Cosminexus システム構築ガイド

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9.2.2 サーバ管理コマンドの動作設定のカスタマイズ

ユーザ定義ファイルを編集することで,サーバ管理コマンドの動作設定をカスタマイズできます。必要に応じて,サーバ管理コマンドの動作設定をカスタマイズしてください。なお,UNIXの場合,カスタマイズにはroot権限,またはComponent Container管理者の権限が必要です。

次のディレクトリにあるコマンドがサーバ管理コマンドのコマンドになります。

コマンドについては,マニュアル「Cosminexus リファレンス コマンド編」を参照してください。

<この項の構成>
(1) カスタマイズ対象のユーザ定義ファイル
(2) サーバ管理コマンドのカスタマイズで設定できる主な項目
(3) サーバ管理コマンドのログ取得の設定

(1) カスタマイズ対象のユーザ定義ファイル

サーバ管理コマンドの動作設定をカスタマイズするには,次のユーザ定義ファイルをテキストエディタなどで編集します。なお,これらのユーザ定義ファイルの詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。

(2) サーバ管理コマンドのカスタマイズで設定できる主な項目

サーバ管理コマンドのカスタマイズでユーザ定義ファイルを編集して設定できる項目のうち,主な項目とその項目を設定するユーザ定義ファイルおよびキーを次の表に示します。キーの詳細,およびここで説明していないキーについては,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。

表9-2 サーバ管理コマンドのカスタマイズで設定できる主な項目

分類 項目 設定ファイル 設定方法
JavaVM JavaVMのヒープサイズ usrconf.bat(Windowsの場合),またはusrconf(UNIXの場合) add.jvm.argキーに,JavaVMのヒープサイズを指定します。
ネーミングサービス usrconf.properties 次のキーを指定します。
  • ejbserver.naming.hostキーに,サーバ管理コマンドが使用するCORBAネーミングサービスが動作するホストを指定します。
  • ejbserver.naming.portキーに,サーバ管理コマンドが使用するCORBAネーミングサービスのポート番号を指定します。
  • ejbserver.naming.protocolキーに,サーバ管理コマンドが使用するCORBAネーミングサービスへのアクセスプロトコルを指定します。
EJBホームオブジェクトリファレンスの別名付与ユーザ指定名前空間機能 usrconf.properties ejbserver.cui.optionalname.enabledキーに,EJBホームオブジェクトの別名を指定するかどうかを指定します。
また,EJBホームオブジェクトに別名を付与するためには,このキーの指定に加えて,サーバ管理コマンドまたはServer Plug-inを使用してJ2EEアプリケーションのプロパティを定義するときに,EJBホームオブジェクトの別名を指定する必要があります。JNDI名前空間に登録される名称の参照と変更については,マニュアル「Cosminexus アプリケーション設定操作ガイド」を参照してください。
J2EEリソースの別名付与ユーザ指定名前空間機能 usrconf.properties ejbserver.cui.optionalname.enabledキーにJ2EEリソースの別名を指定するかどうかを指定します。
J2EEリソースに別名を付与するためには,さらに,J2EEアプリケーションのプロパティを定義するときに,サーバ管理コマンドまたはServer Plug-inを使用してJ2EEリソースの別名を指定する必要があります。JNDI名前空間に登録される名称の参照と変更については,マニュアル「Cosminexus アプリケーション設定操作ガイド」を参照してください。
スマートエージェント usrconf.properties vbroker.agent.portキーに,サーバ管理コマンドが使用するスマートエージェントのポート番号を指定します。
ログ Cosminexus TPBrokerのトレースファイル usrconf.properties vbroker.orb.htc.tracePathキーに,Cosminexus TPBrokerのトレースファイル出力先のパスを指定します。
サーバ管理コマンドのログ usrconf.bat(Windowsの場合),またはusrconf(UNIXの場合)
usrconf.properties
サーバ管理コマンドのログは,ログの出力先,ログレベルを変更できます。
詳細については,「(3) サーバ管理コマンドのログ取得の設定」を参照してください。

(凡例) −:該当しない。


(3) サーバ管理コマンドのログ取得の設定

サーバ管理コマンドのログは,ログの出力先,ログレベルを変更できます。変更できる項目と,項目に対応するユーザ定義ファイルとキーを次に示します。

項目 対応するユーザ定義ファイルとキー
ログの出力先 usrconf.bat(Windowsの場合),またはusrconf(UNIXの場合)のUSRCONF_JVM_ARGSキーの-Dejbserver.log.directoryオプション
ログレベル usrconf.propertiesのejbserver.logger.enabled.*キー

ファイルおよびキーの詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。

(a) ログの出力先の変更

サーバ管理コマンドのログの出力先を変更する場合は,サーバ管理コマンド用のusrconf.bat(Windowsの場合),またはusrconf(UNIXの場合)でログの出力先ディレクトリを指定します。

ログの出力先の変更
デフォルトのログ出力先を次に示します。
  • Windowsの場合
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\admin\logs
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/CC/admin/logs/
サーバ管理コマンドのログの出力先は,usrconf.bat(Windowsの場合),またはusrconf(UNIXの場合)のUSRCONF_JVM_ARGSキーの-Dejbserver.log.directoryオプションで変更できます。
設定例
  • Windowsの場合
    set USRCONF_JVM_ARGS="-Dejbserver.log.directory=C:\CClogs\admin"
  • UNIXの場合
    set USRCONF_JVM_ARGS="-Dejbserver.log.directory=/CClogs/admin"
カレントディレクトリ
ログ出力先を相対パスで指定する場合のカレントディレクトリは,サーバ管理コマンドを実行したときのカレントディレクトリです。
例えば,ユーザIDが「Cosminexus」でユーザのホームディレクトリが「C:\Documents and Settings\Cosminexus」の場合に,このユーザIDでログインすると,ログイン直後のカレントディレクトリは「C:\Documents and Settings\Cosminexus」になります。ここで,サーバ管理コマンドを実行すると,カレントディレクトリは「C:\Documents and Settings\Cosminexus」になります。

注意事項
  • ログの出力先を変更した場合は,J2EEサーバを起動する前に,変更後のログの出力先ディレクトリを作成しておいてください。
    変更後のログの出力先ディレクトリがない場合は,サーバ管理コマンドの実行時にKDJE37209-E,KDJE37210-E,KDJE37211-Eのメッセージが出力されて異常終了します。
  • 同一ホスト内で複数のJ2EEサーバを起動させている場合は,ログ出力先が同じディレクトリにならないように,ディレクトリにサーバ名称を含めるなど,サーバごとにユニークなディレクトリ名になるようにしてください。なお,キーの値に同じディレクトリを指定した場合は,動作の保証はしません。
  • ログの出力先を変更して作業ディレクトリ以外にログを出力する場合,ログファイルはサーバのアンセットアップ時に削除されません。ログファイルを削除したい場合には,手動で削除してください。
  • ユーザ定義ファイルでログの出力先を設定していても,次の設定が優先されますので,注意してください。
    usrconf.cfgに,add.jvm.arg=-XX:HitachiJavaLog:<JavaVMの保守情報およびガーベージコレクションのログ出力先>キーを指定している場合は,JavaVMの保守情報およびガーベージコレクションのログ出力先に設定したディレクトリに,JavaVMの保守情報およびガーベージコレクションのログファイルが出力されます。
  • Management Serverリモート管理機能から操作した場合,サーバ管理コマンドのログ出力先は変更できません。
(b) ログレベルの変更

サーバ管理コマンドのログレベルは,ログの重要度を表します。ログレベルには,「Error」,「Warning」,「Information」,「Debug」の四つがあります。ログレベルを設定すると,設定したレベルのログが出力されます。デフォルトでは,Errorレベルのログだけが取得されます。通常はデフォルトのまま利用してください。

ログレベルは,サーバ管理コマンド用のusrconf.propertiesの次のキーで設定します。

ejbserver.logger.enabled.*=<レベル名>

レベル名には,「Error」,「Warning」,「Information」,「Debug」の文字列を一つ,または複数設定します。複数設定する場合には,レベル名の文字列の間をコンマ(,)で区切ります。

記述例
  1. ejbserver.logger.enabled.*=Error
  2. ejbserver.logger.enabled.*=Error,Warning
  3. ejbserver.logger.enabled.*=Error,Warning,Information
  4. ejbserver.logger.enabled.*=Error,Warning,Information,Debug

注意事項
  • 記述例の1.,2.,3.,4.の順に,取得できるログの件数が増加していきます。複数のログレベルを設定してログを取得すると,性能が劣化し,ログファイルの面の切り替えが頻繁に起こるようになります。
  • レベル名に「Error」,「Warning」,「Information」,「Debug」以外の文字列,または空の値を設定した場合は,KDJE90009-Wのメッセージが出力されます。Errorレベルのログは取得されます。