JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド
JP1/IMは,運用管理するシステムの各サーバを,JP1/Baseの構成管理の機能によって階層化して管理しています。
例えば,次の図に示すように,本社にあるマシンを統合マネージャーホストに,各支社にあるメインマシンを拠点マネージャーホストに,拠点にあるそのほかのマシンをエージェントホストにする,といった構成もできます。
図3-73 システム構成例
- <この項の構成>
- (1) 構成管理の定義(構成定義)でできること
- (2) システム構成管理の定義
(1) 構成管理の定義(構成定義)でできること
JP1/Baseの構成管理の機能で,JP1/IMが管理するシステムの構成を「構成定義」の情報として定義すると,次のことができるようになります。
- JP1イベントの上位ホストへの転送
JP1イベントをJP1/IMマネージャーに集約するように,構成定義に従ってJP1イベントを下位ホストから上位ホストに転送します。デフォルトの設定ではJP1イベントの重大度が警告(Warning)以上のJP1イベントが転送されます。
参照先:「3.6.1 JP1イベントの管理」
- JP1/IM - Viewからのコマンド実行
JP1/IM - Viewからの操作によって,構成定義で定義した管理対象ホストでコマンドを実行できます。コマンドを実行すると,実行要求および実行結果は,構成定義の階層関係に沿って転送されます。
参照先:「3.4.3 JP1/IM - Viewからのコマンド実行」
- JP1/IMからの自動アクション
自動アクションによるアクションとして,構成定義で定義した管理対象ホストでコマンドを実行できます。コマンドを実行すると,実行要求および実行結果は,構成定義の階層関係に沿って転送されます。
参照先:「3.5 自動アクションによるコマンド実行」
- 定義情報の収集と配布
構成定義で定義したJP1/IMが管理するホストに対して定義情報の収集や配布ができ,システム全体での定義情報の設定や変更が容易になります。
参照先:「3.6.5 定義情報の収集と配布」
(2) システム構成管理の定義
階層構造を持つシステム構成を定義するときは,最上位のマネージャーで一括して定義することも,各マネージャーが管理する複数の部分に分割して定義することもできます。
図3-74 システム構成の例(マシン構成)
図3-75 システム構成の例(階層関係)
この例の場合の構成定義は,次のようになります。
ほかの構成定義ファイルと重複するホスト名には,「*」を付けます。
図3-76 システム構成の定義例
設定手順の概要は次のようになります。
- マネージャーホストで,構成定義ファイルを定義する。
マネージャーホストから下位にあたるマネージャーおよびエージェントのホストを,構成定義ファイル(jbs_route.conf)に定義します。
定義ファイルには,一括して定義する場合はシステム構成全体を,分割して定義する場合は拠点マネージャー以下のシステム構成を定義してください。
- マネージャーホストで,jbsrt_distribコマンドを実行する。
このコマンドを実行すると,構成定義ファイルに定義したホストへ,定義情報が配布されて,設定が有効になります。
システム階層構成を複数の部分に分割して定義する場合は,手順1と手順2を,各マネージャーで繰り返してください。その後に,最上位のマネージャーホストで次の手順によって,システム全体の定義を作成します。
- 最上位のマネージャーホストで,構成定義ファイルを定義する。
最上位のマネージャーホストから次のマネージャーホストの階層までを,構成定義ファイル(jbs_route.conf)に定義する。
- 最上位のマネージャーホストで,jbsrt_syncコマンドを実行する。
このコマンドを実行すると,構成定義ファイルに定義したマネージャーから構成定義が収集されて,システム全体の構成情報が作成されます。
システム構成定義の内容は,各ホスト上でjbsrt_getコマンドを実行することで確認できます。
構成定義ファイルの形式は,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager リファレンス 構成定義ファイル(jbs_route.conf)」(3. 定義ファイル)を参照してください。また,設定手順については,「9.4.6 システムの構成定義情報の設定」(Windowsの場合)または「10.4.5 システムの構成定義情報の設定」(UNIXの場合)を参照してください。
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