JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド

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3.2.4 繰り返しイベントの集約表示

JP1/IM - Viewには,同一内容のJP1イベントが連続して発行された場合に,繰り返して発行されるJP1イベントを集約して表示できる機能があります。これを繰り返しイベントの集約表示機能といいます。

この機能を使用すると,短時間に同一内容のイベントが大量に発行された場合に,ほかの重要なJP1イベントの見落としを防止できます。

この機能では,JP1/IM - Viewが連続して受信する同一内容のJP1イベントを一つに集約して,[イベントコンソール]画面の[イベント監視]ページまたは[重要イベント]ページに表示します。繰り返しイベントの集約表示機能は,ユーザーごとに設定できます。

繰り返しイベントの集約表示機能では,同一内容のJP1イベントを一つのイベントにまとめたイベントのことを集約イベントといいます。集約イベントには,集約を継続中のイベント(集約中イベント)と,集約が完了したイベント(集約完了イベント)の2種類があります。

また,同一内容のJP1イベントの中で最初にJP1/IM - Viewが受信したJP1イベントのことを集約開始イベント,集約開始イベント以降に受信した集約開始イベントと同一内容のJP1イベントを繰り返しイベント,繰り返しイベントがないためイベントが集約されないイベントを非集約イベントといいます。

繰り返しイベントは,[イベントコンソール]画面の[イベント監視]ページまたは[重要イベント]ページから表示される[関連イベント一覧(集約)]画面で確認できます。

図3-21 繰り返しイベントの確認例

[図データ]

参考
[関連イベント一覧]画面には,次の二種類の画面があります。
  • 集約イベントを表示するための画面:[関連イベント一覧(集約)]画面
  • 相関元イベントを表示するための画面:[関連イベント一覧(相関)]画面
両画面とも[イベントコンソール]画面で該当イベントを選択し,[表示]−[関連イベント一覧表示]かポップアップメニューで[関連イベント一覧表示]を選択することで表示できますが,相関イベントが集約表示されていた場合,[イベントコンソール]画面から呼び出せるのは[関連イベント一覧(集約)]画面となります。
相関元イベントを表示する場合には,[関連イベント一覧(集約)]画面からさらに[関連イベント一覧(相関)]画面を呼び出す必要があります。
<この項の構成>
(1) JP1イベント表示の処理の仕組み
(2) 繰り返しイベントの集約処理の例

(1) JP1イベント表示の処理の仕組み

イベントの集約はJP1/IM - Viewで実施されます。JP1/IM - Viewは,JP1/IM - Managerから受信したJP1イベントを集約開始イベントと比較します。集約開始イベントと受信したJP1イベントの内容が同一であった場合,その受信したJP1イベントを集約イベントの繰り返しイベントと判断し,集約イベントに集約します。

繰り返しイベントの集約結果は,JP1/IM - Viewの表示フィルターまたは重要イベントフィルターを介して,JP1/IM - Viewの[イベントコンソール]画面の[イベント監視]ページまたは[重要イベント]ページに表示されます。

繰り返しイベントの集約表示機能とJP1イベントの各フィルターの関係を次の図に示します。

図3-22 繰り返しイベントの集約表示機能とフィルターの関係

[図データ]

(a) イベントの比較属性

JP1/IM - Viewは,新しいJP1イベントを受信すると,集約開始イベントと受信したJP1イベントの内容を比較します。イベントの比較には,JP1イベントの属性値を使用します。すべての属性の値が一致した場合に,同一内容のイベントと判断します。

JP1イベントの属性の種類には,JP1イベントの詳細情報である,登録ホスト名,重大度,オブジェクトタイプ,オブジェクト名,登録名タイプ,登録名,事象種別,ユーザー名,メッセージ,プロダクト名,およびイベントIDがあります。ただし,JP1イベントの属性の種類を特定して,イベントの内容を比較することはできません。

(b) イベントの集約完了の条件

イベントの集約は,次のどれかの条件と一致したときに完了します。

イベントの集約が完了する条件の詳細については,「6.1.5 繰り返しイベントの集約表示の検討」を参照してください。

(2) 繰り返しイベントの集約処理の例

繰り返しイベントの集約処理の例を次の図に示します。

図3-23 繰り返しイベントの集約処理

[図データ]

図中の番号に従って説明します(図中の丸付き番号は,次に示す番号にそれぞれ対応しています)。

  1. JP1/IM - ViewがJP1イベント「A1」を受信し,JP1イベント「A1」の集約を開始します。JP1イベント「A1」は,集約開始イベントとなります。
    [イベントコンソール]画面に集約開始イベント「A1」の情報を示します。
  2. JP1/IM - ViewがJP1イベント「A2」を受信し,集約開始イベント「A1」と内容を比較します。JP1イベント「A2」と集約開始イベント「A1」が同一内容であるため,JP1イベント「A2」を繰り返しイベントと判断し,集約開始イベント「A1」に集約します。
    [イベントコンソール]画面に,集約開始イベント「A1」と繰り返し回数の2回の情報を「A1[2]」として表示します。
  3. JP1/IM - ViewがJP1イベント「A3」を受信し,集約開始イベント「A1」と内容を比較します。JP1イベント「A3」と集約開始イベント「A1」が同一内容であるため,JP1イベント「A3」を繰り返しイベントと判断し,集約開始イベント「A1」に集約します。
    [イベントコンソール]画面に,集約開始イベント「A1」と繰り返し回数の3回の情報を「A1[3]」として表示します。
  4. JP1/IM - ViewがJP1イベント「B1」を受信し,集約開始イベント「A1」と内容を比較します。JP1イベント「B1」と集約開始イベント「A1」は内容が一致しないので,集約開始イベント「A1」の集約を完了し,新しくJP1イベント「B1」の集約を開始します。JP1イベント「B1」は集約開始イベントとなります。
    [イベントコンソール]画面に,前回の集約開始イベント「A1」および集約開始イベント「B1」の情報を表示します。
  5. JP1/IM - ViewがJP1イベント「B2」を受信し,集約開始イベント「B1」と内容を比較します。JP1イベント「B2」と集約開始イベント「B1」が同一内容であるため,JP1イベント「B2」を繰り返しイベントと判断し,集約開始イベント「B1」に集約します。
    [イベントコンソール]画面に,前回の集約開始イベント「A1」,および集約開始イベント「B1」と繰り返し回数の2回の情報を「B1[2]」として表示します。
  6. JP1/IM - ViewがJP1イベント「A4」を受信し,集約開始イベント「B1」と内容を比較します。JP1イベント「A4」と集約開始イベント「B1」は内容が一致しないので,集約開始イベント「B1」の集約を完了し,新しくJP1イベント「A4」の集約を開始します。前々回の集約開始イベント「A1」はすでに集約を完了しているため,JP1イベント「A4」を集約イベント「A1」に集約できません。JP1イベント「A4」は,集約開始イベントとなります。
    [イベントコンソール]画面に,前々回の集約開始イベント「A1」,前回の集約開始イベント「B1」,および集約開始イベント「A4」の情報を表示します。

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