Cosminexus システム構築ガイド

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1.1.1 アプリケーション実行環境の構築(Application Server)

Application Serverでは,J2EEアプリケーションまたはバッチアプリケーションの実行環境を構築できます。Application ServerでJ2EEアプリケーションまたはバッチアプリケーションの実行環境を構築する場合,Cosminexusでは,Management ServerのSmart Composer機能を使用できます。Smart Composer機能を使用して構築するシステムでは,Cosminexusのシステムを構成するプログラムやプロセスなどをManagement Serverを利用して一括運用できます。Management Serverでは,複数のホストやサーバプロセスで構成されるCosminexusのシステム全体を,運用管理ドメインという概念でまとめて管理できます。これによって,運用操作の一括実行やシステムの集中管理などが実現でき,効率の良いシステム運用ができるようになります。

<この項の構成>
(1) システム構築の概要
(2) ほかのプログラムと連携する場合のシステム構築の概要

(1) システム構築の概要

CosminexusでJ2EEアプリケーションの実行環境を構築する場合,Smart Composer機能のファイルとコマンドを使用します。必要最低限の情報をファイルに定義するだけで,定義したファイルから1回のコマンド操作でシステムを一括構築できます。Smart Composer機能のファイルとコマンドで,システムの構築から,日常の運用,保守作業を実行できます。ただし,一部の設定については,Smart Composer機能のファイルとコマンドだけでは設定できないので,サーバ管理コマンドやServer Plug-inを使用したり,そのほかの定義ファイルを直接編集したりして環境を構築する必要があります。サーバ管理コマンドは,J2EEサーバ上で動作するリソースとJ2EEアプリケーションのプロパティを定義し,リソースとJ2EEアプリケーションの起動/停止を実行するためのコマンド群です。Server Plug-inは,J2EEサーバ上で動作するリソースとJ2EEアプリケーションのプロパティを定義し,論理サーバ,リソース,およびJ2EEアプリケーションの起動/停止を実行するためのGUIを提供するEclipseのプラグインです。Smart Composer機能のファイルおよびコマンドについては,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。

システム構築の流れについては,それぞれ次の個所を参照してください。

(2) ほかのプログラムと連携する場合のシステム構築の概要

Management Serverを利用するシステムでは,JP1やクラスタソフトウェアと連携することもできます。

●JP1と連携する場合のシステム構築の概要

Management Serverを利用するシステムは,日立の統合運用管理ミドルウェアであるJP1と連携して運用できます。JP1と連携すると,Cosminexus以外のホストやサーバプロセスを含めた業務システム全体の状況を集中監視したり,システム上のサーバの起動や停止を自動化したりできるようになります。また,JP1のUNIXジョブまたはPCジョブとしてバッチアプリケーションの実行コマンドを定義しておくと,バッチアプリケーションの自動実行ができます。

JP1と連携する場合には,Smart Composer機能または運用管理ポータルを使用した環境構築に加えて,JP1と連携するための設定をする必要があります。JP1と連携するためには,Management ServerでのJP1連携の設定,Cosminexusの定義ファイルの作成,JP1との連携で使用するファイルのJP1への登録などが必要です。

参考
運用管理ポータルを使用した環境構築については,マニュアル「Cosminexus 運用管理操作ガイド」を参照してください。

なお,Cosminexusでは,JP1と連携するための環境構築や運用支援機能として,JP1で使用するツリーやジョブの作成支援機能,およびJP1が扱う形式のデータ出力機能を提供しています。

JP1と連携する場合のシステムの構築については,「16. JP1との連携の設定」を参照してください。

●クラスタソフトウェアと連携する場合のシステム構築の概要

Management Serverを利用しているシステムは,クラスタソフトウェアと連携して運用できます。連携できるクラスタソフトウェアを次に示します。

クラスタソフトウェアと連携してシステムを運用することで,アプリケーションサーバに障害が発生した場合に,直ちに自動でアプリケーションサーバを切り替えたり,待機しているリカバリサーバで,障害が発生したアプリケーションサーバのリカバリ処理をしたりできます。これによって,システムの不稼働時間を短縮でき,信頼性や稼働率を高めることができます。

クラスタソフトウェアと連携する場合には,Smart Composer機能を使用した環境構築に加えて,クラスタソフトウェアと連携するための設定をする必要があります。Microsoft Cluster Serviceと連携する場合には,クラスタアドミニストレータの設定,汎用スクリプトファイルの設定などが必要です。HAモニタと連携する場合には,HAモニタの設定,各論理サーバの設定などが必要です。

クラスタソフトウェアと連携する場合のシステムの構築については,「17. クラスタソフトウェアと連携するための設定」を参照してください。