JP1/NETM/Asset Information Manager 設計・構築ガイド

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3.2.4 ソフトウェア名の割り当て方法の設定

ソフトウェアのライセンスを管理するには,各機器にインストールされているソフトウェアの名称(インストールソフトウェア名)と,ライセンスを管理しているソフトウェアの名称(ソフトウェア名)を対応づけて管理する必要があります。

JP1/NETM/DMからインストールソフトウェア情報を取得する設定にしている場合,インストールソフトウェア名を自動的にソフトウェア名に割り当てて,対応づけることができます。

注意事項
インストールソフトウェア名をソフトウェア名に自動的に割り当てる場合,JP1/NETM/DMで日立プログラムプロダクトのソフトウェア情報を重複して取得していると,一つの日立プログラムプロダクトが二つのソフトウェアとして登録されることがあります。そのため,ライセンスの集計結果が重複する可能性があります。ライセンスの集計結果が重複する場合の対処については,「13.1 JP1/NETM/DMから取得できるインベントリ情報」を参照してください。

インストールソフトウェア名をソフトウェア名に自動的に割り当てる場合,JP1/NETM/DMからパッケージ識別IDを取得するかどうか,およびソフトウェア名を自動的に登録するかどうかによって,割り当て方法が異なります。

次に,パッケージ識別IDを取得する場合と取得しない場合の違いについて説明します。

パッケージ識別IDを取得しない場合の割り当て例を次の図に示します。

図3-5 パッケージ識別IDを取得しない場合の割り当て例

[図データ]

パッケージ識別IDを取得しない場合は,インストールソフトウェア名で同一のソフトウェアかどうかが判断されます。この例では,パッケージ名と同じインストールソフトウェア名は登録されていなかったので,新規にインストールソフトウェア名として「ソフトウェアa」が登録されます。また,ソフトウェア名を自動的に登録する設定にしている場合,同じ名称のソフトウェア名が登録されて,対応づけられます。

パッケージ識別IDを取得する場合の割り当て例を次の図に示します。

図3-6 パッケージ識別IDを取得する場合の割り当て例

[図データ]

パッケージ識別IDを取得する場合は,パッケージ識別IDで同一のソフトウェアかどうかが判断されます。この例では,パッケージ名は異なりますが同じパッケージ識別IDのインストールソフトウェア名が登録されているので,新規にインストールソフトウェア名として「ソフトウェアa」を登録したあと,同じソフトウェア名に対応づけが追加されます。

パッケージ識別IDで同一のソフトウェアかどうかを判断することで,バージョンの違いによって,同一のソフトウェアの名称が異なるインストールソフトウェア名で取得されてしまった場合でも,正しくライセンスを管理できます。

このようなインストールソフトウェア名を自動的にソフトウェア名に割り当てる方法は,[サーバセットアップ]ダイアログで設定します。設定する項目については,「5.3.7 JP1/NETM/DM連携の設定」を参照してください。

次に,[サーバセットアップ]ダイアログでの設定に従って,どのようにインストールソフトウェア名がソフトウェア名に割り当てられるかについて,詳しく説明します。

インベントリ情報の取得時に,[サーバセットアップ]ダイアログでの設定に従って,取得したパッケージ名がソフトウェア名に割り当てられる処理の流れを次の図に示します。

図3-7 パッケージ名がソフトウェア名に割り当てられる処理の流れ

[図データ]

図中の(1)〜(6)の数字は,これ以降の説明の見出しと対応しています。

<この項の構成>
(1) ソフトウェア名への自動割り当て
(2) パッケージ識別IDの取得
(3) 同一のパッケージ識別IDのインストールソフトウェアリストが登録されている
(4) 同一インストールソフトウェア名が登録されている
(5) ソフトウェアの自動登録
(6) 同一のソフトウェア名が登録されている
(7) 07-50以前のAsset Information Managerからバージョンアップした場合

(1) ソフトウェア名への自動割り当て

JP1/NETM/DMからインベントリ情報を取得する際に,すでに同一のソフトウェアがインストールソフトウェアリストに登録されていたら,同じソフトウェア名への割り当てを追加するかどうかを選択します。

「ソフトウェア名への自動割り当て」で選択できる値は次の4種類です。

パッケージ名とは,JP1/NETM/DMのインストールパッケージ情報から取得できる情報のことで,資産管理データベースに取り込む際にインストールソフトウェアリストのインストールソフトウェア名に設定されます。パッケージ名は,バージョンによって同一のソフトウェアでも異なる名称で取得されてしまうことがあります。そのため,異なるバージョンのソフトウェアが混在する環境では,パッケージ識別IDを使用して割り当てることをお勧めします。

(2) パッケージ識別IDの取得

「同一パッケージ識別IDで割り当てる」または「同一パッケージ識別IDと同一パッケージ名で割り当てる」を選択した場合は,[サーバセットアップ]ダイアログで,「パッケージ識別IDの取得」に「取得する」を設定している必要があります。

(3) 同一のパッケージ識別IDのインストールソフトウェアリストが登録されている

[サーバセットアップ]ダイアログで,「パッケージ識別IDの取得」に「取得する」を設定すると,パッケージ元属性(PCまたはUNIX)も併せて取得されます。このパッケージ元属性とパッケージ識別IDが一致するインストールソフトウェアリストが検索されます。

一致するインストールソフトウェアリストが登録されていた場合,同じソフトウェア名に割り当てられます。一致するインストールソフトウェアリストがソフトウェア名に割り当てられていなかった場合は,「ソフトウェアの自動登録」の設定に従います。

注意事項
パッケージ元属性とパッケージ識別IDの一致するインストールソフトウェアリストが,資産管理データベースに複数登録されていて,複数のソフトウェア名に割り当てられている場合は,割り当ては実行されません。ログに,既存の割当先が複数のため割り当てを実行しなかったことが出力されます。

(4) 同一インストールソフトウェア名が登録されている

パッケージ名と同じインストールソフトウェア名が検索されます。一致するインストールソフトウェア名が資産管理データベースに登録されていた場合,同じソフトウェア名に割り当てられます。一致するインストールソフトウェア名がソフトウェア名に割り当てられていなかった場合は,「ソフトウェアの自動登録」の設定に従います。

注意事項
パッケージ名と同じインストールソフトウェア名が,資産管理データベースに複数登録されていて,複数のソフトウェア名に割り当てられている場合は,割り当ては実行されません。ログに,既存の割当先が複数のため割り当てを実行しなかったことが出力されます。

(5) ソフトウェアの自動登録

JP1/NETM/DMからインベントリ情報を取得する際に,インストールソフトウェア名と同じ名称でソフトウェア名を登録して,対応づけるかどうかを選択します。

「自動的に登録しない」を選択すると,インストールソフトウェア名だけが登録されて,ソフトウェア名の登録および割り当ては実行されません。取得したインベントリ情報に,資産管理データベースに登録されていないインストールソフトウェア名が含まれていた場合は,業務メニュー「ソフトウェア名称管理」でソフトウェア名を割り当ててください。

「自動的に登録する」を指定すると,取得したパッケージ名と同じインストールソフトウェア名およびソフトウェア名が登録されて,自動的に割り当てられます。また,ソフトウェア種別は「商用」で登録されます。ソフトウェア種別を変更する手順については,マニュアル「運用ガイド」の「4.6.4 ソフトウェア名および属性を変更する」を参照してください。

(6) 同一のソフトウェア名が登録されている

パッケージ名と同じソフトウェア名が,資産管理データベースに登録されていなかったら,パッケージ名と同じソフトウェア名を登録して,インストールソフトウェア名を割り当てます。

「ソフトウェア名への自動割り当て」で「同一パッケージ識別IDで割り当てる」を選択した場合は,次の条件のどれかに当てはまるときだけ実行されます。

注意事項
パッケージ名と同じソフトウェア名で,ソフトウェア種別が「商用」のものが,すでに資産管理データベースに登録されていたら,名称の最後に「_X」(Xは1〜100の数字)を付けて登録して,インストールソフトウェア名を割り当てます。数字は,1から順に100まで採番されます。100まで登録されている場合は,割り当ては実行されないで,該当のソフトウェア名はすでに登録されているため登録しなかったことがログに出力されます。

(7) 07-50以前のAsset Information Managerからバージョンアップした場合

「ソフトウェア名への自動割り当て」および「ソフトウェアの自動登録」は,すでに資産管理データベースに登録されている情報に対しては実行されません。そのため,07-50以前のバージョンのAsset Information Managerからバージョンアップした場合に,この機能を利用するには,あらかじめソフトウェア名に割り当てられていないインストールソフトウェアを削除しておきます。

ソフトウェア名に割り当てられていないインストールソフトウェアは,専用のスクリプトを使用して一括で削除できます。スクリプトを実行するには,-fオプションにInstallSoftDelete.txtを指定して,Administrators権限を持つユーザでjamscript(アクセス定義ファイルの実行)コマンドを実行します。InstallSoftDelete.txtの格納先を次に示します。

Asset Information Managerのインストール先フォルダ\scriptbatch

 

jamscriptコマンドの詳細については,HTMLヘルプ「アクセス定義ファイル作成ガイド」(assetscr.chm)を参照してください。