JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド

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12.9.2 汎用監視オブジェクトの作成例(JP1/Cm2/SSOによるCPU監視)

JP1/Cm2/SSOのCPU監視など,監視ツリーの自動生成でサポートしていない対象を監視したい場合には,監視オブジェクトを手動で作成する必要があります。

<この項の構成>
(1) 前提知識
(2) 監視オブジェクト作成前の確認
(3) 監視オブジェクトの作成(CPUの監視)
(4) 監視オブジェクトの設定(CPUの監視)

(1) 前提知識

JP1/Cm2/SSOのようにSNMPトラップを出力する製品をJP1/IMで監視する場合,まず,SNMPトラップをJP1イベントに変換する必要があります。これは,統合スコープがJP1イベントの属性名と属性値をキーにして,監視オブジェクトを監視しているためです。

JP1/BaseのSNMPトラップ変換機能を使うことで,SNMPトラップをJP1イベントに変換できます。SNMPトラップ変換機能を使えば,SNMPの各フィールドをJP1イベントの属性にマッピングすることができます。

変換後のJP1イベントの属性と,SNMPトラップの各フィールドの対応を次の表に示します。

表12-6 JP1イベントの属性とSNMPトラップの各フィールドの対応

変換後のJP1イベント 変換対象のSNMPトラップ
基本属性 メッセージ PDU Type
拡張属性 共通情報 SEVERITY Specifific Trap Type
固有情報 SNMP_OID Enter prise
SNMP_DATE Timestanp
SNMP_SOURCE Agentadress
SNMP_SEVERITY Specific Trap Type
SNMP_URL
SNMP_VARBIND_RESULT
SNMP_VARBIND_NUM
SNMP_VARBIND1 バリアブルバインディングのData1のValus
SNMP_VARBIND2 バリアブルバインディングのData2のValus
(省略) (省略)
SNMP_VARBIND28 バリアブルバインディングのData28のValus

(凡例)
−:メッセージの固有情報に該当する情報がない

なお,SNMPトラップ変換機能の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

(2) 監視オブジェクト作成前の確認

CPU監視をする監視オブジェクトを作成する前に,次の2点を確認してください。

(3) 監視オブジェクトの作成(CPUの監視)

図12-18 汎用監視オブジェクトの作成

[図データ]

作成手順を次に示します。

  1. [監視ツリー(編集)]画面で,[編集]−[新規監視ノード作成]を選択する。
    [新規監視ノード作成]画面が表示されます。
  2. 次の内容を入力して,[OK]をクリックする。

    表12-7 監視ノード名と監視ノード種別の設定内容

    設定項目 設定内容
    監視ノード名 任意の名称を入力します。
    管理しやすい名称にすることをお勧めします。この例では,「CPU利用率監視(SSO)」と入力します。
    監視ノード種別 「監視オブジェクト」をラジオボタンで選択し,「汎用オブジェクト」をリストボックスから選択します。
    監視ツリーに,監視オブジェクト「CPU利用率監視(SSO)」が追加されます。

(4) 監視オブジェクトの設定(CPUの監視)

図12-19 汎用監視オブジェクトの設定(状態変更条件の追加 その1)

[図データ]

図12-20 汎用監視オブジェクトの設定(状態変更条件の追加 その2)

[図データ]

設定手順を次に示します。

  1. 作成した監視オブジェクト(「CPU利用率監視(SSO)」)を選択し,[編集]−[プロパティ]を選択する。
    [プロパティ]画面が表示されます。
  2. [状態変更条件]ページを選択し,[追加]をクリックする。
    [状態変更条件設定]画面が表示されます。
  3. [状態変更条件設定]画面で条件設定する。
    JP1/IM - Managerが,どのようなJP1イベントを受信したときに,監視ノードの状態を変更するかを設定します。
    状態変更条件を入力後,[OK]をクリックします([OK]をクリックすると[状態変更条件]ページへ戻ります)。続けて状態変更条件を入力する場合は,再度[追加]をクリックし,[状態変更条件設定]画面で条件を入力します。
    状態変更条件は,次のように設定します。

    表12-8 状態変更条件の設定例

    条件名 (任意の名称) 状態 共通条件
    CPU利用率警戒のイベント(SSO) 警戒 リソース警戒のイベント(SSO)
    CPU利用率エラーのイベント(SSO) エラー リソースエラーのイベント(SSO)
    それぞれの条件での個別条件は以下のように設定します。個別条件を追加するときは,一つの個別条件を入力するごとに[追加]を選択してください。

    表12-9 状態変更条件(個別条件)の設定例

    監視ノード属性名 属性名 属性値(例) 条件
    カテゴリー名 E.SNMP_VARBIND2 SSO と一致する
    グループ名 E.SNMP_VARBIND3 コンピュータ と一致する
    リソース名 E.SNMP_VARBIND4 CPU利用率※1 と一致する
    イベント発行元ホスト E.SNMP_VARBIND11 mgr-svr1※2 ホスト名比較
    ホスト名 E.SNMP_VARBIND12 agt-srv1※3 ホスト名比較

    注※1 JP1/Cm2/SSOで監視対象となっているリソース名を設定します。

    • CPU監視の場合:CPU利用率
    • メモリー監視の場合:メモリー使用率

    注※2 イベント発行ホスト名を設定します。gethostnameで取得したホスト名です。hostnameコマンドで表示されるホスト名の形式で指定してください。

    注※3 監視先ホスト名を設定します。gethostbyaddrで取得したホスト名です。DNSが設定されている場合は,ホスト名にDNSのsuffixが付加された名称を指定してください。DNSが設定されていない場合は,hostsファイルに書かれているホスト名の形式で指定してください。


  4. [状態変更条件]ページでの設定が完了したら,[OK]をクリックする。
    サーバのツリーを更新して,監視ツリーに作成した監視ノードが追加されているか確認してください。

JP1/Cm2/SSOのリソース名「CPU利用率」の状態を監視する監視オブジェクトは,システム監視オブジェクト「カテゴリー監視(SSO)」を利用して作ることもできます。カテゴリー監視(SSO)のシステム監視オブジェクト作成後,不足している個別条件をすべての状態変更条件に追加してください。

注意
JP1/Cm2/SSOを監視するには,エージェントホストのJP1/Cm2/SSOおよびJP1/Baseをバージョン7以降にする必要があります。
エージェントホストのJP1/Cm2/SSO,JP1/Baseがバージョン6の場合は,監視することはできますが,自動での情報収集ができないため,これまでの手順に加えて多くの手作業が発生します。このため,推奨しません。
なお,JP1/Cm2/SSOの製品名称は,バージョン7はJP1/PFM/SSO,バージョン6はJP1/SSOです。

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