JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド
JP1/IMでは,JP1/Baseに登録されたJP1イベントをさまざまな条件で検索し,検索条件に合ったJP1イベントを[イベントコンソール]画面の[イベント検索]ページに表示できます。検索条件には,JP1イベントの属性のほか,重要イベントに対する対処状況や自動アクションの実行有無なども指定できます。また,検索条件の一部項目については,正規表現も使用できます。
また,検索対象ホストには,ログインしているマネージャーホストだけでなく,JP1/Baseがインストールされたほかのホストを指定することもできます。
図3-24 イベント検索の概要
ここでは,JP1イベントの検索とその条件について説明した後,イベント検索の処理の流れについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) JP1イベントの検索
- (2) イベント検索の条件
- (3) イベント検索の処理の流れ
(1) JP1イベントの検索
管理が必要なJP1イベントは[イベントコンソール]画面の[イベント監視]ページに表示されますが,次のような場合はイベント検索の機能を使って表示します。
- 表示するイベント数(JP1/IM - Viewのスクロールバッファー数)の最大値を超えたために,[イベント監視]ページに表示されなくなった過去のJP1イベント
- [重要イベント]ページから[削除]の操作によって表示されなくなったJP1イベント
- JP1イベントの拡張属性の重大度が指定されていないイベント(JP1/IM - Viewは,重大度が設定されたJP1イベントを表示対象としています)
- 転送フィルターで,JP1/IMマネージャーホストに転送する対象にしていないJP1イベント(正常イベントなど)
- イベント取得フィルターで,JP1/IMが取得する対象にしていないJP1イベント(正常イベントなど)
検索結果として[イベント検索]ページに表示されたイベントは,[イベント監視]ページと同じ操作で,[イベント詳細表示]や[モニター起動]によって内容を確認できます。
- 検索中の表示
- イベント検索中は[イベント検索]ページのタブに(検索中)が表示されます。検索が終了すると「検索が終了しました」のダイアログが表示され,(検索中)の表示が消えます。検索件数が多い場合や検索に時間が掛かる場合に動作中かどうかを判断する目安となります。
- 検索条件と一致したイベントが見つかると,「イベント検索」ページに順次表示されます。イベント検索中の[イベント検索]ページを次の図に示します。
図3-25 イベント検索中の[イベント検索]ページ
- 検索のキャンセル
- 間違った検索条件でイベント検索を実行してしまった場合や,すでに目的とするイベントが見つかっているなどの場合,イベント検索を途中でキャンセルできます。
- イベント検索をキャンセルするには,[イベント検索]ページの[検索キャンセル]ボタンをクリックするか,メニューバーの[表示]−[検索キャンセル]を選択します。
- イベント検索をキャンセルした場合,その時点までに検索されたJP1イベントが表示されます。
- (備考)
- イベント検索を処理している間にほかの作業ができます。例えば,イベント検索中にイベント監視が並行してできます。イベント検索中に操作ができる項目は,メニューが活性状態となっています。
- なお,メニューが活性状態でも使用できない場合があります。使用できない操作をした場合は,エラーメッセージが表示されます。
(2) イベント検索の条件
イベント検索をするには,次のような条件があります。
- 検索対象ホストが,JP1/Baseをインストールしているホストで,イベントサービスが動作していること(なお,階層管理による管理対象になっている必要はありません)
- JP1/IMのマネージャーホストから,直接通信できるホストであること
イベント検索では,JP1/IM - ViewでログインしているJP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Console)から直接,検索対象のホストに接続します。検索対象ホストのホスト名がアドレス解決でき,通信できる必要があります。特に,ファイアウォール環境や複数LAN接続環境でイベント検索をする場合は注意が必要です。
なお,イベント検索ができないホスト(直接通信ができないホスト)からJP1イベントが届く場合があります。これは,イベントの転送がエージェントホストからマネージャホストに直接通信するだけでなく,エージェントホストから拠点マネージャホスト,拠点マネージャホストから統合マネージャホストというように,段階的に転送が行われることから起こる現象です。イベント転送と,イベント検索では通信経路が異なります。イベント検索は,直接通信できるホストだけが検索対象になります。
- 検索するJP1イベントが,イベントDB上に残っていること
イベントDBは,各JP1/Baseで二つ保持しており,上限値(デフォルト10MB)を超えるともう一つのイベントDBに切り替わります。切り替わる際に,使用する側のイベントDBの内容は削除されます。削除されたJP1イベントは,検索できません。
(3) イベント検索の処理の流れ
ビューアーホストからエージェントホスト上のJP1/Baseのイベントサービスにイベント検索を要求する場合の処理の流れを例にして,イベント検索で使用するJP1/IM,JP1/Baseの機能連携について説明します。
図3-26 イベント検索の処理の流れ
図中の番号に従って説明します(図中の丸付き番号は,次に示す番号にそれぞれ対応しています)。
- [イベントコンソール]画面の[イベント検索]ページから,JP1イベントを検索するホスト,検索したいJP1イベントの条件を指定し,検索を実行します。
- JP1/IM - Viewからイベント検索指示を受け取ったJP1/IM - Manager(イベントコンソールサービス)は,検索対象となったホスト上のJP1/Base(イベントサービス)に検索指示を出します。
- 検索指示を受け取ったJP1/Base(イベントサービス)は,検索条件に合致したJP1イベントの情報をJP1/IM - Manager(イベントコンソールサービス)に返します。
- JP1/IM - Managerは,受け取った情報をJP1/IM - Viewに返し,その情報が[イベントコンソール]画面の[イベント検索]ページに表示されます※。
注※ [イベント検索]ページに表示されるJP1イベントには,ユーザーフィルターだけが適用されます。イベント取得フィルターなどは適用対象外になります。
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