Cosminexus システム構築ガイド
システムの構成ソフトウェアがトラブル発生時にそのときの状態を出力したログを,snapshotログといいます。snapshotログには,各種構成ソフトウェアのログのほかに,スレッドダンプ,性能解析トレースなど,システム保守に必要な情報とアプリケーション保守に必要な情報が含まれます。Cosminexusで構築したシステムでは,これらの情報をsnapshotログとして一括収集し,ZIP形式のログファイルとして取得できます。
なお,snapshotlogコマンドで収集できるsnapshotログと,Management Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)などで収集できるsnapshotログでは,デフォルトの状態で収集できるファイルが異なります。Management Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)などで収集できるsnapshotログは,デフォルトの状態でインストール情報やOSの状態・ログなどを収集できますが,snapshotlogコマンドでインストール情報やOSの状態・ログなどを収集するためには,コマンド実行時に指定するsnapshotログ収集先対象リストファイルを編集して,snapshotログの収集先を追加する必要があります。
この節では,snapshotログ収集のための設定について説明します。snapshotログの収集対象一覧については,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」を参照してください。また,snapshotログ収集の設定で使用するコマンドやファイルについては,マニュアル「Cosminexus リファレンス コマンド編」,またはマニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。
snapshotログの収集のタイミングと取得のための設定を次の表に示します。
表5-2 snapshotログの収集のタイミングと取得のための設定
| 分類 | 収集のタイミング | デフォルトの設定を変更するために必要な設定 |
|---|---|---|
| 自動的に収集する※ | 論理サーバが障害時に自動停止される直前 |
|
| J2EEサーバが障害時に自動再起動される直前 | ||
| J2EEサーバを手動で一括再起動する直前 |
|
|
| 任意のタイミングで収集する | Management Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)でsnapshotログの収集を実行したとき |
注※ 論理サーバの停止前,またはJ2EEサーバの再起動前のどちらのタイミングでsnapshotログを収集するかは,mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.snapshot.collect.pointキーで変更できます。デフォルトの設定では,論理サーバの停止前にsnapshotログが収集されます。
次に示すどちらかのタイミングでsnapshotログを自動的に収集する場合には,Management Serverによって障害検知時コマンドが実行されて,スレッドダンプと性能解析トレースなどの資料が取得されます。
障害検知時コマンドで取得された資料は,snapshotログとして収集できます。障害検知時コマンドの動作や設定の変更については,「5.3 障害検知時コマンドによる資料取得の設定」を参照してください。
任意のタイミングでsnapshotログを収集する場合には,スレッドダンプファイルやユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合)が出力されているときだけ,snapshotログとして収集できます。任意のタイミングでsnapshotログを収集する際に,コマンドが実行されてスレッドダンプファイルやユーザダンプまたはcoreダンプが出力されることはありません。
Management Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)を実行して任意のタイミングでsnapshotログを収集する場合は,コマンド実行時に収集先の種別(種別1,種別2)を指定して収集できます。それ以外のタイミングでは,種別1と種別2それぞれの収集対象として定義されているファイルがすべて収集されます。
トラブルシューティングに必要な資料は,資料を保守員へ送付するときのタイミングによって,一次送付資料と二次送付資料に分類されます。snapshotログでは,一次送付資料と二次送付資料を収集できます。
snapshotlog.confおよびsnapshotlog.2.confの指定については,「(3) snapshotログの収集先のカスタマイズ」を参照してください。
デフォルトの設定で一次送付資料および二次送付資料として収集できる資料を次の表に示します。
表5-3 デフォルトの設定で一次送付資料および二次送付資料として収集できる資料
| 資料の種類 | 一次送付資料 | 二次送付資料 |
|---|---|---|
| メッセージログ | ○ | ○ |
| ユーザログ | ○ | ○ |
| 例外ログ | ○ | ○ |
| 保守用ログ | ○ | ○ |
| 性能解析トレース | − | ○※1 |
| JavaVMのスレッドダンプ | ○※1 | ○※1 |
| JavaVMのガーベージコレクションのログ | ○ | ○ |
| メモリダンプ | − | ○ |
| JavaVMログファイル | ○ | ○ |
| エラーリポートファイル | ○ | ○ |
| OSの状態・ログ | ○ | ○ |
| OSの統計情報 | ○ | ○ |
| 定義情報 | ○ | ○ |
| 作業ディレクトリ | ○ | ○ |
| リソースの設定 | −※2 | ○ |
| Webサーバのログ | ○ | ○ |
| JavaVMのスタックトレース情報 | ○※1 ※3 | ○※1 ※3 |
| 稼働情報 | ○ | ○ |
| 監査ログ | − | ○ |
デフォルトでsnapshotログの収集先として定義されていないファイルをsnapshotログとして収集したい場合には,そのファイルの出力先をsnapshotログ収集先対象リストファイルに追加してください。また,資料によっては,次のような設定も必要になります。
snapshotログの収集先は,snapshotログ収集先対象リストファイルでカスタマイズできます。また,adminagent.propertiesでは,論理サーバごとのsnapshotログのファイル数を指定できます。ファイルの詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。
snapshotログ収集先対象リストファイルを編集して,snapshotログの収集先を指定してください。snapshotログ収集先対象リストファイルの格納場所を次に示します。
snapshotlog.confでは,一次送付資料として収集するファイルの格納ディレクトリを指定します。また,snapshotlog.2.confでは,二次送付資料として収集するファイルの格納ディレクトリを指定します。
なお,このリストファイルでは変数を使用できます。例えば,Cosminexusのインストールディレクトリを表す変数「${cosminexus.home}」を使用して,リストファイルに「${cosminexus.home}/manager/log/.+」(ピリオド(.)は任意の文字,プラス(+)は1回以上を表します)と指定すると,<Cosminexusのインストールディレクトリ>\manager\log(Windowsの場合),または/opt/Cosminexus/manager/logディレクトリ(UNIXの場合)直下のファイルがすべて収集されます。なお,リストファイルの変数の値には,ドル記号($)を含めないでください。
adminagent.propertiesでは,論理サーバごとのsnapshotログファイルの数を指定できます。
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