Wake on LANを利用してクライアント制御を実行する場合の注意事項を次に示します。
ジョブの経路上にルータが設置されたシステム構成でクライアント制御を使うには,次のどちらかのネットワーク環境にしてください。セキュリティ上の安全性から,1の環境での運用をお勧めします。
- ルータごとに一つ以上の中継マネージャまたは中継システムを配置し,かつ常時起動されている状態にします。(推奨)
- ルータに,ブロードキャスト指定のパケットを通過させるように設定します。
この場合,ルータごとに中継マネージャまたは中継システムを配置する必要はありません。ただし,あて先のIPアドレスがルータによってサブネット化された環境の場合,次の条件を満たす必要があります。
- クライアント制御によって起動されるPCにインストールされたJP1/NETM/DMのバージョンが06-51以降で,かつWMIがインストールされている。
- クライアント制御の使用前に,「システム情報の取得」ジョブを実行して,サブネットマスクの情報を取得しておく。
- JP1/NETM/DM Client(中継システム)の[中継システムカスタマイズオプション]パネルで,「下位クライアントの資源情報を記録する」オプションをオンにしておく。
なお,ルータにブロードキャスト指定のパケットを通過させるように設定すると,サービス運用妨害(DoS)攻撃を受けるおそれがあります。このような状況を避けるには,1の環境で運用してください。
クライアント制御を使用する場合のハードウェアについての注意事項を次に説明します。
- クライアント制御は各種設定や個々の機器の相性などに大きく左右される機能です。したがって,事前に提供するコマンドを使って,クライアント制御を使ったPCの起動ができるかどうかを確認してください。提供するコマンドについて次に示します。
- コマンド名
- magicsnd.exe
- コマンドの格納場所
- JP1/NETM/DMのインストールディレクトリ\bin下
- 使用方法
- magicsnd -a MACアドレス [-m サブネットマスク] IPアドレス
- このコマンドは,MS-DOSプロンプトから実行してください。指定したあて先を起動するコマンドです。このコマンドで起動できないPCは,クライアント制御を使った起動はできません。
- サブネットマスクの指定([ ]で囲まれた部分)は,あて先のIPアドレスがルータによってサブネット化された環境で,ルータにブロードキャスト指定のパケットを通過させるように設定している場合だけ必要です。
- 使用例
- ルータごとに常時起動の中継システムを配置してある場合:
- magicsnd -a 0000e2168066 172.17.11.145
- IPアドレスがサブネット化され,ルータがブロードキャスト指定のパケットを通過させる環境の場合:
- magicsnd -a 0000e2168066 -m 255.255.255.0 172.17.11.145
- BIOSの設定でWake on LANの項目がある場合は,「Enable」に設定してください。
- HUBやNICなどがLinkChange機能をサポートしている場合,その機器の電源がオンになるとWake on LANが「Enable」になっているPCが起動されてしまいます。このため,機器の電源は常にオンにしておくか,またはLinkChange機能を無効にしておく必要があります。
- LANカードから出力される信号には,「RWU-High」,「RWU-Low」,および「PME」の3種類があります。マザーボードによって使用できる信号の種類が異なるため,その組み合わせによってジャンパーピンの設定を変える必要があります。組み合わせによるジャンパーピンの設定については,LANカードメーカーのドキュメントを参照してください。
クライアント制御を使用してクライアントを起動する場合の注意事項を次に示します。
- クライアント制御を使って複数のジョブを実行する場合,すべてのジョブにクライアントを起動させる指定をしても,一つのあて先に対して一度起動した場合は,同じあて先に対する次のジョブの起動要求は無視されます。
- バージョンが06-00より前のJP1/NETM/DM ClientをインストールしたPCに対してクライアント制御を使ってジョブを実行した場合,起動もシャットダウンもできません。
- 1台のPCで複数のネットワークインタフェースカードを使用している環境では,クライアント制御を使って起動できないことがあります。
- JP1/NETM/DM ManagerまたはJP1/NETM/DM Client(中継システム)から「クライアントを起動させる」を設定してジョブを実行した場合,PCの起動時間に対して,JP1/NETM/DM ManagerまたはJP1/NETM/DM Client(中継システム)からの起動間隔が短過ぎるため,PCによっては起動時にハングアップしてしまう場合があります。この場合,JP1/NETM/DM ManagerまたはJP1/NETM/DM Client(中継システム)の,次に示すレジストリ値をPCの起動時間より大きな値に変更することで,回避してください。
- レジストリキー
- ・JP1/NETM/DM Managerの場合
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\HITACHI\NETM/DM
- ・JP1/NETM/DM Client(中継システム)の場合
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\HITACHI\NETM/DM/P
- 名前
- DeliveryExecSelectInterval
- データ
- 最小値(秒):30
- 最大値(秒):9,999
- デフォルト値(秒):60
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