JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド
JP1/IMでは,システムで発生した問題の調査を,統合コンソールを基点とした一連の操作の流れに統合することで,運用作業を簡略化します。
以降,JP1/IMによる問題調査の流れを,例を挙げて説明します。
- <この項の構成>
- (1) イベント詳細
- (2) イベント検索
- (3) モニター起動
- (4) コマンド実行
- (5) 統合機能メニューからのアプリケーション起動
(1) イベント詳細
まず,問題発生を検知したイベントを,[イベントコンソール]画面の[イベント詳細表示]により確認します。
- イベント詳細
イベントの詳細情報を表示します。イベント属性,メッセージなどから問題を確認し,ガイドから対策手段のアドバイス(イベントガイド情報)を参照します。
図1-11 ガイドによる対処方法のアドバイス(イベントガイド情報)
- イベントガイド情報
- システムで発生した問題について,問題点の切り分けや対策手段の検討など,システム管理者には高いスキルが要求されます。しかし,多種多様なシステム障害の一つ一つの対策をシステム管理者が習得するのは困難です。
- 統合コンソールでは,多種多様なシステム事象管理のためのJP1イベントに対して,あらかじめ登録しておいた対処方法をガイドとして表示できます。
- 監視するJP1イベントに,対処方法や対応手順を登録しておくことで,問題の初動対応がより円滑,迅速に行えるようになります。イベントガイド情報は,JP1イベントの詳細情報の一つとして表示されるため,問題の詳細確認と同時にガイドを参照でき,速やかに対策を開始できます。
- なお,ガイドとして表示する内容は,イベントガイド情報ファイルの定義によってカスタマイズできます。システム運用時の障害対策手段などを,イベントガイド情報として蓄積できます。
(2) イベント検索
問題によっては,問題発生イベント(問題発生を通知するイベント)だけでなく,その関連イベント(その問題が発生するまでに発生した事象)を問題発生時の状況として総合的に確認し調査を進める場合があります。この場合,問題発生などの重要イベントに絞って表示する[イベントコンソール]画面の[重要イベント]ページと,各ホストに直接接続して任意の条件でイベントを確認する[イベントコンソール]画面の[イベント検索]ページを,組み合わせて使います。
- イベント検索
[イベント検索条件設定]画面の[検索ホスト名]に指定したホストに接続し,検索条件に合うイベントを表示します。検索条件には,登録時刻,重大度,メッセージ,などを指定できます。正規表現による条件指定もできます。
イベント詳細やイベント検索によって,問題の状況を確認したあと,JP1/IMの[イベントコンソール]画面から各種機能を使用して,個々のイベントについて調査を進めます。
図1-12 JP1/IMからの各種操作
(3) モニター起動
表示されているJP1イベントから,関連する管理アプリケーションを直接起動でき,より直感的な操作で,監視画面から調査画面へ移って調査を始めることができます。
- モニター起動
JP1イベントに対応する管理アプリケーションを起動します。
例えば,JP1/AJS2のジョブ実行のJP1イベントからモニター起動すると,ジョブグループなどの画面をたどる必要なく,直接,そのジョブの実行状態画面を表示します。
なお,この機能を使用するには,JP1イベントを発行したアプリケーションが,モニター起動による連携をサポートしている必要があります。モニター起動をサポートしていないJP1イベントの場合は,ビューアー上の[モニター起動]が非活性で表示されます。
(4) コマンド実行
統合コンソールから直接,エージェントホスト上でWindowsやUNIXのコマンドを実行できます。エージェントホストにtelnetなどで接続する必要がなくコマンドが実行でき,簡単な確認などを容易にできます。
実行できるコマンドは,自動アクションと同じ種類のコマンドです。
(5) 統合機能メニューからのアプリケーション起動
統合機能メニューは,任意のアプリケーションを登録し,起動できるツールです。
JP1イベント発行やモニター起動に対応していないアプリケーションも,統合機能メニューに登録しておくことで,統合コンソールでの運用操作の流れにまとめることができます。
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