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HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 10


5.1.1 Datareplicatorの定義の構成

Datareplicatorの定義は,抽出側Datareplicatorと反映側Datareplicatorで別々の定義ファイルを作成します。どちらの定義も,データ連動システムを起動する前に作成しておく必要があります。さらに,抽出側HiRDBのシステム定義には,Datareplicatorを使ってデータ連動することを指定しておく必要があります。

Datareplicatorの定義の体系を次の図に示します。

図5‒1 Datareplicatorの定義の体系

[図データ]

Datareplicatorの定義ファイルの作成方法については,「4.6.2 抽出側Datareplicatorで使うファイルの準備」又は「4.7.2 反映側Datareplicatorで使うファイルの準備」を参照してください。

定義ファイルのサンプル

Datareplicatorでは,定義ファイルのテンプレート(サンプル)を提供しています。テンプレートの内容を定義ファイルのディレクトリ(HDSPATH)又は任意のディレクトリ下にコピーして内容を流用すれば,最初から定義ファイルを作成する手間が省けます。Datareplicatorの定義ファイルのサンプルについては,「5.13.2 抽出側Datareplicatorの定義の例」又は「5.13.3 反映側Datareplicatorの定義の例」を参照してください。

抽出側Datareplicatorの定義の一覧を表5-1に,反映側Datareplicatorの定義の一覧を表5-2に示します。

表5‒1 抽出側Datareplicatorの定義の一覧

抽出側Datareplicatorの定義名

定義ファイル名

必要・任意

内容

抽出システム定義

$HDEPATH/hdeenv

必要

抽出側Datareplicatorの稼働環境についての情報を定義します。定義する情報には,抽出側Datareplicator識別子,送信先識別子などがあります。

抽出環境定義

任意の名称

必要

抽出処理の稼働環境についての情報を定義します。定義する情報には,抽出情報キューファイル名,抽出情報キューファイルサイズなどがあります。

送信環境定義

任意の名称

必要

送信処理の稼働環境についての情報を定義します。定義する情報には,通信のためのサービス名,ホスト名などがあります。

抽出定義

任意の名称

必要

抽出,送信処理の内容を定義します。定義する情報には,抽出対象表と更新情報の対応付け,更新情報の送信先識別子などがあります。

抽出側HiRDBの定義

HiRDBの次の定義ファイル

  • システム共通定義ファイル

  • ユニット制御情報定義ファイル

必要

抽出側HiRDBで抽出側Datareplicatorを使うために必要な情報を定義します。定義する情報には,データ連動の開始方法,抽出側Datareplicatorが使うディレクトリ名などがあります。

二重化定義

抽出システム定義ファイルのfile_dupenvオペランドに指定したファイル名

任意

抽出側システムで使用する定義ファイルを二重化する場合に定義します。二重化できるファイルには,抽出マスタステータスファイル,抽出サーバステータスファイル,抽出情報キューファイル,及びデータ連動用連絡ファイルがあります。

表5‒2 反映側Datareplicatorの定義の一覧

反映側Datareplicatorの定義名

定義ファイル名

必要・任意

内容

反映システム定義

$HDSPATH/hdsenv

必要

反映側Datareplicatorの稼働環境についての情報を定義します。定義する情報には,通信プロトコル,抽出側システムのデータ連動識別子などがあります。

反映環境定義

任意の名称

必要

反映処理の稼働環境についての情報を定義します。定義する情報には,反映情報キューファイル名,反映ステータスファイル名,反映処理の方式などがあります。

反映定義

任意の名称

任意

反映処理の内容を定義します。定義する情報には,更新情報と反映対象表との対応付け,反映先のフロントエンドサーバ,キーレンジ分割条件,ハッシュ分割条件,UOC名などがあります。

更新情報定義

任意の名称

任意

SAMファイルを使ってデータ連動する場合に,抽出側DBがPDMII E2のときに定義します。

二重化定義

反映システム定義ファイルのfile_dupenvオペランドに指定したファイル名

任意

反映側システムで使用する定義ファイルを二重化する場合に定義します。二重化できるファイルには,抽出マスタステータスファイル,抽出サーバステータスファイル,抽出情報キューファイル,及びデータ連動用連絡ファイルがあります。

〈この項の構成〉

(1) 抽出側Datareplicatorの定義とデータ連動システムの関係

抽出側Datareplicatorの定義とデータ連動システムの関係を次の図に示します。

図5‒2 抽出側Datareplicatorの定義とデータ連動システムの関係

[図データ]

注※1

抽出側HiRDBがパラレルサーバで,さらに環境変数に対して,サーバマシンごとに異なる指定をしている場合には,環境変数に対するオペランドをサーバマシンごとに個別に指定できます。

注※2

抽出側HiRDBのすべてのBESに対して共通の指定をすることも,また各BESに対して必要に応じて個別に指定することもできます。

注※3

二重化定義は,ファイルの二重化を使用する場合に必要です。

(2) 反映側Datareplicatorの定義とデータ連動システムの関係

反映側Datareplicatorの定義とデータ連動システムの関係を次の図に示します。

図5‒3 反映側Datareplicatorの定義とデータ連動システムの関係

[図データ]

注※1

二重化定義は,ファイルの二重化を使用する場合に必要です。

注※2

抽出対象の表と反映対象の表とで,表の形式,表名,及び列名がすべて同じ場合には,反映定義を省略できます。

注※3

SAMファイルを使った抽出側システムのうち,PDMⅡ E2の場合に更新情報定義が必要です。