Hitachi

HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 10


6.4.2 抽出側Datareplicatorで使うファイルの運用

抽出側Datareplicatorで使うファイルの運用方法について説明します。

ファイルの内容については,「3.2.2 抽出処理で使うファイルとプロセス」を参照してください。

ファイルの準備については,「4.6.2 抽出側Datareplicatorで使うファイルの準備」を参照してください。

注意事項

Datareplicatorの稼働中/停止中に関係なく,ファイルを入れ替えないでください。Datareplicatorが誤動作するおそれがあります。

〈この項の構成〉

(1) 抽出システム定義ファイルの運用方法

抽出システム定義ファイルの運用方法については,「5.2.2 定義内容の変更」を参照してください。

(2) 抽出環境定義ファイルの運用方法

抽出環境定義ファイルの運用方法については,「5.3.2 定義内容の変更」を参照してください。

(3) 送信環境定義ファイルの運用方法

送信環境定義ファイルの運用方法については,「5.4.2 定義内容の変更」を参照してください。

(4) 抽出定義ファイルの運用方法

抽出定義ファイルの運用方法については,「5.5.2 定義内容の変更」を参照してください。

(5) 抽出定義プリプロセスファイルの運用方法

抽出定義プリプロセスファイルの運用方法について説明します。

(a) 抽出定義ファイルの再変換

抽出側HiRDBで抽出対象の表の定義変更をした場合,又は抽出側Datareplicatorの抽出定義を変更した場合には,抽出定義ファイルを内部形式に再変換する必要があります。抽出定義ファイルを内部形式に再変換する場合には,次のように操作してください。

  1. 抽出側Datareplicatorを正常終了します。

  2. 抽出対象の表の定義変更,又は抽出定義を変更します。

  3. 抽出側システムでhdeprepコマンドを実行します。

  4. 抽出側Datareplicatorを正常開始します。

(6) 抽出情報キューファイルの運用方法

抽出情報キューファイルの運用方法について説明します。抽出情報キューファイルの満杯時の対処については,「9.1.2 エラーの対処方法」を参照してください。

(a) ファイル名,サイズ,又は個数の変更

抽出情報キューファイルの名称,サイズ,又は個数を変更する場合は,次のように操作します。

UNIXの通常ファイル,又はWindowsファイルの場合の操作
  1. 抽出側システムを終了します。

  2. 抽出側Datareplicatorを正常終了します。

  3. テキストエディタで,抽出環境定義の対応するオペランドの設定を変更します。

  4. 抽出側Datareplicatorを初期開始します。

  5. 抽出側Datareplicatorを正常開始します。

  6. 抽出側システムを起動します。

UNIXのキャラクタ型スペシャルファイルの場合の操作
  1. 抽出側システムを終了します。

  2. 抽出側Datareplicatorを正常終了します。

  3. OSのコマンドで,キャラクタ型スペシャルファイル形式の抽出情報キューファイルを再作成します。

    注意事項

    HiRDBのサーバ追加,又は削除などによって,ステータスファイルのサイズ変更やDisk配置の変更が発生した場合にだけ実施が必要

  4. テキストエディタで,抽出環境定義の対応するオペランドの設定を,作成した抽出情報キューファイルに合わせて変更します。

    注意事項

    HiRDBのサーバ追加,又は削除などによって,ステータスファイルのサイズ変更やDisk配置の変更が発生した場合にだけ実施が必要

  5. 抽出側Datareplicatorを初期開始します。

  6. 抽出側Datareplicatorを正常開始します。

  7. 抽出側システムを起動します。

(b) 抽出情報キューファイルの構成を変更するコマンド(hdemodqコマンド)

hdemodqコマンドを使うと,抽出側Datareplicatorを初期開始しなくても,抽出情報キューファイルの構成を変更できます。hdemodqコマンドでできる操作を次に示します。

hdemodqコマンドの操作

説明

抽出情報キューファイルの情報の表示

オフライン時の抽出情報キューファイルの情報を表示できます。

抽出情報キューファイルの追加登録

満杯状態を解消するために,コマンドで抽出情報キューファイルを追加できます。

抽出情報キューファイルの登録解除

不要になった抽出情報キューファイルを削除できます。

hdemodqコマンドを実行する前提条件

hdemodqコマンドを実行できる条件を次に示します。

  • 抽出側Datareplicatorが停止中。

  • 環境変数「HDEPATH」を設定済み。

  • 構成を変更する抽出情報キューファイルが,コマンドを実行するノードにある。

  • このコマンドを実行するユーザは,UNIXのときは抽出ノードマスタプロセス実行ユーザ(inetd.confで指定),WindowsのときはAdministrators権限があるユーザである。ただし,hdemodqコマンドの-lオプション指定(ファイル情報の表示)に限り,一般ユーザも実行可能。

同じ抽出側システムに対してhdemodqコマンドを多重実行できるのは,情報を表示するときだけです。追加登録と登録解除は多重実行できません(どれか一つを除いて,KFRB09302-Eメッセージを出力してエラーになります)。

  • 抽出情報キューファイル情報の表示

    抽出情報キューファイルの情報を,標準出力に表示できます。表示形式については,「7. コマンドの文法」のhdemodqコマンドを参照してください。

  • 抽出情報キューファイルの追加登録

    抽出情報キューファイルのサイズ分だけ初期化して,Datareplicatorに登録できます。追加登録は,抽出情報キューファイルへの書き込みでディスク容量オーバー(Disk Full)になったときは適用できません。抽出情報キューファイルは16個まで追加できます。

    追加できる抽出情報キューファイルの種類は,UNIXの通常ファイル又はキャラクタ型スペシャルファイル(Windowsの場合は,Windowsファイル)です。Datareplicatorファイルシステム領域へは,抽出情報キューファイルを追加できません。

    追加する抽出情報キューファイルのサイズは,割り当て済みの抽出情報キューファイルと同じサイズでなければなりません。

  • 抽出情報キューファイルの登録解除

    Datareplicatorに登録してある抽出情報キューファイルを解除します。解除できるのは,抽出情報キューファイルの情報表示で未送信抽出情報の有無が「e」と表示されているファイルだけです。なお,hdemodqコマンドでは登録の解除だけを実行します。抽出情報キューファイル自体は削除しません。

    抽出情報キューファイルは,最小で2個になるまで解除できます。Datareplicatorに登録されている抽出情報キューファイルが2個のときは,登録を解除できません。

    登録を解除できる抽出情報キューファイルの種類は,UNIXの通常ファイル又はキャラクタ型スペシャルファイル(Windowsの場合は,Windowsファイル),又はDatareplicatorファイルシステム領域上の抽出情報キューファイルです。

注意

hdemodqコマンドで抽出情報キューファイルの構成を変更するときは,次の項目に注意してください。

  • 抽出サーバステータスファイルのバックアップ

    hdemodqコマンドでは,抽出情報キューファイルの状態を変更するため,抽出サーバステータスファイルを更新します。コマンド実行時の障害に備えて,コマンド実行前に抽出サーバステータスファイルのバックアップを取得しておいてください。抽出サーバステータスファイルをDatareplicatorファイルシステム領域に格納しているときは,そのDatareplicatorファイルシステム領域をすべてバックアップしてください。バックアップ方法については,「6.4.2(7)(b) 抽出サーバステータスファイルのバックアップ」を参照してください。

  • 構成変更後の初期化

    hdemodqコマンドを実行して抽出情報キューファイルの構成を変更した後に hdestart -iコマンドを実行して抽出側Datareplicatorの環境を初期化すると,抽出環境定義に従って環境が再構築されます。そのため,hdemodqコマンドで変更した構成は無効となるので注意してください。

(7) 抽出のステータスファイルの運用方法

抽出側Datareplicatorのステータスファイル(抽出マスタステータスファイル,抽出サーバステータスファイル)の運用方法について説明します。

(a) 抽出のステータスファイルの初期化

抽出のステータスファイル(抽出マスタステータスファイル,抽出サーバステータスファイル)を初期化するときは,次のように操作します。

UNIXの通常ファイル,又はWindowsファイルの場合の操作
  1. 抽出側システムを終了します。

  2. 抽出側Datareplicatorを正常終了します。

  3. 抽出側Datareplicatorを初期開始します。

  4. 抽出側Datareplicatorを正常開始します。

  5. 抽出側システムを起動します。

UNIXのキャラクタ型スペシャルファイルの場合の操作
  1. 抽出側システムを終了します。

  2. 抽出側Datareplicatorを正常終了します。

  3. OSのコマンドで,前回のステータスファイルを削除します。

    HiRDBのサーバ追加,又は削除などによって,ステータスファイルのサイズ変更やDisk配置の変更が発生した場合にだけ実施が必要です。

  4. OSのコマンドで,キャラクタ型スペシャルファイル形式のステータスファイルを再作成します。

    HiRDBのサーバ追加,又は削除などによって,ステータスファイルのサイズ変更やDisk配置の変更が発生した場合にだけ実施が必要です。

  5. 抽出側Datareplicatorを初期開始します。

  6. 抽出側Datareplicatorを正常開始します。

  7. 抽出側システムを起動します。

(b) 抽出サーバステータスファイルのバックアップ

次の場合,抽出サーバステータスファイルをバックアップしてください。

  • hdemodqコマンドで抽出情報キューファイルの構成を変更する場合

  • 抽出情報キューファイルが満杯の場合

  • 抽出情報キューファイル回復機能を使用する場合

抽出サーバステータスファイルのバックアップを取得するためのコマンドを次の表に示します。

表6‒4 抽出サーバステータスファイルのバックアップを取得するためのコマンド

抽出サーバステータスファイルの種別

使用するコマンド

コマンド実行例

UNIXの通常ファイル

cp

cp $HDEPATH/sts_sds01 sts_sds01_backup

UNIXのキャラクタ型スペシャルファイル

dd

dd if="$HDEPATH/sts_sds01" of=sts_sds01_backup bs=1024 count=sts_sds01のキロバイト数

Windowsファイル

copy

copy "%HDEPATH%\sts_sds01" sts_sds01_backup

注1

抽出サーバステータスファイル名がsts_sds01の場合の例です。各コマンドの詳細については,該当するOSのマニュアルを参照してください。

注2

抽出サーバステータスファイルをバックアップから回復する場合は,抽出サーバステータスファイル名とバックアップファイル名を入れ替えて,コマンドを実行してください。

(8) 抽出のエラー情報ファイルの運用方法

抽出のエラー情報ファイル(抽出マスタエラー情報ファイル,抽出ノードマスタエラー情報ファイル)の運用方法について説明します。

(a) 最大サイズの変更

抽出のエラー情報ファイルの最大サイズを変更するときは,次のように操作します。

  1. 抽出側システムを終了します。

  2. 抽出側Datareplicatorを正常終了します。

  3. テキストエディタで,抽出システム定義の対応するオペランドの設定を変更します。

  4. 抽出側Datareplicatorを正常開始します。

  5. 抽出側システムを起動します。

(b) 抽出のエラー情報ファイルの保存

蓄積の対象になるエラー情報ファイルが満杯になるとスワップされます。スワップ先のエラー情報ファイルはスワップ時に再作成されます。再作成される前にエラー情報ファイルの内容を保存したいときは,次のように操作してください。

  1. OSのコマンドで,エラー情報ファイルの更新日時を調べます。

  2. 更新日時の古いエラー情報ファイルを,OSのコマンドで任意の名称のファイルにコピーします。

Datareplicatorの稼働中にエラー情報ファイルがスワップ又はクローズされると,メッセージ(KFRB00051-I,KFRB00052-I)が出力されます。このメッセージを契機に,必要に応じてバックアップを取得してください。

(c) エラー情報の標準出力への出力

蓄積の対象になるエラー情報ファイルが満杯になるとスワップされます。スワップ先のエラー情報ファイルはスワップ時に再作成されます。再作成される前にエラー情報ファイルの内容を標準出力に出力したいときは,次のように操作してください。

  1. OSのコマンドで,抽出マスタエラー情報ファイルの更新日時を調べます。

  2. 更新日時の古い抽出マスタエラー情報ファイルを,OSのコマンドで標準出力に出力します。

(d) エラー情報ファイルの出力例

抽出マスタエラー情報ファイルの出力例を図6-8に,抽出ノードマスタエラー情報ファイルの出力例を図6-9に示します。

図6‒8 抽出マスタエラー情報ファイルの出力例

[図データ]

図6‒9 抽出ノードマスタエラー情報ファイルの出力例

[図データ]

(e) ファイル以外への出力

エラー情報ファイルの内容は,エラー情報ファイルの障害回避や自動化運転の情報取得のために,syslogファイルに出力されます。

syslogファイルに出力するときには,抽出システム定義のsyslogoutオペランドをtrueにする必要があります。

抽出マスタエラー情報ファイルの内容の出力先を次の表に示します。

表6‒5 抽出マスタエラー情報ファイルの内容の出力先

抽出マスタエラー情報ファイルの状態

出力先

syslogファイル

抽出マスタエラー情報ファイル

正常(出力可)

障害あり(出力不可)

×

(凡例)

○:出力します。

△:抽出システム定義のsyslogoutオペランドがtrueの場合だけ出力します。

×:出力しません。

(9) 稼働トレースファイルの運用方法

稼働トレースファイルは,hdstrceditコマンドで編集して参照できます。hdstrceditコマンドの使い方については,「7. コマンドの文法」のhdstrceditコマンドを参照してください。

(10) データ連動用連絡ファイルの運用方法

データ連動用連絡ファイルの運用方法について説明します。

(a) データ連動用連絡ファイルの初期化

データ連動用連絡ファイルを初期化する場合には,次のように操作します。

UNIXの通常ファイル,又はWindowsファイルの場合の操作
  1. 抽出側システムを終了します。

  2. 抽出側Datareplicatorを正常終了します。

  3. 抽出側Datareplicatorを初期開始します。

  4. 抽出側Datareplicatorを正常開始します。

  5. 抽出側システムを起動します。

UNIXのキャラクタ型スペシャルファイルの場合の操作
  1. 抽出側システムを終了します。

  2. 抽出側Datareplicatorを正常終了します。

  3. OSのコマンドで,前回のデータ連動用連絡ファイルを削除します。

  4. OSのコマンドで,キャラクタ型スペシャルファイル形式のデータ連動用連絡ファイルを再作成します。

  5. 抽出側Datareplicatorを初期開始します。

  6. 抽出側Datareplicatorを正常開始します。

  7. 抽出側システムを起動します。

(11) コマンドログファイルの運用方法

コマンドログファイルの運用方法について説明します。

コマンドログファイルは,Datareplicatorのコマンドを実行した履歴を格納するファイルです。Datareplicatorの起動時に自動的に作成されます。コマンドを実行した履歴を確認したいときに,任意に参照してください。コマンドログに出力される情報については,「7. コマンドの文法」の「コマンドの概要」を参照してください。

コマンドログファイルの内容の例を次の図に示します。

図6‒10 コマンドログファイルの内容の例

[図データ]