Cosminexus 機能解説

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16.8.1 構築済み実行環境の切り替えの概要

ここでは,構築済み実行環境の切り替えの概要について説明します。

構築済み実行環境を切り替える場合,構築済みの実行環境ごとに退避環境を作成します。退避環境は,実行環境を圧縮して,稼働可能状態から退避状態(稼働できない状態)に遷移した環境です。複数の退避環境のうち,使用したい退避環境を稼働可能状態に回復して,実行環境を切り替えます。

複数の構築済み実行環境の切り替えの概要を次の図に示します。

図16-8 複数の構築済み実行環境の切り替えの概要

[図データ]

この図では,実行環境Aに対する退避環境Aと,実行環境Bに対する退避環境Bをそれぞれ作成して,実行環境を切り替えています。作成済みの退避環境は,一覧で出力したり,不要となった場合に削除したりできます。

次に,構築済み実行環境を切り替える場合の前提条件,切り替え時に使用する機能,および取得するログファイルについて説明します。

<この項の構成>
(1) 前提条件
(2) 構築済み実行環境の切り替えで使用する機能
(3) 構築済み実行環境の切り替え実行時に障害が発生した場合の対処

(1) 前提条件

切り替え対象となる実行環境を構築する製品は,Application Server Standard,およびApplication Server Enterpriseです。構築済み実行環境の切り替えは,UNIX環境の場合に使用できます。退避対象となる実行環境は,システムの構築が完了済みで,各サーバやサービスを起動していない状態(稼働可能状態)であることが前提です。

また,構築済み実行環境から退避環境を作成する場合に,実行環境はTAR形式またはCPIO形式に圧縮されます。このため,実行環境の切り替えは,TAR形式またはCPIO形式に対応している環境で実行する必要があります。

(2) 構築済み実行環境の切り替えで使用する機能

構築済み実行環境を切り替える場合,次の四つの機能を使用します。

これらの機能は,cosmienvコマンドに,機能に対応する引数を指定して実行します。cosmienvコマンドの詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス コマンド編」を参照してください。

(3) 構築済み実行環境の切り替え実行時に障害が発生した場合の対処

構築済み実行環境を切り替える場合は,cosmienvコマンドを実行します。cosmienvコマンド実行時に障害が発生した場合は,メッセージと,ログファイルの内容を基に障害を解析してください。ログファイルは機能ごとに取得され,次の場所に格納されます。

構築済み実行環境の切り替えで取得するログファイルの格納場所
/opt/Cosminexus/env/log

機能ごとに出力されるログファイルを次の表に示します。

表16-1 機能ごとに出力されるログファイル

機能の種類 ログファイル名
退避機能 cosmienv_s[n].log
回復機能 cosmienv_d[n].log
削除機能 cosmienv_r[n].log

なお,退避環境一覧出力機能の場合,ログファイルは出力されません。

ログファイルの内容については,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」を参照してください。また,メッセージについては,マニュアル「Cosminexus メッセージ2 KEOS/KEUC/KFCB編」を参照してください。