Cosminexus 機能解説
システムの運用を開始したあとで,J2EEアプリケーションのバージョンアップやメンテナンスを実施するために,J2EEアプリケーションを入れ替えることがあります。
通常,J2EEアプリケーションを入れ替える場合には,J2EEサーバ上で動作しているJ2EEアプリケーションを停止したあと削除し,新しいJ2EEアプリケーションをインポート,デプロイする必要があります。通常のJ2EEアプリケーションの入れ替えの手順を次の図に示します。
図19-11 通常のJ2EEアプリケーションの入れ替えの手順
通常のJ2EEアプリケーションの入れ替えでは,J2EEアプリケーションを入れ替える間,サービスを停止する必要がありますが,サービスの部分閉塞を使用すると,サービスを停止することなくJ2EEアプリケーションを入れ替えることができます。また,リデプロイ機能やリロード機能を使用すると,通常のJ2EEアプリケーションの入れ替えに比べて,少ない手順で入れ替えができるようになります。
J2EEアプリケーションの入れ替え方法を次の表に示します。
表19-10 J2EEアプリケーションの入れ替え方法
入れ替え方法 | 対象のJ2EEアプリケーション | |
---|---|---|
アーカイブ形式 | 展開ディレクトリ形式 | |
サービスの部分閉塞による入れ替え | ○ | ○ |
リデプロイ機能による入れ替え | ○ | − |
リロード機能による入れ替え | − | ○ |
(凡例) ○:入れ替えできる −:入れ替えできない
それぞれの入れ替え方法について説明します。なお,入れ替え方法の詳細については,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」のJ2EEアプリケーションの入れ替えと保守に関する説明を参照してください。
部分的なサービスの閉塞です。サービスを停止することなく,システムをメンテナンスしたいときに使用します。24時間サービス提供が必要なJ2EEアプリケーションを入れ替える場合などには,サービスの部分閉塞によって,サービスを停止することなく,システムをメンテナンスできるようになります。
サービス部分閉塞の実行方法は,J2EEアプリケーションの形態によって異なります。例えば,Webアプリケーションの場合には,入れ替え対象のJ2EEアプリケーションが動作するJ2EEサーバに対して負荷分散機からのリクエストの振り分けを停止し,J2EEアプリケーションを入れ替えます。入れ替えている間は,ほかのJ2EEサーバでリクエストを処理することで,サービスを停止することなくJ2EEアプリケーションを入れ替えられます。
J2EEアプリケーションがWebアプリケーションの場合に,サービス部分閉塞を使用してJ2EEアプリケーションを入れ替える方法については,「19.6.2 Webアプリケーションのサービスの部分閉塞による入れ替え」を参照してください。
アプリケーション開発でのテストやシステムの運用中に,修正したJ2EEアプリケーションと動作中のJ2EEアプリケーションを入れ替えたい場合,リデプロイ機能を使用した入れ替えができます。リデプロイとは,少ない手順で高速にJ2EEアプリケーションを入れ替えられるデプロイ方法です。ロジックだけを変更したJ2EEアプリケーションを入れ替えたい場合などに利用できます。ただし,リデプロイ機能を実行できる条件に合わない場合は,通常の手順で入れ替える必要があります。リデプロイ機能を実行できる条件については,「7.4 J2EEアプリケーションのリデプロイ」を参照してください。
リデプロイ機能は,アーカイブ形式のJ2EEアプリケーションを入れ替える場合に使用できます。リデプロイ機能による入れ替え手順を次に示します。
図19-12 リデプロイ機能による入れ替え手順
リデプロイ機能を使用する場合には,通常のアーカイブ形式のJ2EEアプリケーションの入れ替えと比べて,少ない手順で入れ替えができます。
リデプロイ機能については,「7.4 J2EEアプリケーションのリデプロイ」を参照してください。
アプリケーション開発でのテストやシステムの運用中に,修正したJ2EEアプリケーションと動作中のJ2EEアプリケーションを入れ替えたい場合,リロード機能を使用した入れ替えができます。展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションを構成するファイルを更新した場合に,更新検知やコマンド実行によって,更新したJ2EEアプリケーションをリロードできます。リロード機能を使用することで,少ない手順でJ2EEアプリケーションを動的に入れ替えられるようになります。
リロード機能による入れ替えは,展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションを入れ替える場合に使用できます。リロード機能による入れ替え手順を次に示します。
図19-13 リロード機能による入れ替え手順
リロード機能を使用する場合には,通常の展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションの入れ替えと比べて,少ない手順で入れ替えができます。
リロード機能については,「7.5 J2EEアプリケーションの更新検知とリロード」を参照してください。
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