Cosminexus 機能解説
JavaロギングAPIを使用してユーザログ出力をするためには,ロガーとハンドラを作成して,必要な設定をします。ログ出力に必要なアプリケーション識別名(AppName)やメッセージID(MsgID)などのパラメタは,Cosminexusが提供するCJLogRecordクラスのcreateメソッドの引数に指定します。また,独自のクラスを作成することで,ログのフィルタリングや出力内容のフォーマットをカスタマイズすることもできます。
なお,ユーザログ出力をするには,ログの出力先や構成面数などのプロパティを,実行環境に設定する必要があります。実行環境でのユーザログの設定については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。
J2EEアプリケーションまたはバッチアプリケーションのユーザログを出力する場合のロガーとハンドラの作成および設定の概要について説明します。
なお,EJBクライアントアプリケーションのユーザログ出力については,「18.3.9 EJBクライアントアプリケーションのユーザログ出力」を参照してください。
ロガーは,ロガー名称を指定して作成します。作成時には,システム構築時に設定した内容が使用されます。
各アプリケーション内では,ロガー名称を指定して作成されたロガーを取得し,取得したロガーを使用してログを出力します。Loggerクラスのメソッドでは,ロガーの作成およびログ出力の指定ができます。指定したログは,LogRecordに変換され,ハンドラに渡されて,ログファイルまたはコンソールに出力されます。
このほか,ロガーでログを取捨選択するためのフィルタ,ログのレベル,ロガーで使用するハンドラについても,必要に応じて設定できます。
ハンドラは,システム構築時に設定した内容に従って作成,設定されます。
CJMessageFileHandlerを使用する場合は,ハンドラ名称を変えることで,複数のファイルハンドラを作成できます。
CJMessageFileHandlerで作成したファイルハンドラには,次の項目が設定できます。
なお,一つのハンドラが出力するログのアプリケーション名およびメッセージIDが同じでかまわない場合には,CJMessageFileHandlerのプロパティとして設定できます。メッセージごとに出力するログのアプリケーション名とメッセージIDを変更したい場合は,アプリケーション内のログ出力処理ごとに,アプリケーション名およびメッセージIDを出力するようにCJLogRecordクラスを使用して実装してください。
ロガーおよびハンドラを作成,設定する場合の指針を次に示します。
ロガーとハンドラの作成例を次の図に示します。
図18-6 ロガーとハンドラの作成例
この例では,J2EEアプリケーション1と2に対して,com.example.userlogger1とcom.example.userlogger2という2種類のロガーを作成しています。com.example.userlogger1からは,ログの出力レベルおよび出力内容に応じて2種類のログファイルを出力するために,conf1とconf2という2種類のCJMessageFileHandlerハンドラを作成しています。このような構成にすると,ログファイル1にはSEVEREレベル以上の重要なユーザログを,ログファイル2にはINFOレベル以上のすべてのユーザログを出力するという運用ができます。一方,com.example.userlogger2からは1種類のログファイルだけを出力します。この場合は,J2EEアプリケーションから指定されたログのうち,com.example.userlogger2のロガーとハンドラconf3に指定したレベル以下のユーザログは,すべてログファイル3に出力されます。なお,コンソールにログを出力したい場合は,J2SEの標準のハンドラであるConsoleHandlerを使用してください。
それぞれのログファイルのサイズおよび面数は,アプリケーションが出力するユーザログの量や指定した出力レベルに応じて,適切に設定してください。
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