JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド

1.2.3　運用フェーズでの課題とJP1/IMシリーズの役割

運用フェーズでは，システムの安定稼働を支えるため，システムを構成する要素であるリソースを常時監視します。このため，システムの稼働情報や障害情報などを管理する必要があります。これをシステムの運用管理といいます。

システムの運用では，監視，問題の検知，調査，対策が一連のサイクルとして繰り返し行われます。

システムが大規模で複雑になるに従って，運用フェーズの各サイクルの作業は加速度的に困難になります。システムの管理作業量は増加し，多岐にわたるリソースを適切に管理する幅広く高度な運用技術が求められます。したがって，運用管理の負担が増えるとともに，システム管理者の育成も困難になります。

システムの運用管理を支援する製品として，JP1/IMシリーズが提供している製品を次の表および図に示します。

表1-3　システム運用管理製品

対応製品	提供機能	役割
JP1/IM - Manager	セントラルコンソール	システム全体をJP1イベントによって集中監視する。また，システムで発生した事象の監視から，問題の検知，調査，対策までの一連の運用サイクルを統合化する。
	セントラルスコープ	システム管理者が必要な目的に合わせて集中監視し，目的指向型のシステム統合管理を実現する。
	IM構成管理	JP1/IMが管理するシステムの階層構成（IM構成），およびシステムを構成する各ホストの設定をマネージャーから一元的に管理する。
JP1/IM - Rule Operation	ルール管理	障害の対策手順を定義しておき，障害の発生条件に合わせて対策処理を自動的に実行する。
JP1/IM - TELstaff	通報システム	障害の検知を契機に，電話やメールなどを通知手段として，障害対応者に通知する。
JP1/IM - Service Support	ITサービス管理	問い合わせや障害事象，障害事象から派生する問題を，解決が必要な案件として登録，一元管理する。
JP1/IM - Incident Master	インシデント管理	障害事象（インシデント）の発生と対策状況を一元管理する。
JP1/IM - EG for NNMi	NNMiインシデント変換	NNMiが管理するNNMiインシデントをJP1イベントに変換する。
JP1/IM - Message Optimizer	メッセージ変換	JP1/IMのコンソールに出力される各種メッセージを，わかりやすく表示する。

図1-4　システムの運用管理

JP1/IMシリーズは，システムを常時監視し，問題が発生すると迅速に管理者に通知するとともに，問題個所を把握し調査するための運用操作の基盤を提供します。このように運用の監視から対策までのサイクルを統合的に支援し，大規模で複雑なシステムでも運用管理を最適化します。

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