JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド
JP1/IM - Managerは,関連性を持つJP1イベントが発行されたときに,新しいJP1イベントを発行できます。これを相関イベントといいます。JP1イベント同士の関連づけや発行する相関イベントについては,相関イベント発行定義としてユーザーが定義できます。
また,相関イベントの発行契機となった関連性を持つJP1イベントを,相関元イベントと呼びます。相関元イベントとするJP1イベントは,複数件にすることも,1件だけにすることもできます。
例えば,クラスタリングしているWebサーバをJP1/IM - Managerによって管理していたとします。Webサーバの実行系および待機系の2台のマシンで,連続して障害が発生した場合,Webサーバの提供しているサービスが停止します。このとき,実行系の障害発生を通知するJP1イベント,および待機系の障害発生を通知するJP1イベントを関連づけ,相関イベントとして発行すれば,障害対処が迅速になります。
次の図に相関イベント,相関イベント発行定義および相関元イベントの関係について,上記のWebサーバの例を用いて示します。
図3-15 相関イベント,相関イベント発行定義および相関元イベントの関係
実行系および待機系のWebサーバから発行されたJP1イベントが,マネージャーに通知されます。相関イベント発行定義に従い,二つのJP1イベントが関連づけされ,相関イベントが発行されます。相関イベントの発行契機となったJP1イベントを相関元イベントといいます。
相関イベントには,相関成立時に発行される相関成立イベントと相関不成立時に発行される相関不成立イベントの2種類があります。
- 相関成立時に発行されるイベント
- 指定されたイベントが,すべてタイムアウト時間内に到着した場合に相関成立イベントを発行できます。例を次に示します。
- クラスタリングしているWebサーバで,実行系の障害発生時にイベントA,待機系の障害発生時にイベントBが発行されるよう設定します。
- イベントAおよびイベントBが発行された場合に,相関成立イベント(イベントC)が発行されるよう相関イベント発行定義で定義することで,Webサーバのサービス停止を検知できます。
- 相関不成立時に発行されるイベント
- イベント相関処理は,指定されたイベントがすべてタイムアウト時間内に到着しなかった場合に相関不成立イベントを発行できます。例を次に示します。
- クラスタリングしているWebサーバで,実行系の障害発生時にイベントA,待機系のフェールオーバー時にイベントBが発行されるよう設定します。
- イベントAの発行後,イベントBがタイムアウト時間内に発行されなかった場合に,相関不成立イベント(イベントC)が発行されるよう相関イベント発行定義で定義することで,Webサーバのサービス停止を検知できます。
JP1/IM - Managerは,JP1/BaseのイベントDBに登録されたJP1イベントをイベント取得フィルターを通して取得します。そのあと,相関イベント発行定義に定義された発行条件に従って相関イベントを発行します。発行された相関イベントは,JP1/BaseのイベントDBに登録されます。これを相関イベントの発行処理といいます。
相関イベントの発行処理の概要を次の図に示します。
図3-16 相関イベントの発行処理の概要
次からは相関イベント発行の機能全般について説明します。
- <この節の構成>
- 3.3.1 相関イベント発行の仕組み
- 3.3.2 相関イベントの発行定義
- 3.3.3 相関イベント発行機能の状態遷移と稼働設定
- 3.3.4 相関イベント発行履歴ファイルの内容
- 3.3.5 相関イベントの発行処理の対象となるJP1イベント
- 3.3.6 相関イベント発行が成立する条件
- 3.3.7 相関イベント発行が成立しない条件
- 3.3.8 発行される相関イベント
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