JP1/NETM/Asset Information Manager 設計・構築ガイド
JP1/NETM/DMでは,ネットワークにあるPCやプリンタなどの機器の情報や,PCにインストールされているソフトウェアの情報などを収集できます。この収集した情報(インベントリ情報)を資産管理データベースに取り込んで管理するためには,JP1/NETM/DMでのクライアントと,Asset Information Managerでの管理対象を一致させて,同一の機器の情報が別の機器の情報として登録されてしまうなどの,誤登録を避ける必要があります。
JP1/NETM/DMで収集した情報を,正確に資産管理データベースの資産情報に引き当てるために,インベントリ情報および資産情報のキーとなる情報を設定します。
インベントリ情報の資産情報への引き当て方法の設定は,[サーバセットアップ]ダイアログで設定します。設定する項目については,「5.3.7 JP1/NETM/DM連携の設定」を参照してください。
また,モバイルカードや無線LANカードなどの通信カードを複数のPCで共有している場合,JP1/NETM/DMで収集した情報には,複数の管理対象の機器に同一のMACアドレスが存在します。このような場合,Asset Information Managerで資産管理データベースの資産情報に引き当てるためにMACアドレスをキーとして設定しているときは,それらの機器が一つの機器として登録されます。このような場合,引き当て除外MACリストにMACアドレスを登録しておくことによって,該当する機器を別々の資産として登録し,管理できます。引き当て除外MACリストの定義方法については,「(17) 引き当て除外MACリストの定義方法」を参照してください。
ここでは,[サーバセットアップ]ダイアログでの設定に従って,どのようにインベントリ情報が登録されるかについて,詳しく説明します。
[サーバセットアップ]ダイアログでの設定と引き当ての流れを次の図に示します。
図3-4 [サーバセットアップ]ダイアログでの設定と引き当ての流れ
図中の(1)〜(15)の数字は,これ以降の説明の見出しと対応しています。
JP1/NETM/DMで収集したインベントリ情報の資産情報への引き当て方法は,JP1/NETM/DMの運用キーを使用する方法と,業務メニュー「インベントリ情報の引き当て」で設定した資産番号への引き当て項目を使用する方法があります。
ホスト識別子とは,JP1/NETM/DMシステム内で一意な値で,各機器を識別するキー情報です。ホスト識別子はJP1/NETM/DM Clientのインストール時に生成され,JP1/NETM/DMサーバに自動的に通知されます。したがって,ホスト識別子は,ノード識別キーに比べて,ネットワーク構成の変化による影響を受けません。
JP1/NETM/DMの設定でホスト識別子ありの運用にしている場合は,このホスト識別子を使用して引き当てます。「ホスト識別子あり」を選択していない場合は,ノード識別キーを使用して引き当てます。
ノード識別キーには,ホスト名またはIPアドレスが使用できます。どちらで管理するかはJP1/NETM/DMのセットアップ時に選択します。両方を混在して使用することはできません。
次の順序で引き当てられます。
登録,更新時には,資産情報の「引き当てキー」にIPアドレスが設定されます。
次の順序で引き当てられます。
登録,更新時には,資産情報の「引き当てキー」にホスト名が設定されます。
ホスト識別子で引き当てられなかった場合は,[サーバセットアップ]ダイアログでの設定「資産情報の引き当て1」で指定します。
なお,登録,更新時には,資産情報の「引き当てキー」にホスト識別子が設定されます。
ホスト識別子と「引き当てキー」の値が同じ資産情報が引き当てられます。
次の順序で引き当てられます。
次の順序で引き当てられます。
「資産情報の引き当て1」で指定した方法で引き当てられなかった場合(ホスト識別子またはMACアドレスが同じ資産がなかった場合)は,「資産情報の引き当て2」での指定に従います。ホスト識別子で引き当てられなかった場合とは,リプレースで機器が異なる場合,またはOSを再インストールした場合が該当します。
次の順序で引き当てられます。
マシンシリアルナンバーが同じ資産情報が引き当てられます。
この引き当て方法を指定する場合,業務カテゴリ「システム定義」で,インベントリ情報の引き当て画面の「ハードウェア資産情報.製造番号」の引き当て項目に「マシンシリアルナンバー」を設定する必要があります。
次の順序で引き当てられます。
この引き当て方法を指定する場合,業務カテゴリ「システム定義」で,インベントリ情報の引き当て画面の「ハードウェア資産情報.製造番号」の引き当て項目に「マシンシリアルナンバー」を設定する必要があります。
ノード識別キーで引き当てられなかった場合は,[サーバセットアップ]ダイアログでの設定「資産情報の引き当てa」で指定します。
マシンシリアルナンバーが同じ資産情報が引き当てられます。
この引き当て方法を指定する場合,業務カテゴリ「システム定義」で,インベントリ情報の引き当て画面の「ハードウェア資産情報.製造番号」の引き当て項目に「マシンシリアルナンバー」を設定する必要があります。
該当する資産情報がない場合は,[サーバセットアップ]ダイアログでの設定「引き当たらなかった資産の新規登録」の指定に従って,登録されるかどうかが決まります。「新規登録する」を指定した場合は,新規に登録されます。「新規登録しない」を指定した場合は,登録されません。
[サーバセットアップ]ダイアログでの設定「資産情報の引き当てキー」で,「運用キーに従う」を指定した場合に,引き当てキーとなる情報(インベントリ情報)が更新される状況と情報を次の表に示します。
表3-1 インベントリ情報が更新される状況と情報
項番 | インベントリ情報が更新される状況 | 更新される情報 |
---|---|---|
1 | IPアドレスの変更 | IPアドレス |
2 | ホスト名の変更 | ホスト名 |
3 | OSの再インストール | ホスト識別子 |
4 | リプレース |
|
リプレースの際は,リプレース後の機器を新規機器とするか,リプレース前の資産と同一の機器とするかによって,次のように指定します。
Asset Information Managerで資産管理データベースの資産情報に引き当てるためにMACアドレスをキーとして設定していて,複数の管理対象の機器に同一のMACアドレスが存在している場合,それらの機器を別々の資産として登録するためには,引き当て除外MACリスト(MacListOfOmitMatching.ini)を作成する必要があります。
引き当て除外MACリストの格納先,記述方法および記述例を次に示します。
; MAC Address List of Omit Matching. [OMIT_MAC] OMIT_MAC = 00:11:22:33:44:55 |
; ; MAC Address List of Omit Matching. ; [OMIT_MAC] OMIT_MAC = 11:22:33:44:55:66 OMIT_MAC = aa:bb:cc:dd:ee:ff |
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