Cosminexus システム構築ガイド

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5.1 資料取得の設定の概要

トラブルシューティングに必要な資料のうち,一部の資料は,運用を開始する前に資料取得のための設定をしておく必要があります。例えば,OSの統計情報,ユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合),JavaVMのガーベージコレクションのログなどは,事前に取得のための設定をしておかないと,取得できません。これらの資料はトラブルシューティングで必要となるため,取得することをお勧めします。この節では,トラブルシューティングに必要な資料と,その概要について説明します。

また,デフォルトの設定で取得できるようになっている資料については,特に設定は不要ですが,ログの出力先やサイズなどを変更したい場合には,簡易構築定義ファイルやユーザ定義ファイルを編集して,設定を変更してください。

トラブルシューティングの資料取得のための設定を次の表に示します。

表5-1 トラブルシューティングの資料取得のための設定

資料の種類 資料取得のための設定 設定の要否 設定方法の参照先
snapshotログ snapshotログの収集先,収集方法や収集のタイミングを変更する場合には,ユーザ定義ファイルを編集します。 5.25.3
Management Serverのログ mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)で,ログの出力レベルや,ログファイルの面数などを設定します。 5.4
性能解析トレースファイル mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)で,性能解析トレースファイルの面数を設定します。
また,簡易構築定義ファイルで,論理パフォーマンストレーサ(performance-tracer)の<configuration>タグ内に,パフォーマンストレーサのトレース取得レベルや,PFRトレースファイルの面数などを指定します。
5.5
J2EEサーバのログ 簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ログの出力レベル,サイズ,面数などを設定します。
また,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.logger.systemlog.enabledで,システムログ出力の設定が有効になっている場合,J2EEサーバの起動,停止および異常終了のメッセージがイベントログ(UNIXの場合,syslog)に出力されます。
5.6
SFOサーバのログ 簡易構築定義ファイルで,論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内に,ログの出力レベル,サイズ,面数などを設定します。 5.7
Webサーバのログ 簡易構築定義ファイルで,論理Webサーバ(web-server)の<configuration>タグ内に,Webサーバのログの出力レベル,出力先などを設定します。 5.8
リダイレクタのログ 簡易構築定義ファイルで,論理Webサーバ(web-server)の<configuration>タグ内に,リダイレクタのログの出力レベル,サイズ,面数などを設定します。
また,mod_jk.confにログファイル名のプリフィックスを指定します。
5.9
アプリケーションのユーザログ 簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ロガーやハンドラの設定,ログの出力レベル,サイズ,面数などを設定します。また,server.policyで,セキュリティポリシーを設定します。 5.20
インプロセスHTTPサーバのログ 簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,インプロセスHTTPサーバのログ出力の有無,ファイル面数などを設定します。また,アクセスログは,フォーマットを定義することで,出力形式をカスタマイズできます。
インプロセスHTTPサーバのアクセスログのカスタマイズについては,「8.9 インプロセスHTTPサーバのアクセスログのカスタマイズ」を参照してください。
5.10
稼働情報ファイル 簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)または論理SFOサーバ(sfo-server)の<configuration>タグ内に,稼働情報ファイルの出力先や面数などを設定します。 4.13
Cosminexus Managerのログ manager.cfgで統合ログの面数やサイズを指定します。 5.11
コンソールログ adminagent.propertiesでコンソールログの出力の有無,面数やサイズを設定します。 5.12
リソースアダプタのログ サーバ管理コマンドを使用して,リソースアダプタ単位でのログ出力の有無を設定します。
また,簡易構築定義ファイルで,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ログの出力レベル,サイズ,面数を設定します。
5.13
Cosminexus TPBrokerのトレースファイル 簡易構築定義ファイル(論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内),サーバ管理コマンド用のusrconf.bat(UNIXの場合はusrconf)とusrconf.propertiesで,トレースファイルの出力先や面数などを設定します。 5.14
Cosminexus DABroker Libraryのログ 環境設定ユティリティまたはCosminexus DABroker Library動作環境定義ファイルで,ログファイルサイズなどを設定します。 5.15
OSの統計情報 Windowsの場合,Windowsのシステムモニタでシステムリソースのパフォーマンスデータ取得の設定をします。 5.16
ユーザダンプ Windowsの場合,ワトソン博士で,ユーザダンプ取得の設定をします。 5.17
coreダンプ UNIXの場合,簡易構築定義ファイルやシェルコマンドで,coreファイル取得の設定をします。 5.18
JavaVMの資料 簡易構築定義ファイルで,JavaVMのスレッドダンプや日立固有のJavaVMログ(日立JavaVMログファイル)の出力方法や出力内容などの設定をします。 5.19
サーバ管理コマンドのログ サーバ管理コマンド用のusrconf.bat(UNIXの場合はusrconf)とusrconf.propertiesで,ログの出力レベルなどを設定できます。 9.2.2(3)

(凡例)
○:資料を取得する場合には,設定が必要。
△:デフォルトの資料取得の設定を変更する場合だけ,設定が必要。

この表に示したログは,snapshotログで一括収集できます。ただし,Cosminexus TPBrokerのトレースファイルについては,収集できるものと収集できないものが混在しています。このほかにも,snapshotログのデフォルトの設定で取得できないログについては,取得のための設定をしたり,snapshotログの収集先に追加したりする必要があります。また,ユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合)については,固定のファイル名に対して収集します。障害発生時に収集するためには,ユーザ作成の障害検知時コマンドを利用する必要があります。

なお,次のログはログ出力先を変更できません。

ログの種類やデフォルト値,チャネル名,取得できるログの詳細や取得方法については,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」を参照してください。