画面・帳票サポートシステム XMAP3 実行ガイド

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19.2.2 XMAP3の画面を正常に表示できない

画面表示でのトラブルに対する情報の見直し個所と内容を次に示します。

情報の見直し個所 内容
XMAP3表示・印刷セットアップでの画面表示に関する設定(XMAP3インストールフォルダ\ETC\X3PCONF[表示・印刷環境ファイル] XMAP3での画面表示に関する設定は正しいか確認する。
ファイルで確認する場合は項目「DCxxxx=」または「COxxxx=」の設定値を確認する。
XMAP3表示・印刷セットアップでの表示文字に関する設定(XMAP3インストールフォルダ\ETC\X3PFONT[フォント構成ファイル] XMAP3の画面表示の文字サイズの設定(フォントサイズなど)を確認する。
BIOS,ディスプレイドライバ バージョンが最新か確認する。
Windowsコントロールパネルの画面のプロパティと詳細プロパティ 画面解像度,カラーパレット種別,使用するモニタのドライバ名,ハードウェアアクセラレータ設定値が正しいか確認する。また,OSで支援しているものかを確認する。
表示しているマップ 画面レイアウトなどの情報が正しいかを確認する。
AP上のフィールド設定内容 APからの画面属性の指定や文字の設定が正しいか確認する。
ユーザ作成のグラフィックファイル,およびXMAP3表示・印刷セットアップでのグラフィックデータの格納フォルダの設定 出力グラフィックのパスが正しいか確認する。
XMAP3表示・印刷セットアップでの,ポップアップメニューファイルの格納フォルダの設定,および読み込み契機の選択 指定したフォルダにポップアップメニューファイルがあるか確認する。
ポップアップメニューファイルのファイル形式は正しいか確認する。
読み込み契機が「アプリケーション起動時に読み込み」に設定されていないか確認する。設定されている場合,最初の画面表示が遅くなる。
注※
XMAP3のロギング支援の「実行環境の表示」メニューで,ファイルの設定内容を確認できます。「実行環境の表示」メニューについては,「19.9.4 実行環境情報の確認(実行環境ビューア)」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 画面表示のトラブルの代表例と対処方法
(2) 応答性能のトラブルと対処方法

(1) 画面表示のトラブルの代表例と対処方法

画面が表示されない,または表示状態が悪い場合の代表例と,その対処方法を次の表に示します。

表19-1  画面表示のトラブルの代表例と対処方法

現象 対処方法
画面がまったく表示されない。 ほかのウィンドウの後ろに隠れていないか確認する。隠れている場合は,ウィンドウを前面に移動する。
ほかのAPですでに画面を表示していないか確認する。表示している場合は,ほかのAPを終了したあとに,再実行する。
表示命令(SEND要求)の実行後のリターンコードを見て,APでエラーが起きていないか確認する。エラーが起きている場合は,エラーを修正する。
実際に表示できるサイズよりも大きなウィンドウを指定していないか定義内容を見直す。指定している場合はサイズを修正する。
画面を表示させるサーバで指定できる最大オブジェクト数を超えていないか確認する。超えている場合は,オブジェクトの数を減らす。
WindowsからUNIXへのマップ転送後,cmapcpコマンドで物理マップを利用できる形式に変換しているかを見直す。変換していない場合,cmapcpコマンドで拡張子「.pmp」のない物理マップを作成する。
画面がまったく表示されない。
(マッピングライブラリのリターンコードが「5120(1400)16」の場合)

  • 物理マップ名を正しく指定する。物理マップの名称は,「マップ名+デバイスID」。
    (例:GUI画面の場合はマップ名+NDまたはマップ名+O)
  • ドローセットアップで設定したマップ名の長さを確認する。
物理マップをAPと同じフォルダまたはマップパスに指定したフォルダの下に配置する。
別フォルダから物理マップを参照するようにXMAP3実行環境を設定している場合(マップパスを指定している場合),そのフォルダの下に物理マップを配置する。
仮想端末名を正しく指定する。

  • ホスト名が合っているか確認する。サービス名ファイル,DNS設定,HOSTSファイルで指定しているホスト名を合わせる。なお,DNS設定は,コントロールパネルのネットワークアイコンから「TCP/IP」を選んで設定する。
  • C/S構成の場合,余分なドメイン名を指定してないか確認する。余分なドメイン名がある場合,削除する。
画面が途中までしか表示されない。
画面が壊れる。
ドローで,オブジェクトの属性設定用ダイアログの「表示方法」の指定を確認する。オブジェクトに「非表示」の属性を設定している場合は,解除する。また,属性の動的変更をしている場合は,修飾名の設定を確認する。
データ有無コードに(1F)16以下のコードを指定する。
マップ生成起動時のリターンコードとエラーメッセージを基に定義内容を見直す。マップ生成時のエラーによる,マップの誤りがあった場合は修正する。
外字フォントを正しく作成しているか確認する。
論理マップ長エリアに論理マップの長さを正しく格納しているか,論理マップと物理マップが対応しているか確認する。
出力論理マップ中に前の論理データが残っていないかAPを見直す。前の論理データが残っている場合は,出力論理マップをクリアする。
論理マップに格納したデータの文字コードが誤っていないかAPを見直す。
物理マップと論理マップを作成した日付が一致しているか確認する。不一致の場合はマップ生成,およびAPのコンパイルをし直す。
物理マップを一括生成したり,環境間で移動させたりした場合は,移行元と移行先の物理マップと論理マップの不一致が起きないように確認する。
XMAP3に正しい論理マップデータを渡しているかAPを見直し,物理マップと論理マップの対応を確認する。
先頭1文字,または文字列の途中がデータ有無コードになっていないか確認する。データ有無コードになっている場合は,出力したいデータの前のデータ有無コードを削除する。
マップ展開方式と,COBOLのコンパイラオプションの指定が一致しているか確認する。不一致の場合は,指定を合わせてマップを生成し,APのコンパイルをし直す。なお,マップ展開方式は,ドローセットアップやマップ生成で指定する。
XMAP3実行環境と異なるターゲットを指定して生成した論理マップまたは物理マップを,UNIXで使用していないか見直す。論理マップまたは物理マップをUNIXに転送して利用する場合,XMAP3実行環境に合ったターゲットを指定したあと,マップを生成する。
表示はされるがすぐに消える。 物理マップに対応した入力論理マップの長さを正しく設定する。
画面のサイズが小さくなる。
  • 表示・印刷セットアップでフォントサイズを設定する。
  • フォント構成ファイルで,3D表示に使うフォントサイズを大きく設定し直す。
  • 表示・印刷セットアップで,「2D表示」に設定し直す。
グラフィックデータが正常に表示されない。 表示しようとするグラフィックデータ自体のサイズを大きくする,または表示領域を小さくする。
サイズの小さいグラフィックデータ(ビットマップ,JPEG)を大きな領域に表示しようとした場合,正常な表示がされないときがある。Windows のビットマップ処理の制限のために発生する。
設定した元号が表示されない,または入力できない。
  • ロギング支援で詳細ログを取得して,論理マップの日付テキスト/フィールドの元号部に元号の値が正しく設定されていることを確認する。
  • 実行環境の表示・印刷環境ファイルで元号が正しく設定されていることを確認する。

(2) 応答性能のトラブルと対処方法

画面の応答性能でトラブルが発生した場合の対処方法を次の表に示します。

表19-2 応答性能でのトラブルと対処方法

現象 推定原因 対処方法
同等レベルのCPUで動作が遅いものがある。 実メモリが少ない。 メモリを増設する。
スワップファイルがあるドライブとXMAP3などのあるドライブが同一ドライブになっている。 スワップファイルがあるドライブとXMAP3などのあるドライブを別のドライブに設定する。
物理的に別のドライブがある場合(1台のハードディスクを二つのドライブに分けたものではなく,ハードディスク自体が複数台ある場合),実行ファイルのあるドライブではないドライブにスワップファイルを設定すると,動作が速くなることがある。
ディスク圧縮ソフトを使用している。 XMAP3のファイルやマップなどを圧縮されていないドライブに置く。
ほかのAPが同時に動作している。 不要なAPは起動しないようにする。
1個のオブジェクトの表示形態だけを「全面書換」にしたり,マッピングオプションに「マージ」を指定したりしている。 マッピングオプションとデータ有無コードの設定を見直す。
毎回画面をオープン/クローズしている。 オープンに関してはAPを複数の実行ファイル(.DLLまたは.EXE)に分割しているとき,AP間でオープンを引き継ぐ指定をしているかを見直す。
COBOLの場合,環境変数「CBLTERMSHAR=YES」を指定する。
クローズに関してはクローズ命令(CLOSE要求)の発行を見直す。
ディスプレイドライバの設定による。 ディスプレイドライバの種別によって,表示色数,解像度の設定で表示速度が遅くなる場合がある。それぞれの値を変更して表示してみる。
画面表示性能が通常の場合と比べて遅くなる。 バックグラウンドで,ほかのAPが起動している。
  • LAN構成で使用していた端末をスタンドアロン構成として使用している。
  • システムエージェントなど,一定の間隔でデフラグやスキャンディスクを自動実行するプログラムが動作している。
業務に影響しないAPはできるだけ起動しないようにする。
サーバ側でスクリーンセーバーが起動している。 C/S構成の場合,サーバOS上でスクリーンセーバーが起動していると処理速度が遅くなるため,コントロールパネルでスクリーンセーバーを「なし」にする。
画面のフォーカスが自動的に移動しない。 XMAP3で表示している画面にフォーカスがない。 表示した画面をクリックしてフォーカスを移動させる。