JP1 Version 8 JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)

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2.2.1 システム情報の取得

クライアントのシステムの使用状況を管理するシステム情報と,クライアントのレジストリ情報を取得できます。システム情報およびレジストリ情報の取得方法については,マニュアル「運用ガイド1」の「3.1 システム情報を取得する」を参照してください。

取得できるシステム情報とレジストリ情報の詳細について次に説明します。

<この項の構成>
(1) Windowsのクライアントから取得できるシステム情報
(2) UNIXのクライアントから取得できるシステム情報
(3) 取得できるレジストリ情報

(1) Windowsのクライアントから取得できるシステム情報

Windowsのクライアントから,表2-1〜表2-3に示す情報を取得できます。JP1/NETM/DM 06-71から08-10までで取得できるようになったシステム情報は,表2-2を参照してください。JP1/NETM/DM 08-11以降で取得できるようになったシステム情報は,表2-3を参照してください。

表2-1 取得できるシステム情報(JP1/NETM/DM 06-53以前から取得可能)

取得できるシステム情報 取得先のOS
Windows
NT 4.0 2000 XP Server 2003 Vista Server 2008 95 98 Me
クライアントバージョン
コンピュータ名
マシン種別 × × × × × × × ×
OS
OSファミリー名※1 W × × ×
OSバージョン
OSサブバージョン
OSビルド番号/OSパッチ情報※2 × × ×
WMI※3
ドメイン種別 W
会社名 4
所有者名
CPUタイプ5
コプロセッサ
CPUクロック数56
プロセッサ数
実メモリ容量
利用可能ユーザメモリ容量
利用可能システムリソース容量
製造元 W W W
モデル W W W
ドライブの種類78
空きハードディスク容量※9 7 7 7 7
全ディスク容量8 7 7 7 7
ビデオドライバ
ビデオチップ
VRAM容量 W W
画面情報
ネットワークアダプタ W
サブネットマスク W
デフォルトルータアドレス W
MACアドレス 9
(凡例)
○:取得できる
×:取得できない
−:OSに該当する項目がない
W:システム情報を取得されるPCに,次の前提プログラムがインストールされている場合に取得できる
Windows 95の場合
  • DCOM95 for Windows 95またはMicrosoft Internet Explorer 5.01以降
  • Windows Management Instrumentation(WMI)CORE
Windows 98およびWindows NT 4.0の場合
  • Windows Management Instrumentation(WMI)CORE
なお,これらの前提プログラムは,Microsoft社のホームページからダウンロードしてください。
注※1
OSの欄に表示されます。
注※2
クライアントのOSがWindowsの場合はOSビルド番号が取得されます。
注※3
WMIの欄には,クライアントのWMIバージョンが表示されます。この値はWMIサービスのバージョンであり,WMIコアコンポーネントのバージョンではありません。WMIコアコンポーネント1.5がインストールされている場合,WMIバージョンは"1085.0005"になります。
また,WMIが利用できない場合,WMIの欄には「N/A」(Not Available)と表示されます。
クライアントのOSがWindows 2000またはWindows NT 4.0の場合,管理者権限のないユーザが「システム情報の取得」ジョブを実行すると,WMIの情報を取得できないことがあります。
注※4
対応する情報が無い場合は,会社名が取得されないことがあります。
注※5
1台のホストに複数のCPUがある場合は,一つだけ取得されます。Pentium II Xeon,Pentium III Xeon の一部プロセッサでは,Pentium II,Pentium III と表示されることがあります。
注※6
CPUクロック数はプロセッサがPentiumの場合に取得されます。表示される値は,現在までに取得してきたCPUクロック数の最大値です。また,ノートPCに搭載されているモバイルプロセッサでは,カタログに掲載されているスペックどおりのCPUクロック数が表示されない場合があります。
なお,取得されたCPUクロック数は値をカスタマイズできます。詳細については,マニュアル「運用ガイド1」の「3.1.6 通知されるCPUクロック数のカスタマイズ」を参照してください。
注※7
ネットワークドライブまたはアクセス権のないドライブの場合,取得されません。
注※8
ドライブごとの情報が取得されます。これらの項目は各ドライブの情報としてまとめて表示されます。
注※9
RASクライアントなどがインストールされているPCの場合,ネットワークアダプタのMACアドレスのほかにダミーアドレスが表示される場合があります。なお,NetBIOSを使用していない環境では,MACアドレスは取得されません。

 

JP1/NETM/DM 06-71から08-10までで取得できるようになったシステム情報を次の表に示します。

表2-2 取得できるシステム情報(JP1/NETM/DM 06-71から08-10までの追加分)

取得できるシステム情報 取得先のOS
Windows
NT 4.0 2000 XP Server 2003 Vista Server 2008 95 98 Me
コンピュータの説明 W W
インターネットエクスプローラバージョン
Windows Installer※1 ×
MBSA※2
Windows Update Agent※3
IEパッチ情報
ドメイン/ワークグループ W W W
ログオンユーザ名※4 W W W
ユーザフルネーム※4 W
ユーザの説明※4 W
OSシリアルナンバー W W W
ロケール W W W
OSの言語 W W W
現在のタイムゾーン W W W
OSインストール日時 W W W
最終起動日時 × × × × ×
ブートデバイス W W W
Windowsディレクトリ
システムディレクトリ
CPU外部クロック数 W W W
メモリスロットの容量 W W W
物理メモリの空き容量 W W W
仮想メモリの全容量 W W W
仮想メモリの空き容量 W W W
ページファイルの容量 W W W
マシンUUID※5 W W W
マシンシリアルナンバー※6 W W W
BIOS製造元 W W W
BIOSリリース日時 W W W
BIOSバージョン W W W
BIOSバージョン(SMBIOS) W W W
AMTファームウェアバージョン※7 × × × × ×
プライマリバス種別 W W W
セカンダリバス種別 W W W
キーボード W W W
マウス W W W
マウスのボタン数 W 8 W W
ファイルシステム※9 W W W
ハードディスクのモデル W W W
ハードディスクの容量 W W W
ハードディスクのインタフェース W W W
ハードディスクのパーティション数 W W W
CD-ROMドライブ W W W
モニタ種別 W W W
サウンドカード製造元 W W W
サウンドカード製品名 W W W
IPアドレス W
プライマリDNSサーバアドレス W W W
セカンダリDNSサーバアドレス W W W
DHCP W W W
DHCPサーバアドレス W W W
DHCPリース期限日時 W W W
DHCPリース取得日時 W W W
WINSサーバアドレス※10 W × ×
プリンタ名
プリンタドライバ
プリンタ用紙サイズ
プリンタ種別
プリンタ共有名
プリンタサーバ名
プリンタポート
(凡例)
○:取得できる
×:取得できない
−:OSに該当する項目がない
W:システム情報を取得されるPCに,次の前提プログラムがインストールされている場合に取得できる
Windows 95の場合
  • DCOM95 for Windows 95またはMicrosoft Internet Explorer 5.01以降
  • Windows Management Instrumentation(WMI)CORE
Windows 98およびWindows NT 4.0の場合
  • Windows Management Instrumentation(WMI)CORE
なお,これらの前提プログラムは,Microsoft社のホームページからダウンロードしてください。
注※1
クライアントにインストールされているWindows Installerのバージョンが取得されます。インストールされていない場合は,「N/A」(Not Available)と表示されます。
注※2
クライアントのインストールディレクトリ\CLIENT\MBSAに格納されている,MBSAのコマンドラインインタフェース(mbsacli.exeファイル)の製品バージョンが取得されます。格納されていない場合,WUAがインストールされているときは「N/A (The Windows Update is available)」,WUAがインストールされていないときは「N/A」(Not Available)と表示されます。
注※3
WUAの製品バージョンが取得されます。取得した値が「5.4.3790.1000」以上の場合,WUAがインストールされています。WUAがインストールされていない場合は,「N/A」(Not Available)と表示されます。
注※4
ユーザがログオンしている場合に取得できます。また,ユーザフルネームおよびユーザの説明は,コンピュータがワークグループに参加している場合だけ取得できます。ドメインに参加している場合は取得できません。
注※5
WMIによって取得されるマシンUUIDが表示されます。UUIDを取得できない場合,すべて0のUUIDが表示されます。
注※6
WMIによって取得されるマシンシリアルナンバーが表示されます。マシンシリアルナンバーの情報は,ハードウェアのベンダごとに任意に設定されています。そのため,PCの製造番号とは異なる場合があります。情報が存在しない場合は「N/A」(Not Available)と表示されます。
注※7
「AMT連携機能」がインストールされていないクライアントの場合,項目は表示されません。また,次の場合は「AMT連携機能」がインストールされていても値を取得できないため「N/A」(Not Available)と表示されます。
  • AMTに対応していないPCを使用している
  • AMT管理ユーザの認証に失敗した
  • Microsoft .NET Framework 1.1,2.0または3.0がインストールされていない
注※8
複数のマウスが接続されている場合,「0」と表示されます。
注※9
ドライブごとの情報が取得されます。各ドライブの情報として,「全ディスク容量」などの項目とまとめて表示されます。
注※10
プライマリWINSサーバ,セカンダリWINSサーバの情報だけ取得できます。

JP1/NETM/DM 08-11以降で取得できるようになったシステム情報を次の表に示します。

表2-3 取得できるシステム情報(JP1/NETM/DM 08-11以降での追加分)

取得できるシステム情報 取得先のOS
Windows
NT 4.0 2000 XP Server 2003 Vista Server 2008 95 98 Me
Guestアカウント
脆弱なパスワード※1
パスワードを更新してからの経過日数※2
無期限のパスワード
自動ログオンの設定※3
共有フォルダ ×
匿名接続の制限※3
スクリーンセーバー※3※4 ×
スクリーンセーバー パスワードの保護機能※3※4※5 ×
パワーオンパスワード W W
Windowsファイアウォールの設定※3※6 ※7 ※7
Windows自動更新※3
不要なサービス※8
モニタの電源を切る(AC)※9
モニタの電源を切る(DC)※9
プロセッサ調整(AC)※9
プロセッサ調整(DC)※9
ハードディスクの電源を切る(AC)※9
ハードディスクの電源を切る(DC)※9
システムスタンバイ/スリープ(AC)※9
システムスタンバイ/スリープ(DC)※9
システム休止状態(AC)※9
システム休止状態(DC)※9
(凡例)
○:取得できる
×:取得できない
−:OSに該当する項目がない
W:システム情報を取得されるPCに,Windows Management Instrumentation(WMI)COREがインストールされている場合に取得できる
なお,Windows Management Instrumentation(WMI)COREは,Microsoft社のホームページからダウンロードしてください。
注※1
  • 無効,期限切れ,およびすでにロック状態のアカウントについてはチェックされません。
  • アカウントのロックアウトポリシーが有効な場合,アカウントはチェック開始前の値と異なります。
  • ローカルセキュリティポリシー(ローカル環境,ドメイン環境)の設定で,「ローカルポリシー」の「監査ポリシー」の「アカウント管理の監査」を有効にしている場合,「脆弱なパスワードの有無」をチェックするときにイベントログが出力されます。
注※2
  • 無効および期限切れのアカウントについてはチェックされません。それ以外の全アカウントに対して経過日数が取得されます。
  • 脆弱かどうかの判断基準となるしきい値を定義しておきます。しきい値はsecurity.iniファイルに定義します。security.iniファイルの定義方法については,マニュアル「運用ガイド1」の「3.1.7 通知されるセキュリティ関連のインベントリ情報のカスタマイズ」を参照してください。
注※3
取得対象のレジストリが存在しない,壊れているなどの原因で正確なデータを読み込むことができない場合は,「無効」と表示されます。
注※4
複数のユーザが同時にログオンした場合は,最後にログインしたユーザの情報が表示されます。
注※5
「スクリーンセーバー」の指定が「無効」の場合は取得されません。
注※6
Service Packが適用されていない場合は,「無効」と表示されます。
注※7
Windowsファイアウォールに対応するWindows XP Service Pack 2またはWindows Server 2003 Service Pack 1以降から取得できます。
注※8
不要なサービスの稼働状態をチェックするには,どのサービスを不要なサービスとして監視するかをsecurity.iniファイルに定義する必要があります。security.iniファイルの定義方法については,マニュアル「運用ガイド1」の「3.1.7 通知されるセキュリティ関連のインベントリ情報のカスタマイズ」を参照してください。
注※9
  • エラーなどの原因によって情報を取得できなかった場合は,「不明」が表示されます。
  • クライアントのOSがWindows Server 2008またはWindows Vistaの場合,最後にログオンしたユーザの設定が取得されます。そのほかのOSの場合は,最後にログインしたAdministrator権限を持つユーザの設定が取得されます。
  • クライアント側で表示されている設定と取得した値が異なることがあります。この場合,クライアントの設定には取得した値が適用されています。
  • 電源オプション機能を利用できない場合は,正しい情報を取得できないことがあります。

(2) UNIXのクライアントから取得できるシステム情報

UNIXのクライアントから取得できるシステム情報を次の表に示します。

表2-4 取得できるシステム情報(UNIXのクライアント)

取得できるシステム情報 取得先のOS
UNIX
HP-UX Linux Solaris AIX
クライアントバージョン
コンピュータ名
マシン種別
OS
OSファミリー名
OSバージョン
OSサブバージョン
OSビルド番号/OSパッチ情報※1 ×
OSライセンス情報2 × × × ×
WMI
ドメイン種別
会社名
所有者名
CPUタイプ3
コプロセッサ
CPUクロック数3
プロセッサ数
実メモリ容量
利用可能ユーザメモリ容量
利用可能システムリソース容量 × × × ×
製造元 × ×
モデル
ドライブの種類
空きハードディスク容量※4
全ディスク容量※4
ビデオドライバ × × × ×
ビデオチップ × × × ×
VRAM容量 × × × ×
画面情報 × × ×
ネットワークアダプタ ×
サブネットマスク
デフォルトルータアドレス
MACアドレス
コンピュータの説明
インターネットエクスプローラバージョン
Windows Installer
MBSA
Windows Update Agent
IEパッチ情報
ドメイン/ワークグループ
ログオンユーザ名
ユーザフルネーム
ユーザの説明
OSシリアルナンバー × × × ×
ロケール × × × ×
OSの言語 × × × ×
現在のタイムゾーン
OSインストール日時 × × × ×
最終起動日時
ブートデバイス × ※5 ×
Windowsディレクトリ
システムディレクトリ × × × ×
CPU外部クロック数 × × × ×
メモリスロットの容量 × × ×
物理メモリの空き容量 × × ※6
仮想メモリの全容量 × × × ×
仮想メモリの空き容量 × × × ×
ページファイルの容量 ×
マシンUUID × × ×
マシンシリアルナンバー ※7 ×
BIOS製造元 × × ×
BIOSリリース日時 × × ×
BIOSバージョン × × ×
BIOSバージョン(SMBIOS) × × ×
AMTファームウェアバージョン × × × ×
プライマリバス種別 × × × ×
セカンダリバス種別 × × × ×
キーボード × × ×
マウス × × ×
マウスのボタン数 × × ×
ファイルシステム※8
ハードディスクのモデル × ×
ハードディスクの容量 × ×
ハードディスクのインタフェース × ×
ハードディスクのパーティション数 × ※5 × ×
CD-ROMドライブ ×
モニタ種別 × × ×
サウンドカード製造元 × × ×
サウンドカード製品名 × × ×
IPアドレス
プライマリDNSサーバアドレス
セカンダリDNSサーバアドレス
DHCP × × × ×
DHCPサーバアドレス × × × ×
DHCPリース期限日時 × × × ×
DHCPリース取得日時 × × × ×
WINSサーバアドレス
プリンタ名 × × × ×
プリンタドライバ × × × ×
プリンタ用紙サイズ × × × ×
プリンタ種別 × × × ×
プリンタ共有名 × × × ×
プリンタサーバ名 × × × ×
プリンタポート × × × ×
Guestアカウント
脆弱なパスワード
パスワードを更新してからの経過日数※9
無期限のパスワード
自動ログオンの設定
共有フォルダ※10
匿名接続の制限
スクリーンセーバー
スクリーンセーバー パスワードの保護機能
パワーオンパスワード
Windowsファイアウォールの設定
Windows自動更新
不要なサービス
(凡例)
○:取得できる
×:取得できない
−:OSに該当する項目がない
注※1
Solarisの場合はOSパッチ情報が取得されます。なお,クライアントのOSがHP-UX,AIX,およびHP Tru64 UNIXの場合は,コマンド「uname -v」で求められる値が取得されます。
注※2
クライアントのOSがHI-UX/WE2の場合だけ取得されます。
注※3
1台のホストに複数のCPUがある場合は,一つだけ取得されます。
注※4
パーティションごとの情報が取得されます。これらの項目は各パーティションの情報としてまとめて表示されます。
注※5
IPF版の場合は取得できません。
注※6
ワークロード・マネージャがインストールされている場合だけ取得できます。
注※7
HP-UX11iの場合,取得できないことがあります。
注※8
パーティションごとの情報が取得されます。各パーティションの情報として,「全ディスク容量」などの項目とまとめて表示されます。
注※9
初期設定では,rootアカウントの情報だけ取得されます。shadowパスワードファイルを利用していない場合,または利用していてもパスワード最終変更日時が設定されていない場合は,取得されません。
注※10
NFSでマウントしているディレクトリの有無を取得します。ただし,オートマウントなどを利用している場合,システム情報取得時にマウントされていないディレクトリは取得されません。

(3) 取得できるレジストリ情報

クライアントごとに,レジストリ情報を取得できます。レジストリ情報は,障害が発生したとき,PCを復元するために使用できます。

取得できるレジストリパスを次に示します。

なお,バージョンが05-20以前のクライアントのレジストリ情報は取得できません。

また,OSがWindows Server 2008またはWindows Vistaのクライアントからレジストリ情報を取得する場合,バージョンが08-02以前の中継マネージャを経由するときは,次の制限があります。