JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド
イベントガイド機能は,[イベントコンソール]画面に表示されているJP1イベントに対して,対処のガイドとなる情報を表示する機能です。
システム管理者は,JP1イベントを基点にして問題の調査,対策をしますが,連携するJP1製品やユーザーアプリケーションなどから発行されるJP1イベントのすべてに対して,調査手順,対処方法などを習得するのは困難です。
イベントガイド機能を使うことで,問題対策での経験や実績を登録でき,調査事例,対策事例などの参照,蓄積ができます。
イベントガイド機能が表示する情報を,イベントガイド情報といい,ユーザーが表示内容や表示形式(TXT,HTML)を設定できます。また,イベントガイド情報は,JP1イベントの詳細情報の一つとして,[イベント詳細]画面に表示されます。イベントガイド情報の表示例を次に示します。
図3-27 [イベント詳細]画面のイベントガイド情報の表示例
- 注意
- イベントガイド情報が表示される領域は,デフォルトでは表示されません。
- JP1/IM - Viewでのログイン時に,イベントガイド情報ファイルを参照し,有効な条件が1件以上あったときに表示されるようになります。なお,イベントガイド情報ファイル,および設定する条件については以降で説明します。
- <この項の構成>
- (1) イベントガイド情報の設定内容
(1) イベントガイド情報の設定内容
イベントガイド情報は,JP1/IM - Managerが管理するイベントガイド情報ファイルに設定します。
イベントガイド情報ファイルには,イベントガイド情報として表示する内容,どのJP1イベントに対して表示するかの条件定義などを設定します。
イベントガイド情報として表示する内容のことを,イベントガイドメッセージと呼びます。なお,イベントガイドメッセージは,別ファイルに切り出して管理することもできます。これをイベントガイドメッセージファイルと呼びます。イベントガイド情報ファイルとイベントガイドメッセージファイルは,次の図のような関係になっています。
図3-28 イベントガイド情報ファイルとイベントガイドメッセージファイルの関係
なお,イベントガイド情報ファイル,イベントガイドメッセージファイルで編集したイベントガイドメッセージは,更新される契機が次のように異なります。
- イベントガイド情報ファイル
イベントガイド情報ファイルでの編集内容(イベントガイドメッセージや条件定義)を有効にするには,JP1/IM - Managerを再起動するか,jco_spmd_reloadコマンドを実行する必要があります。
なお,JP1/IM - Viewでのログイン時,[イベント詳細]画面にイベントガイド情報の表示領域がない場合,定義を有効にしたあと,再ログインすることで表示されるようになります。
- イベントガイドメッセージファイル
イベントガイドメッセージファイルの内容を編集したあと,[イベント詳細]画面を表示し直すだけで編集した内容が更新されます。
定期的にイベントガイドメッセージを編集する場合は,イベントガイドメッセージファイルを利用することをお勧めします。
(a) イベントガイド情報を表示する条件
どのJP1イベントが発行された場合に表示するかを,条件(EV_COMP)に指定します。複数設定した場合はAND条件となり,すべての条件が成立したとき表示されます。
条件には,属性名:属性値の形式でJP1イベントの比較条件を設定します。なお,比較条件に設定できる条件数は100件までです。
- 属性名
属性名には,JP1イベントの属性名(基本属性,拡張属性)を指定します。
例えば,イベントID(B.ID),重大度(E.SEVERITY)などを指定できます。
また,各JP1製品の固有情報であるJP1イベントの拡張属性の固有情報も指定できます。例えば,JP1/AJS2のジョブの実行ホスト(E.C0)などです。
- 属性値
属性名に対応する属性値を指定します。
例えば,重大度(E.SEVERITY)のエラーを指定したい場合は,E.SEVERITY:Errorと指定します。また,イベントID(B.ID)が00000111のイベントを指定する場合は,B.ID:00000111:00000000と指定します。
- 注意
- JP1/IM - Viewでイベントガイド情報を表示する際に,イベントガイド情報ファイルの内容は先頭から順に参照されていきます。条件に一致するイベントガイドがあると,そこでイベントガイド情報ファイルの参照をやめ,条件に一致したイベントガイドを[イベント詳細]画面に表示します。
- 条件に一致するイベントガイドがイベントガイド情報ファイル内に複数あった場合でも,常にその中で先頭にあるものがイベントガイドとして[イベント詳細]画面に表示されるため,以下のことを目安にガイド情報の表示条件を設定してください。
- 比較条件は,ほかのイベントガイドの比較条件と一致しないようにする。
例えば,比較条件には,イベントIDだけでなく,重大度,メッセージなど,複数の条件を設定しておくことで,ほかのイベントガイドと差別化を図ることができます。
また,属性値は正規表現で記述できますが,完全一致で記述するようにしてください。
- 一つのJP1イベントに対しては,一つのイベントガイドを設定するようにする。
一つのJP1イベントに対して,複数のイベントガイドを設定したい場合には,イベントガイドメッセージファイルをHTML形式で作成し,その中に複数の対処手順を記述しておくことを検討してください。
(b) イベントガイド情報での表示内容
イベントガイドメッセージを,イベントガイド情報ファイルに直接記述する場合は,EV_GUIDEで指定します。イベントガイドメッセージファイルを利用する場合は,EV_GUIDEの代わりにEV_FILEを指定し,ファイルの格納場所を記述します。
メッセージは,TXT形式またはHTML形式で記述できます。また,メッセージにはJP1イベントの属性値を変数(属性値の頭に$を付ける)として使うことができます。例えば,JP1イベントのメッセージ(B.MESSAGE)は$B.MESSAGE△(△:半角スペース)と記述することで,変数として使うことができ,JP1イベントの属性値をイベントガイド情報のメッセージ中に表示できます。
- (備考):編集に便利なイベントガイドメッセージファイル
- イベントガイドメッセージをイベントガイド情報ファイルに直接記述する(EV_GUIDEで指定)場合,1行で記述する必要があるため,改行を挿入して体裁を整えることができませんが,イベントガイドメッセージファイルを利用する(EV_FILEで指定)場合は改行を挿入して体裁を整えることができます。図で示すと次のようになります。
- このように,体裁を整えることができるため,HTML形式でイベントガイド情報を作成するなど,情報量が多いときや定期的に内容を見直したいときに便利です。
- イベントガイド情報ファイルについて
- マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager リファレンス イベントガイド情報ファイル(jco_guide.txt)」(3. 定義ファイル)を参照してください。
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