Cosminexus 機能解説
(1) コマンドの概要
ここでは,JSP事前コンパイルを実施するための前提条件と,JSP事前コンパイル実行時に必要なファイル,および実行後に生成されるファイルについて説明します。
- 前提条件
- JSP事前コンパイルを実施するための前提条件は次のとおりです。
- コンパイルするJSPファイルがWebアプリケーションのルートディレクトリ以下,またはそのサブディレクトリ以下に格納されていること。
- Webアプリケーションのルートディレクトリに/WEB-INFディレクトリがあること。
- /WEB-INFディレクトリ直下にweb.xmlが格納されていること。
- JSP事前コンパイルに必要なファイル
- JSP事前コンパイルを実施するためには,次に示すファイルが必要です。
- JSPファイル(JSP 1.1,JSP 1.2またはJSP 2.0)※1
- JSP 2.0仕様に準拠したタグファイル※2
- JSPファイルおよびタグファイルから静的にインクルードされるファイル
- TLDファイル
- web.xml
- コンパイルに必要なクラスライブラリ
- 注※1 JSPファイルとは,次に示すファイルを指します。
- 拡張子が.jspまたは.jspxであるファイル(.jspxはJSP 2.0の場合だけ)
- web.xmlの<jsp-file>タグに指定されたファイル
- web.xmlの<jsp-property-group><url-pattern>タグに合致するファイル(JSP 2.0の場合だけ)
- 注※2 JSP事前コンパイル実行時にDTDまたはXMLスキーマに従っているかどうかが検証されます。
- JSP事前コンパイル後に生成されるファイル(JSPコンパイル結果)
- JSPファイルやタグファイルから生成された,JavaソースファイルおよびクラスファイルをJSPコンパイル結果といいます。JSP事前コンパイルを実施すると,JSPワークディレクトリに次に示すJSPコンパイル結果が生成されます。
- JSPファイルから生成されたJavaソースファイルおよびクラスファイル
- タグファイルから生成されたJavaソースファイルおよびクラスファイル
- なお,JSP事前コンパイル実行時には,Javaソースファイルを保存しておくかどうかを設定できます。
cjjspcコマンドは,JSP事前コンパイルを実施するためのコマンドです。アプリケーションの開発時などにこのコマンドを実施すると,Webアプリケーションに含まれるJSPファイルをコンパイルできます。cjjspcコマンドによるJSP事前コンパイルには,次の二つの方法があります。
- JSPファイル単位での事前コンパイル
Webアプリケーションに含まれるJSPファイルのうち,指定されたJSPファイルだけをコンパイルします。
- Webアプリケーション単位での事前コンパイル
Webアプリケーションに含まれるすべてのJSPファイルをコンパイルします。
また,このコマンド実行時に次の内容を設定できます。
- コンパイル不要なJSPファイルの指定
コンパイル不要なJSPファイルがある場合,あらかじめ不要なファイルを指定しておくことで,事前コンパイルの対象外にできます。指定方法には,コンパイル不要なJSPファイル名をコマンドに一つずつ指定する方法と,コンパイル不要なJSPファイル名をファイルにまとめて記載し,そのファイルをコマンドに指定する方法があります。
- 実行結果リストファイルを出力するかどうかの指定
実行結果リストファイルを出力するかどうかを指定できます。実行結果リストファイルとは,cjjspcコマンドの実行結果を出力したファイルです。コンパイルに成功したJSPファイル,コンパイルに失敗したJSPファイル,およびコンパイル対象外のJSPファイルのパスを一覧で出力します。
- Javaソースファイルを保存するかどうかの指定
JSPから生成されたJavaソースファイルを保存しておくかどうかを指定できます。
- JSPコンパイル時のJava言語仕様のバージョンの指定
JSPトランスレーションによって生成されたJavaソースファイルをコンパイルするときのJava言語仕様のバージョンを指定できます。
- JSPワークディレクトリ名を変更するかどうかの指定
JSPワークディレクトリとは,JSPコンパイル結果を格納するディレクトリのことです。JSPワークディレクトリ名は変更できます。なお,JSPワークディレクトリについては,「4.7.5(2) JSPコンパイル結果の出力先」を参照してください。
- デフォルトの文字エンコーディングの指定
JSPファイルのデフォルトの文字エンコーディングを指定できます。なお,デフォルトの文字エンコーディングの概要については,「4.6 デフォルトの文字エンコーディング設定」を参照してください。また,07-00でJSP事前コンパイル機能を使用していたWebアプリケーションに対して,07-10でデフォルトの文字エンコーディングを設定する場合の注意については,「4.6.5(5) 07-00でJSP事前コンパイルを実行したWebアプリケーションへの文字エンコーディング設定」を参照してください。
なお,これらの設定は,コマンドのオプションで指定します。アプリケーション開発時での事前コンパイルのコマンドの使い方については,マニュアル「Cosminexus アプリケーション開発ガイド」を参照してください。
- 参考
- cjjspcコマンドを使用したJSP事前コンパイルで,JSPファイルまたはタグファイルのトランスレーション時にエラーが発生すると,エラーメッセージが出力されます。エラーメッセージはコンソールに出力されます。
cjstartappコマンドは,J2EEアプリケーションを開始するためのコマンドです。cjstartappコマンドに,JSP事前コンパイルをするオプションを指定すると,JSPの事前コンパイルを実施してから,J2EEアプリケーションが開始されます。J2EEアプリケーション開始時のJSP事前コンパイルでは,J2EEアプリケーションに含まれるすべてのJSPファイルをコンパイルします。
このコマンドの実行時の動作はあらかじめ設定できます。設定できる内容を次に示します。
- Javaソースファイルを保存するかどうかの指定
JSPファイルから生成されたJavaソースファイルを保存しておくかどうかを指定できます。
- JSPコンパイル時のJava言語仕様のバージョンの指定
JSPトランスレーションによって生成されたJavaソースファイルをコンパイルするときのJava言語仕様のバージョンを指定できます。
- JSPワークディレクトリ名を変更するかどうかの指定
JSPワークディレクトリとは,JSPコンパイル結果を格納するディレクトリのことです。JSPワークディレクトリ名は変更できます。なお,JSPワークディレクトリについては,「4.7.5(2) JSPコンパイル結果の出力先」を参照してください。
なお,これらの設定は,J2EEサーバの動作設定のカスタマイズで実施します。J2EEサーバの動作設定のカスタマイズについては,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」を参照してください。
- 参考
- cjstartappコマンドを使用したJSP事前コンパイルで,JSPファイルまたはタグファイルのトランスレーション時にエラーが発生すると,エラーメッセージが出力されます。エラーメッセージはWebサーブレットログ,またはメッセージログに出力されます。
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