JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド
バージョン6のJP1/IMマネージャー製品からバージョン8のJP1/IM - Managerにバージョンアップする場合,次の点に注意してください。
- <この項の構成>
- (1) インストール先ディレクトリについて
- (2) バージョン6のJP1/IMからのバージョンアップについて
(1) インストール先ディレクトリについて
JP1/IM - Managerのインストール先ディレクトリについては,「7.2.1(1) インストール先ディレクトリについて」を参照してください。
(2) バージョン6のJP1/IMからのバージョンアップについて
JP1/IM - Managerにバージョンアップする前に設定情報のバックアップをしてください。バックアップの方法は,過去のバージョンのマニュアルを参照してください。
バージョンアップすると,バージョン6のJP1/IMの定義情報が引き継がれます。ただし,次の点に注意してください。
- 論理ホスト(クラスタ)環境についてはjp1cohaverupコマンドを実行して今バージョンで追加された定義情報を反映する必要があります。
参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager リファレンス jp1cohaverup」(2. コマンド)
- バージョン6のJP1/IMでイベント取得フィルターを使用していた場合,バージョンアップするとイベント取得フィルターは,イベント取得フィルター(互換用)として動作します。イベント取得フィルター(互換用)は,JP1イベントの監視にだけ有効なフィルターとして動作します(フィルター位置はイベントコンソールサービス上)。
イベント取得フィルター(互換用)のフィルター位置については,「図7-1 イベント取得フィルター(互換用)のフィルター位置」を参照してください。
イベント取得フィルター(互換用)の場合,次に示す機能は,JP1/IM - Managerが取得したJP1イベントすべてを処理対象とします。
このため,フィルターの設定によっては,例えば,自動アクションが実行されているにもかかわらず,[イベントコンソール]画面にはその自動アクションの契機になったJP1イベントが表示されない,といった現象が発生することがあります。
- 自動アクション(自動アクションサービスが該当)
- 統合スコープ(セントラルスコープサービスが該当)
- 相関イベント発行(相関イベント発行サービスが該当)
- JP1/IM - Incident Master連携機能(インシデント登録サービスが該当)
また,イベント取得フィルター(互換用)で定義できる内容は,JP1/SESイベントの取得可否,重大度,イベントIDによる取得可否だけです(ほかのフィルターと同等の細かな条件定義ができません)。
JP1/IMとして取得するJP1イベントを統一したい,または,ほかのフィルターと同様に,詳細にフィルター条件を定義したい場合には,jcochafmodeコマンドを実行して,フィルター位置をイベントコンソールサービスからイベントフロー制御サービスに移動してください。なお,元のイベント取得フィルター(互換用)で設定した内容の引き継ぎについては,「表7-2 イベント取得フィルター設定項目の引き継ぎ」を参照してください。運用に合わせて設定内容,条件群名を変更してください。
なお,バージョンアップ前のイベント取得フィルターで運用したい場合は,jcochafmode コマンドの実行は不要です。
参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager リファレンス jcochafmode」(2. コマンド)
- 注意事項
- jcochafmodeコマンドを実行して,イベント取得フィルターの位置をイベントコンソールサービスからイベントフロー制御サービスに変更すると,以前のイベント取得フィルターに戻せなくなります。jcochafmodeコマンドを実行する前に,イベント取得フィルターの位置の変更について,十分に検討をしてください。
- ユーザーフィルター,重要イベントフィルター,表示フィルターおよびイベント検索の条件として定義した情報は次のように引き継がれます。運用に合わせて条件群名を変更してください。
- ユーザーフィルター
フィルター名,ユーザー名はそのまま,フィルター条件は「既存条件群」として引き継がれる。
- 重要イベントフィルター
フィルター条件は「既存条件群」として引き継がれる。
- 表示フィルター
フィルター名は「既存のフィルター条件」,フィルター条件は「既存条件群」として引き継がれる。
- イベント検索条件
検索条件は「既存条件群」として引き継がれる。
- 「KAVB9032-E アクション情報ファイルの移行に失敗しました。保守コード:保守コード」メッセージのダイアログが表示されることがあります。この場合には,「表7-3 KAVB9032-Eの保守コード」を参照して,保守コードに従って対処してください。
- バージョン6のJP1/IMで,イベントバッファーを2,000件より大きく設定していた場合,バージョンアップするとイベントバッファーの件数が2,000件に再設定されます。イベント取得フィルターなどを利用して表示するイベントを絞り込んでください。
- バージョン6のJP1/IM - Central Consoleからバージョンアップした場合,バージョン6で使用していたWWWページ版動作定義ファイルの名称が次表のとおり変更され,バージョン8用のWWWページ版動作定義ファイルが新規作成されます。定義情報は引き継がれません。
表7-6 WWWページ版動作定義ファイルの名称変更
旧バージョンの定義情報をバージョン8に反映したい場合は,名称変更された旧バージョンのファイルを参照して,バージョン8用に新規作成されたファイルに反映してください。WWWページ版動作定義ファイルについては,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager リファレンス WWWページ版動作定義ファイル(console_ja.html)」(3. 定義ファイル)を参照してください。
OS 名称変更前 名称変更後 Windows Consoleパス\www\console_ja.html Consoleパス\www\console_ja.html.jp1_im_console_v6_backup Consoleパス\www\console.html Consoleパス\www\console.html.jp1_im_console_v6_backup UNIX /opt/jp1cons/www/console_ja.html /opt/jp1cons/www/console_ja.html.jp1_im_console_v6_backup /opt/jp1cons/www/console.html /opt/jp1cons/www/console.html.jp1_im_console_v6_backup
- バージョン6のJP1/IMからバージョンアップする前に,WWWページ版のJP1/IM - Viewを使用していた場合は,バージョンアップしたあとに次の操作を行ってください。
- IEのインターネット一時ファイルを削除してください。
Microsoft Internet Explorerの場合
Microsoft Internet Explorerのメニューから,[ツール]−[インターネットオプション]を選択し,[全般]タブの[インターネット一時ファイル]から,[ファイルの削除]ボタンをクリックしてください。
Windows Internet Explorerの場合
Windows Internet Explorerのメニューから,[ツール]−[インターネットオプション]を選択し,[全般]タブの[閲覧の履歴]から,[削除]ボタンをクリックして,[インターネット一時ファイル]の[ファイルの削除]ボタンをクリックしてください。
- コントロールパネルの[Java Plug-in]を選択して表示された,[Java(TM) Plug-in コントロールパネル]画面から,[キャッシュ]タブの[クリア]ボタンをクリックして,キャッシュを削除してください。
- UNIXの場合,バージョン6のJP1/IMからバージョンアップすると,バージョン6で使用していた/etc/opt/jp1cons/conf/jp1co_env.confファイルの名称が次表のとおり変更され,バージョン8用のファイルが新規作成されます。このとき,定義情報は引き継がれません。
表7-7 /etc/opt/jp1cons/conf/jp1co_env.confファイルの名称変更
旧バージョンの定義情報をバージョン8に反映したい場合は,名称変更された旧バージョンのファイルを参照して,バージョン8用に新規作成されたファイルに反映してください。
OS 名称変更前 名称変更後 UNIX /etc/opt/jp1cons/conf/jp1co_env.conf /etc/opt/jp1cons/conf/jp1co_env.conf.jp1_im_console_v6_backup
- UNIXの場合,バージョン6のJP1/IMからバージョンアップすると,バージョン07-10-/A以降で変更になったJP1/IM起動用スクリプトの修正が反映されません。jco_startコマンドでJP1/IMを起動している場合,バージョンアップしたあと,次のファイルを上書きコピーしてください。
コピー元:/etc/opt/jp1cons/jco_start.model
コピー先:/etc/opt/jp1cons/jco_start
- AIXでバージョンアップする前に,バージョン6のJP1/BaseおよびJP1/IMですでに自動起動・自動停止の設定を行っていた場合,バージョンアップしたあとに次に示す手順で,自動起動・自動停止の設定を行ってください。HP-UX,Solarisの場合は,「10.5.3 自動起動および自動終了の設定」を参照してください。
- 自動起動,自動終了のスクリプトを上書きコピーする。
# cd /etc/opt/jp1cons
# cp -p jco_start.model jco_start
# cp -p jco_stop.model jco_stop
- 自動起動の設定をする。
- (a) バージョン6の自動起動の設定を解除する
- バージョン6のJP1/BaseおよびJP1/IMですでに自動起動の設定を行っている場合は,まず,その設定を解除します。/etc/rc.tcpip内に,次のようなバージョン6のJP1/BaseとJP1/IMの起動エントリが記述されているかを確認し,記述がある場合は削除してください。
- ファイル名:/etc/rc.tcpip
- :
- test -x /etc/opt/jp1base/jbs_start && /etc/opt/jp1base/jbs_start
- test -x /etc/opt/jp1cons/jco_start && /etc/opt/jp1cons/jco_start
- :
- (b) 自動起動の設定
- JP1/BaseとJP1/IM - Managerの起動エントリを,mkitabコマンドで/etc/inittabファイルに追加します。次の順序で実行してください。
- # mkitab -i hntr2mon "jp1base:2:wait:/etc/opt/jp1base/jbs_start"
- # mkitab -i jp1base "jp1cons:2:wait:/etc/opt/jp1cons/jco_start"
- 設定したあと,lsitabコマンドで設定内容を確認します。
- # lsitab -a
- init:2:initdefault:
- brc::sysinit:/sbin/rc.boot 3 >/dev/console 2>&1 # Phase 3 of system boot
- :
- :
- hntr2mon:2:once:/opt/hitachi/HNTRLib2/etc/D002start
- jp1base:2:wait:/etc/opt/jp1base/jbs_start
- jp1cons:2:wait:/etc/opt/jp1cons/jco_start
- #
- 上記のように,プロセスを起動する順序のとおり,記述エントリがhntr2mon(統合トレース機能),jp1base,jp1consの順に記述されていれば,正しく設定されています。
- 自動停止の設定をする。
- (a) バージョン6の自動停止の設定を解除する
- バージョン6のJP1/BaseおよびJP1/IMですでに自動停止の設定を行っている場合は,まず,その設定を解除します。/usr/sbin/shutdown内に,次のようなバージョン6のJP1/BaseとJP1/IMの停止エントリが記述されているかを確認し,記述がある場合は削除してください。
- ファイル名:/usr/sbin/shutdown
- :
- test -x /etc/opt/jp1cons/jco_stop && /etc/opt/jp1cons/jco_stop
- test -x /etc/opt/jp1base/jbs_stop && /etc/opt/jp1base/jbs_stop
- :
- (b) 自動停止の設定
- JP1/BaseとJP1/IM - Managerの停止エントリを,テキストエディターで/etc/rc.shutdownファイルに追加します。
- 次の順序で記述してください。
- ファイル名:/etc/rc.shutdown
- :
- test△-x△/etc/opt/jp1cons/jco_stop△&&△/etc/opt/jp1cons/jco_stop
- test△-x△/etc/opt/jp1base/jbs_stop△&&△/etc/opt/jp1base/jbs_stop
- :
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