uCosminexus DocumentBroker Object Loader Version 3

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2.8.2 オブジェクトエクスポートに関する注意事項

<この項の構成>
(1) 実行環境に関する注意事項
(2) 運用上の注意事項

(1) 実行環境に関する注意事項

(a) 実行時の権限について

オブジェクトエクスポートの実行者には,次の権限が必要です。

(b) 他機能との関係

オブジェクトエクスポートはDocumentBrokerサーバを起動中,およびほかのDocumentBrokerコマンド実行中でも実行できます。

(2) 運用上の注意事項

(a) 文書空間のオブジェクトをほかの文書空間に移行する場合

オブジェクトエクスポートが出力するオブジェクトローダ入力データファイルは,移行先のDocumentBroker文書空間に合わせてカスタマイズする必要があります。移行先のDocumentBroker文書空間が移行元のDocumentBroker文書空間の構成(クラス定義,クラス中のプロパティの定義)と同じであれば,オブジェクトエクスポートが出力するオブジェクトローダ入力データファイルに手を加える必要はありません。

(b) 並列実行をする場合

オブジェクトエクスポートを複数のプロセスで並行して実行する場合は次の点について注意してください。

(c) モデルについて

同一のクラス間をDCRで関連づけているモデルはエクスポートできません。例えば,次のようなモデルの場合です。

モデルの例
クラスB―DCR―クラスB
(d) 文書付きオブジェクトに対してオブジェクトエクスポートを実行する場合

文書付きオブジェクトに対してオブジェクトエクスポートを実行する場合,制御ファイルのDocDirエントリに指定したディレクトリ下に文書ファイルを作成します。オブジェクトエクスポートが生成した入力データファイルを使用し,オブジェクトローダを実行して,文書ファイルが不要になった場合は,ユーザが文書ファイルを削除する必要があります。

(e) VariableArray型のデータに対してオブジェクトエクスポートを実行する場合

VariableArray型のデータに対してオブジェクトエクスポートを実行できます。また,生成結果の入力データファイルをそのまま使用してオブジェクトローダを実行し,VariableArray型のデータを保有するオブジェクトを登録できます。

(f) 文書クラスに対してオブジェクトエクスポートを実行する場合

オブジェクト指定ファイルに指定する文書クラス(DocVersionクラスまたはDocVersionクラスのサブクラス)が,バージョン付き文書または構成管理の対象となる文書の文書クラスを含んでいる場合,オブジェクトエクスポートの結果にバージョン付き文書または構成管理の対象となる文書のオブジェクトが出力されます。

(g) XML文書に対してオブジェクトエクスポートを実行する場合

オブジェクトエクスポートはサブレンディションの出力はできないため,**PROP_SUB_XML**プロパティを制御ファイルのDataMappingセクションに指定しないでください。指定した場合,エラーメッセージ(KMBV11049-E)を出力してプログラムを終了します。

XML文書登録時は,構文解析レベルやフィルタリング定義の指定によってデータベースへの登録値が異なります。しかし,登録時に指定された内容は保持されていないので,オブジェクトエクスポートでは値を仮定して抽出します。このため,エクスポートした結果を用いて,オブジェクトローダを実行する場合は,次の点に注意が必要です。

入力データファイルのプロパティの設定
オブジェクトエクスポートの結果として各プロパティに対して出力される値,およびその結果を使用して再度オブジェクトローダを実行するときの注意事項について説明します。なお,プロパティ値はオブジェクトローダ入力データファイルに出力されます。
**PROP_XML_MAP**プロパティ
  • 出力内容
    ["NP"]
  • 注意事項
    ["OP"]を指定してオブジェクトローダを実行したXML文書やプロパティマッピング機能を用いて登録されたXML文書は,マッピングデータがすでにデータベースに登録されています。このようなXML文書は,プロパティマッピング定義に従ってプロパティに値が設定された状態でエクスポートされます。この場合,**PROP_XML_MAP**プロパティの内容を変更する必要はありません。
**PROP_XML_INDEX**プロパティ
  • 出力内容
    全文検索インデクスが登録されている場合:["OP"]
    全文検索インデクスが登録されていない場合:["NP"]
  • 注意事項
    フィルタリング定義ファイルは,オブジェクトエクスポート時は出力されません。
    再度オブジェクトローダを実行する場合,フィルタリングをするときは,フィルタリング定義ファイルのパスを追加してください。形式は次のとおりです。
    ["OP"/"フィルタリング定義ファイルのパス"]
    なお,オブジェクトエクスポートは,全文検索インデクスデータを出力しません。エクスポートした結果を用いてオブジェクトローダを実行するときに再生成します。
**PROP_PARSE_LEVEL**プロパティ
  • 出力内容
    ,0,
  • 注意事項
    再度オブジェクトローダを実行する場合,構文解析レベルを指定するときは,必要に応じてプロパティ値を変更してください。

XML文書以外の文書に対して再度オブジェクトローダを実行する場合
XML文書を登録したクラスにXML文書以外の文書が登録されている場合,すべての文書がXML文書としてエクスポートされます。また,XML文書以外の文書の全文検索インデクスが登録済みの場合,**PROP_XML_INDEX**プロパティの値が["OP"]で出力されるため,再度オブジェクトローダを実行するとXML文書として全文検索インデクスが生成されます。
このため,XML文書以外の文書に対してオブジェクトローダを実行する場合は,DataMappingセクションのXML文書登録のシステムプロパティ,およびそれに対する入力データファイルのプロパティ値を削除してから,再度オブジェクトロードしてください。
(h) 同じConfigurationHistoryクラスに混在するオブジェクトに対してオブジェクトエクスポートを実行する場合

バージョン付き文書,構成管理コンテナでは,同一のConfigurationHistoryクラスを使用できます。ただし,文書クラスが混在している場合は,オブジェクトエクスポートを実行できません。例えば,バージョン付き文書と構成管理コンテナで同じdmaClass_ConfigurationHistoryクラスを使用している場合は,オブジェクトエクスポートを実行できません。異なるクラスのオブジェクト(バージョン付き文書,構成管理コンテナ)が混在するConfigurationHistoryクラスに対してオブジェクトエクスポートを実行する場合の実行方法および注意事項については,「付録D ConfigurationHistoryクラスのエクスポート」を参照してください。

(i) オブジェクトエクスポートおよびDocumentBrokerの実行環境

オブジェクトエクスポートは,DocumentBrokerサーバと同一のマシン上で動作することが前提となります。

(j) マルチファイル文書のエクスポート

オブジェクトエクスポートは,マルチファイル文書に対応していません。

オブジェクトエクスポートの実行時,オブジェクト指定ファイルに指定した条件で出力されるオブジェクトにマルチファイル文書が含まれる場合,マルチファイル文書の処理はスキップされ,スキップされた文書オブジェクトの数がメッセージ(KMBV11427-I)に出力されます。マルチファイル文書以外の文書オブジェクトはエクスポートされます。

オブジェクト指定ファイルの詳細については,「5.5 オブジェクト指定ファイル」を参照してください。

(k) リファレンスファイル文書のエクスポート

オブジェクトエクスポートは,リファレンスファイル文書に対応していません。そのため,制御ファイルのDataMappingセクションのエントリに,**PROP_REF_TYPE**,**PROP_REF_BASEPATH**および**PROP_REF_PATH**は指定しないでください。指定した場合,オブジェクトエクスポートの実行時,エラーメッセージ(KMBV11049-E)を出力して,処理を終了します。

オブジェクトエクスポートの実行時,オブジェクト指定ファイルに指定した条件で出力されるオブジェクトにリファレンスファイル文書が含まれる場合,リファレンスファイル文書の処理をスキップして,スキップした文書オブジェクトの数をメッセージ(KMBV11427-I)に出力します。なお,リファレンスファイル文書以外の文書オブジェクトはエクスポートされます。

オブジェクト指定ファイルの詳細については,「5.5 オブジェクト指定ファイル」を参照してください。

(l) パブリックACL,およびローカルACLのエクスポート

オブジェクトエクスポートは,パブリックACL,およびローカルACLに対応していません。そのため,制御ファイルのDataMappingセクションのエントリに**PROP_PACL**,**PROP_ACL_SUBJECT**,**PROP_ACL_STYPE**,および**PROP_ACL_PERM**は指定しないでください。指定した場合,オブジェクトエクスポートの実行時,エラーメッセージ(KMBV11049-E)を出力して,処理を終了します。

オブジェクト指定ファイルにedmClass_PublicACLクラスのオブジェクトは指定できません。指定した場合は,エラーメッセージ(KMBV11420-E)を出力して,処理を終了します。

パブリックACL,およびローカルACLが登録されたオブジェクトに対して,オブジェクトエクスポートを実行した場合,パブリックACL,およびローカルACLの情報のないオブジェクトをエクスポートします。