JP1/Performance Management 設計・構築ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


5.1.1 インストールとセットアップの前に

Performance Managementをインストールおよびセットアップする前に確認しておくことを説明します。なお,Windows Server 2008に関する注意事項については,「4.9.5 Windows Server 2008を利用する場合の注意事項」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 前提OS
(2) システム構成の検討
(3) システム見積もり
(4) ネットワーク環境の設定
(5) インストールに必要なOSユーザー権限について
(6) 前提プログラム
(7) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
(8) 注意事項

(1) 前提OS

Performance Managementプログラムが動作するOSを次の表に示します。

表5-1 前提OS(Windowsの場合)

OS名 PFM - Manager PFM - Web Console PFM - Base
Windows Server 2003
Windows Server 2008

(凡例)
○:動作する

PFM - AgentまたはPFM - RMの前提OSは,それぞれ異なります。詳細については,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルを参照してください。

(2) システム構成の検討

PFM - Managerに接続するPFM - AgentまたはPFM - RMの数を検討します。見積もり方法の詳細については,「付録A.1 システム構成」を参照してください。

(3) システム見積もり

Performance Managementシステムで必要なリソースの見積もりや設定を行います。見積もり方法の詳細については,「付録C システム見積もり」と各PFM - Agentマニュアルを参照してください。

(4) ネットワーク環境の設定

Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。

(a) IPアドレスの設定

Performance Managementシステムのすべてのホストは,ホスト名でIPアドレスを解決できる環境を設定してください。IPアドレスを解決できない環境では,Performance Managementをインストールできません。

監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。

監視ホスト名の設定については,「5.3.3 Performance Managementシステムでのホスト名の変更」を参照してください。

ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。

注意
  • Performance Managementは,DNS環境でも運用できますが,FQDN形式のホスト名には対応していません。このため,監視ホスト名は,ドメイン名を除いて指定してください。
  • 複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してください。詳細については,「5.3.1 ネットワーク構成の変更」を参照してください。
  • Performance Managementは,DHCPによる動的なIPアドレスが割り振られているホスト上では運用できません。Performance Managementを導入するすべてのホストに,固定のIPアドレスを設定してください。
  • IPアドレスにループバックアドレスは設定できません。
  • PFM - Managerホストにホスト名を二つ以上設定している場合,システム上のPFM - AgentまたはPFM - RMホストでjpcconf mgrhost defineコマンドにより設定する接続先PFM - Managerホストのホスト名は,次のようにする必要があります。
    PFM - Managerの監視ホスト名に実ホスト名を使用している場合
    Windowsシステムではhostnameコマンド,UNIXシステムではuname -nコマンドを実行して確認したホスト名
    PFM - Managerの監視ホスト名にエイリアス名を使用している場合
    設定しているエイリアス名

(b) ポート番号の設定

Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順は,「5.3.1 (1) (b) ポート番号を設定する」を参照してください。

表5-2 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス(Windowsの場合)

サービス説明 サービス名 パラメーター ポート番号 備考
サービス構成情報管理機能 Name Server jp1pcnsvr 22285 PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。
NNM連携機能 NNM Object Manager jp1pcovsvr 22292 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャーとオブジェクトマネージャーの間の通信で使用されるポート番号。PFM - ManagerまたはPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。
サービス状態管理機能 Status Server jp1pcstatsvr 22350 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。PFM - ManagerまたはPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。
監視コンソール通信機能 View Server jp1pcvsvr 22286 PFM - ManagerのView Serverサービスで使用されるポート番号。PFM - Managerホストで設定される。
Webサービス機能 Web Service 20358 PFM - Web ConsoleのWeb Serviceサービスが使用するポート番号。
Webコンテナ機能 Web Console 20359
20360
PFM - Web ConsoleのWeb Consoleサービスが使用するポート番号。

(凡例)
−:該当なし

これらのPerformance Managementが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。

(5) インストールに必要なOSユーザー権限について

Performance Managementプログラムをインストールするときは,必ず,OSのAdministrators権限を持つアカウントで実行してください。

(6) 前提プログラム

ここでは,Performance Managementをインストールする場合に必要な前提プログラムを説明します。前提プログラムの構成図を次に示します。

図5-1 プログラムの構成図

[図データ]

注意
  • アラームイベントが発生したときに,Eメールでシステム管理者に通知する場合,Eメールを送信するためのSMTPサーバが必要です。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,アラームによる稼働監視について説明している章を参照してください。
  • Performance Managementとその他のシステムとの連携機能を使用する場合は,前提プログラムが異なる場合があります。連携機能についての詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,統合管理製品(JP1/IM)と連携した稼働監視について説明している章,およびネットワーク管理製品(NNM)と連携した稼働監視について説明している章を参照してください。

(a) 監視マネージャーの前提プログラム

監視マネージャーには,PFM - Managerが必要です。また,JP1ユーザーによる統合認証を行うためには,JP1/Baseが必要です。詳細については,JP1/Baseマニュアルおよびマニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,ユーザーアカウントと業務グループの管理について説明している章を参照してください。

(b) 監視コンソールサーバの前提プログラム

監視コンソールサーバには,PFM - Web Consoleが必要です。

(c) 監視エージェントの前提プログラム

監視エージェントには,PFM - AgentまたはPFM - RMと,PFM - Baseをインストールします。PFM - BaseはPFM - AgentやPFM - RMの前提プログラムであるため,PFM - Base,PFM - AgentまたはPFM - RMの順にインストールしてください。

ただし,PFM - Managerと,PFM - AgentまたはPFM - RMを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。この場合,PFM - AgentまたはPFM - RMの前提プログラムはPFM - Managerになるため,PFM - Manager,PFM - AgentまたはPFM - RMの順にインストールしてください。

監視対象プログラムは,PFM - AgentまたはPFM - RMごとに異なります。各PFM - AgentまたはPFM - RMの監視対象プログラムについては,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルを参照してください。

(d) 監視コンソールの前提プログラム

Performance Managementで収集した稼働監視データを確認したり,Performance Managementの設定を変更したりするためには,監視コンソールにWebブラウザが必要です。

監視コンソールがWindowsシステムの場合に,Performance Managementの前提となるWebブラウザを次に示します。

PFM - Web ConsoleのバージョンによってサポートするWebブラウザが異なります。詳細については,「5.1.6 監視コンソールのWebブラウザの設定手順」を参照してください。

(7) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて

クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境やプログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,クラスタシステムでの構築と運用について説明している章を参照してください。

(8) 注意事項

ここでは,Performance Managementをインストールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。

(a) 環境変数に関する注意事項

Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているため,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。

(b) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項

Performance Managementは,同一ホストに次に示すPerformance Managementプログラムをインストールすることもできます。

補足
システムの性能や信頼性を向上させるため,PFM - Manager,PFM - Web Console,PFM - Agent,およびPFM - RMはそれぞれ別のホストで運用することをお勧めします。

同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストールする場合の注意事項を次に示します。

(c) バージョンアップの注意事項

古いバージョンのPerformance Managementプログラムから,バージョンアップする場合の注意事項を次に示します。

なお,バージョンアップについての詳細は,「付録E 移行手順と移行時の注意事項」を参照してください。

(d) PFM - Web Consoleの注意事項

PFM - Web Consoleをインストールする場合の注意事項を次に示します。

(e) 他システムと連携するときの注意事項

NNMと連携している環境にインストールする場合,NNM連携機能およびovwを停止してからインストールしてください。NNM連携機能については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,ネットワーク管理製品(NNM)と連携した稼働監視について説明している章を参照してください。NNMの環境変数とコマンドについてはマニュアル「JP1/Cm2/Network Node Manager ネットワーク管理ガイド」またはHP NNMマニュアルを参照してください。

(f) その他の注意事項

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

All Rights Reserved. Copyright (C) 2009, 2012, Hitachi, Ltd.
(C)opyright 2000-2009, by Object Refinery Limited and Contributors.