画面・帳票サポートシステム XMAP3 実行ガイド
C/S構成の実行環境を設定するには,ネットワークで各マシンを接続するためのTCP/IP環境の設定が前提となります。
XMAP3をアプリケーションサーバ型C/Sシステム環境で動作させる場合,通信プロトコルとしてTCP/IPを使用するため,あらかじめTCP/IP関連の情報を設定してから,XMAP3の環境を設定します。TCP/IPの設定形式,および設定方法は,各TCP/IPサポートプログラムの方法に従います。なお,クライアントからサーバへの通信でNATなどのIPアドレス変換を伴う環境を使用するには,「6.2.10 NATを利用するC/S構成の設定例」を参照してください。また,DHCPを使用した環境でC/S構成を使用する場合,通信設定簡略化機能の「/attach」オプションとの併用はできません。
クライアント数が多数の場合やクライアントの増設時には,これらのTCP/IPの環境設定やXMAP3の環境設定作業を軽減するために「C/Sシステムの通信設定の簡略化機能」が利用できます。詳細については,「11.3.7 C/Sシステムの通信設定の簡略化」を参照してください。
XMAP3サーバをWindowsのサービスとして運用できます。Windowsサービスとして運用すると,サーバのデスクトップ上,またはターミナルサービスのクライアント上からXMAP3サーバを操作できます。また,1台のサーバマシン上で複数のXMAP3サーバを起動できます。この機能を使用すると,業務ごとにXMAP3サーバを分けて管理できます。このため,1台のサーバまたは台数の少ないサーバ構成で複数の業務を実行する場合に負荷を分散できます。XMAP3サーバをWindowsサービスとして運用する手順については,「11.3.5 Windowsのサービスとして運用する場合のOS設定」を参照してください。
ネットワークで接続するすべてのサーバおよびWindowsクライアントについて,それぞれのOSに設定されているホスト名,およびIPアドレスを確認し,必要であれば,設定を追加します。
詳細については,「11.2.1 ホスト名とIPアドレスの設定および確認」を参照してください。
ネットワークで接続するすべてのサーバおよびWindowsクライアントについて,それぞれのマシンに設定されているシステムホスト名ファイル(HOSTSファイル)とシステムサービス名ファイル(SERVICESファイル)を確認し,必要であれば,設定を追加します。
詳細については,「11.2.2 TCP/IP関連ファイルの設定および確認」を参照してください。
XMAP3の帳票印刷に使用するプリンタが接続されているすべてのマシンで帳票環境を設定します。
帳票環境を設定するには,サービス名とプリンタデバイス名が必要です。
詳細については,「7. 環境設定ファイルの編集」および「9. 帳票に関する環境設定」を参照してください。
定義体をAPとは異なるフォルダに格納する場合やグラフィックデータのパスの指定,アプリケーションサーバの設定を有効にするかどうかの指定など,必要に応じてAP環境を設定します。詳細については,「10. AP実行に関する環境設定」を参照してください。
Windows版XMAP3の場合,C/Sセットアップを使用して,UNIX版XMAP3の場合,直接環境設定ファイルを編集して,C/Sシステム環境を設定します。詳細については,「11. XMAP3サーバ/クライアント利用に関する環境設定」を参照してください。なお,環境設定は,サーバ側で設定します。
このとき,クライアントのホスト名には,「6.2.1(1) ホスト名とIPアドレスの設定および確認」の作業で確認したホスト名を設定してください。
1台のサーバマシン上に複数のXMAP3サーバを起動する場合,サーバ起動ファイル(X3PSERV)を設定します。サーバ起動ファイルは,ファイルを開いてテキストエディタで直接指定してください。詳細については,「7.2.8 サーバ起動ファイル(X3PSERV)」を参照してください。また,業務に合わせてSERVICESファイルのサービス名ごとにサービス名ファイル(X3PHOST)を作成できます。詳細については,「6.2.8 1台のマシン上にXMAP3サーバを複数起動するC/S構成の設定例」を参照してください。
複数台の端末から一斉にXMAP3クライアントを起動した場合に初期画面の起動が遅延するなど,アクセスの状況によってはC/S間の通信が遅延することがあります。このように,送信済みデータが応答待ちの状態になっても,遅延させることなくデータを送信できるように設定できます。この設定では,C/S間で使用する通信ソケット(INETドメイン)に,TCP_NODELAYオプションを使用します。
XMAP3の通信での遅延を抑止するには,アプリケーションを起動する前に,環境変数XMAP3_TCP_NODELAYにONを設定します。環境変数XMAP3_TCP_NODELAYの設定値を次に示します。
XMAP3サーバで,サービス名ファイル(X3PHOST/XPWhosts)に記載したクライアントホスト名がサーバマシンのhostsファイルまたはDNSに設定されていないため名前解決できない場合に,XMAP3クライアント側で設定した表示・印刷環境ファイル(X3PCONF)を有効(ローカルコンフィグを有効)にしておくと,C/S構成の通信に時間が掛かることがあります。
このとき,hostsファイルまたはDNSにホスト名を設定すると,名前解決による遅延を回避できます。しかし,hostsファイルまたはDNSを修正するとシステムに影響する場合は,XMAP3での設定で遅延を回避できます。ローカルコンフィグ時の遅延を抑止するには,環境変数XMAP3_CLTCNF_HOSTにOFFを設定します。
環境変数XMAP3_CLTCNF_HOSTの設定値を次に示します。なお,環境変数XMAP3_CLTCNF_HOSTの設定は,Windows版XMAP3またはAIX版XMAP3の場合に有効です。
通信障害が発生したときに,表示していたすべての画面が消えることを防ぐため,UAPと表示サービス間で通信障害を検知したときにエラーダイアログを出力します。エラーダイアログを出力している間は処理中の画面が消去されないようにできます。
通信障害を知らせるダイアログを表示させるようにするには,環境変数XMAP3_DSP_DIALOGにONを設定します。なお,デフォルトはONであるため,環境変数を設定しない場合は,通信障害を知らせるダイアログは表示されます。
一定時間操作しなかったあとに画面を操作すると,通信エラーになって,表示していた画面が消えることがあります。これを防ぐため,操作していない間も一定間隔で通信するように,UAPで使用するソケットにKeepAliveオプションを指定できます。これは,一定間隔でKeepAliveパケットを送信し,応答がなければ障害と判断しコネクションを切断する機能です。KeepAliveオプションを指定すると,表示・印刷サービスとUAP間のコネクション障害をOSの設定※に従って検出できます。
注※ WindowsおよびUNIXの場合,デフォルトで2時間が設定されます。
また,OSの設定でKeepAliveパケットの送信間隔を変更すると,画面を操作していない間にTCPコネクションが切断されるのを回避できます。
ライブラリのKeepAlive機能を使用するには,アプリケーションを起動する前に,サーバ側で環境変数名に「XMAP3_LIB_KEEPALIVE」,値に「ON」を設定します。また,表示サービスのKeepAlive機能を使用するには,表示サービスを起動する前に,クライアント側で環境変数名に「XMAP3_DSP_KEEPALIVE」,値に「ON」を設定します。
環境変数ごとの設定値を次に示します。
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