。 不要なソフトは起動しないようにする。

  • バックグラウンドで,ほかのAPが起動している。
  • Xサーバエミュレータが起動されている。
  • LAN構成で使用していた端末をスタンドアロン構成として使用している。
  • システムエージェント(タスクスケジューラ)など,一定の間隔でデフラグやスキャンディスクを自動実行するプログラムが動いている。
業務に影響しないAPはできるだけ起動しないようにする。
サーバ側でスクリーンセーバーが起動している。 C/S構成の場合,サーバOS上でスクリーンセーバーが起動していると処理速度が遅くなるため,コントロールパネルでスクリーンセーバーを「なし」にする。
プリンタの印刷開始が遅い。 スプールへの書き込みタイミングがAP終了時である。 印刷・表示環境セットアップでスプールへの書き出し単位を「1ページ毎」に変更する。または,COBOLの命令文の場合,APにDISABLE文を書く。ただし,DISABLE文を書くと次回はオープンから始まるので処理が遅くなる。
印刷が遅い。 デバッグ用にログを出力するように指定していた。 ログを出力しないように,設定し直す。ログ出力の設定については,「10.2.11 ログファイルの出力と出力先の指定(UNIX)」を参照のこと。
スプールに入っているデータ量が多い。 GDIをPDLスルーにする。
グラフィック領域が大きいため,印刷データ量が大きい。 定義領域をできるだけ小さくする。
クローズの終了が遅い。 スプールへの書き込みタイミングがAP終了時で,さらにPDFファイルへ大量に印刷している。 スプールへの書き込みタイミングを1ページごとにする。または,一つのPDFファイルに格納する帳票の数を分割するなどして減らす。帳票オブジェクトに出力/固定グラフィックがある場合,それらを減らす。
エラー詳細情報として「KBTQ523-E書式機能がオープンされていません」がCOBOLのコンソール上に表示される。 書式イメージファイル(.fmp)または行制御データファイル(.pci)が見つからない。 書式イメージファイルと行制御データファイルは同じフォルダに格納する。
書式イメージファイル(.fmp)または行制御データファイル(.pci)が上位のバージョン(VV-RR-/S)で作成されている。 ファイル作成時と同じバージョン(VV-RR-/S)のXMAP3をインストールする。
書式が印刷されない。 コンパイラオプション「-XMAP,LinePrint」が指定されていない。 コンパイラオプション「-XMAP,LinePrint」を指定し,再コンパイルする。
表示・印刷セットアップが正しくない。特に,プリンタデバイス名と印刷サービス名の誤りが考えられる。
  • スタンドアロン構成の場合,COBOLの環境変数を指定している印刷サービス名と,表示・印刷セットアップで指定しているプリンタデバイス名が一致していない。
  • C/S構成の場合,COBOLの環境変数で指定している印刷サービス名と,C/Sセットアップで指定している印刷サービス名が一致していない。
プリンタデバイス名「#PRT」と印刷サービス名「#PRT」を作成し,そのプリンタの種類をページプリンタにする。
行データとして1部,スペースが印刷される。 (00)16〜(1F)16のデータを行データとしてAPが出力しようとした。 ユーザデータを見直す。
行データの末端が印刷されない。 書式オーバレイ定義で指定した用紙サイズを超える行データをAPから指定した。 APで指定する行データを,書式オーバレイ定義で指定した用紙サイズ以内にする。
期待どおりの印刷結果が得られない。 カラー文字や網掛けを含む帳票をGDIモードで印刷する場合に使用する,プリンタのプリンタドライバの仕様。 カラー文字や網掛けを含む帳票を印刷する場合には,テスト印刷で運用上問題がないことを確認して使用する。なお,詳細については,マニュアル「XMAP3 開発ガイド」を参照のこと。
ビットマップイメージが壊れて印刷される。 定義領域に対して,著しく小さいビットマップを領域に合わせて印刷している。 印刷領域に合わせたビットマップデータを作成する。
先頭文字が重ね印字される。 印刷モードで日立ESC/P(A):用紙吸入量0mmのインサータプリンタを選択している。この場合,日立製インサータプリンタの種類によって,用紙の上端から6.35mm(3/12インチ)以内に定義した描画物は,6.35mm(3/12インチ)より下の行に重ね印字される。 用紙の上端から6.35mm(3/12インチ)以内に描画物は定義しないようにする。
不正な文字が印字される。 ハード設定によって,入力バッファが有効になっている。入力バッファが有効になっている場合,プリンタの機種によっては,連続印刷を実行すると文字化けが発生することがある。 入力バッファを無効にする。詳細については,プリンタに添付されているドキュメントを参照のこと。
印刷モードでGDIモードを選択している。この場合,プリンタドライバのフォント代替機能や,OS標準提供のプリンタドライバの仕様で,不正な文字が印字されることがある。 フォントを置き換えない設定にする。または,プリンタメーカー提供のプリンタドライバを使用する。
帳票定義で定義した描画物の位置と,印刷時の描画物の位置がずれている。 ドローでシリアルインパクトプリンタ用に定義した帳票を,ページプリンタの設定をしたプリンタで印刷している。 運用前にテスト印刷をして,帳票定義でオブジェクトの位置を調整する。
ドローでページプリンタ用に定義した帳票を,シリアルインパクトプリンタの設定をしたプリンタで印刷している。
文字がカラー印刷されない。 出力先プリンタでモノクロプリンタを選択している。 出力先プリンタをカラープリンタにする。
印刷モードでPDLスルーを選択している。 PDLスルーをGDIにする。
表示・印刷セットアップの「印刷色」で指定した文字色「黒」のパレットが有効にならない。 XMAP3 04-01以前で作成したマップ定義ファイルを使用している。 マップ定義ファイルをドローで開き,パレットを有効にしたいフィールドの色を,レイアウト定義またはダイアログで再設定する。そのあと,マップを保存して使用する。
GS1-128バーコードの読み取りに失敗する。 プリンタのハードスペック,印字用紙品質,インク品質などによって発生したGS1-128バーコード印字時のにじみ,およびバーコードリーダの読み取り性能の問題が考えられる。 バーコードの印字幅を調整する。詳細については,「9.4.2 GS1-128印刷環境に関する設定」を参照のこと。この調整とあわせて,印字精度の劣化要因(インク品質など)も対処すること。
ネットワークプリンタへの印刷時にXMAP3への印刷要求で詳細コード1が(5024)16のエラーが発生する。
または,印刷要求は正常に終了するが,Windowsのスプールに出力された印刷データの状態が印刷中のままで,印刷が開始されない。
ネットワークプリンタに正しく接続できていないと考えられる。 XMAP3の印刷サービスを実行するアカウントで,ネットワークプリンタに正しく認証されているかどうか,アクセス権が正しく設定されているかどうか,セキュリティの設定を見直す。
Windowsマシンに接続された共用プリンタでは,Windowsユーザアカウントの整合性が一致しない場合は,OSレベルでエラーが発生する。このため,上記の設定を見直しても対処できないときは,Windowsユーザアカウントの影響を受けないように,次の運用を検討する。
  • ネットワークプリンタのUNCパス(\\コンピュータ名\共用プリンタ名)をローカルポートに設定したローカルプリンタとして定義する。
  • プリントサーバにXMAP3 Server Runtimeを導入し,アプリケーションサーバとプリントサーバでXMAP3のC/S構成を検討する(設定例については「6.2.9 XMAP3プリントサーバを利用するC/S構成の設定例」を参照)。
設定した元号が印刷されない。 元号が正しく設定されていないと考えられる。
  • ロギング支援で詳細ログを取得して,論理マップの日付テキスト/フィールドの元号部に元号の値が正しく設定されていることを確認する。
  • 実行環境の表示・印刷環境ファイルで元号が正しく設定されていることを確認する。