Groupmax Scheduler/Facilities Manager Version 7 システム管理者ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

7.5 SFShiftコマンドの実行

SFShiftコマンド(移行コマンド)は,Scheduler Serverマシンの保存データをHiRDBへ登録します。なお,発信履歴が削除されている予約スケジュールは,移行後の編集,回答,削除はできないので注意してください。

HiRDBへの登録は,次に示す手順で実行してください。

<この節の構成>
(1) 移行環境のコピー
(2) SFShiftコマンドのバッチファイル(SFShift.bat)の編集
(3) SFShiftコマンド実行前の準備
(4) SFShiftコマンドの実行
(5) 生成されたデータのHiRDBマシンへのコピー
(6) HiRDBコマンド実行用のバッチファイルの編集
(7) 環境設定バッチファイルの実行
(8) pdload実行バッチファイルの実行
(9) pdrorg実行バッチファイルの実行
(10) 移行結果の検証
(11) 一時ファイルの削除
(12) 移行データの時刻情報に関する注意事項

(1) 移行環境のコピー

SFShiftコマンドはScheduler Serverが管理するデータをCSV形式で出力しますが,インストールフォルダのドライブの容量が残り少ないなどの場合,SFShiftコマンドを別のフォルダから実行することもできます。そのためには,<Scheduler Serverインストールフォルダ>\tool\sfshift以下のデータを別のフォルダへコピーしてください。

コピー先のフォルダからSFShiftコマンドを実行する場合,次の点に注意してください。

(2) SFShiftコマンドのバッチファイル(SFShift.bat)の編集

SFShiftコマンド(移行コマンド)のバッチファイル(SFShift.bat)は,次の場所に格納されています。

<Scheduler Serverインストールフォルダ>\tool\sfshift\SFShift.bat

環境に合わせて,次の表に示す箇所を修正してください。

表7-4 SFShift.batの修正箇所

修正箇所 設定内容
set JDK=c:\jdk\bin\java Javaコマンドの絶対パス
"%JDK%" -Xms512m -Xmx1024m -classpath "%CLASSPATH%" %CMDNAME% %* -Xms512m -Xmx1024m

注※
ユーザ数が多い環境で実行すると,OutOfMemory Exceptionが発生することがあります。その場合,512m,1024mの値を増やして再実行してください。
オプションの意味については,Javaのマニュアルを参照してください。

(3) SFShiftコマンド実行前の準備

SFShiftコマンドを実行する前に,次の準備が必要です。

(a) デフォルトタイムゾーンの決定

タイムゾーン切り替え機能に対応したクライアントと未対応のクライアントを混在させて使用する場合,タイムゾーン切り替え機能に未対応のクライアントが前提とするタイムゾーンを決定してください。日本国内だけで使用する場合は,GMT+09:00としてください。

決定したタイムゾーンは,SFShiftコマンドの-gmtオプションで指定します。設定したタイムゾーンはあとから変更できません。

また,ここで設定した値を運用開始前にAppoSV.iniに設定します。設定パラメタは次のとおりです。

(4) SFShiftコマンドの実行

7.5(2) SFShiftコマンドのバッチファイル(SFShift.bat)の編集」で編集したSFShiftコマンドを実行し,HiRDBへデータを登録するためのバッチファイルなどを生成します。SFShiftコマンドの指定方法については,「11.3.8 SFShift(HiRDB用ファイルへの変換)」を参照してください。

SFShiftコマンドが異常終了した場合の対処
SFShiftコマンドが異常終了した場合,メッセージKDAE00003-Eが出力されます。異常終了によって一部の移行用ファイルを作成できなかった場合は,次の手順で対処してください。
  1. ログファイル(SFShift.log)を参照して,エラー発生原因を特定します。
  2. エラー発生原因を取り除いたあと,SFShiftコマンドを再実行します。

SFShiftコマンドの再実行方法
SFShiftコマンドにオプション「-clean」を指定すると,移行用ファイルが再作成されます。オプション「-clean」を指定するかどうかの基準を次に示します。
  • SFShiftコマンドの正常終了後又は異常終了後に,SFShiftコマンドを最初から実行する場合
    オプション「-clean」を指定して再実行してください。
  • SFShiftコマンドの異常終了後,生成済みの移行用ファイルを残してエラー発生箇所から再実行する場合
    オプション「-clean」は指定しないでSFShiftコマンドを再実行してください。

(5) 生成されたデータのHiRDBマシンへのコピー

生成されたデータをHiRDBマシンへコピーします。Scheduler ServerとHiRDBを同じマシンで動作させる場合は,この作業は不要です。

サーバごとのHiRDBマシンへコピーするフォルダの範囲を次の図に示します。

図7-1 サーバごとのHiRDBマシンへコピーするフォルダの範囲

[図データ]

(6) HiRDBコマンド実行用のバッチファイルの編集

HiRDBコマンド実行用のバッチファイルを編集します。

環境に合わせて,次の表に示す箇所を修正してください。

表7-5 HiRDBコマンド実行用のバッチファイルの修正箇所

項番 対象ファイル(ファイル名) 格納先フォルダパス 修正箇所(太字部分を修正する)
1 環境設定バッチファイル(sfshift_config.bat) <SFShiftコマンドのオプション「-path」で指定したフォルダ>\shift PDUSER=[4.7 DBユーザの作成で指定した認可識別子]/[4.7 DBユーザの作成」で指定したパスワード]
SHIFT=[SFShiftコマンドのオプション「-path」で指定したフォルダ]\shift
2 pdrorg用制御情報ファイル(sfshift_pdrorg_control.txt) idxwork [インデクス情報ファイル格納フォルダパス]
sort [ソート用フォルダパス],16384
3 pdload実行バッチファイル(sfshift_pdload.bat) <SFShiftコマンドのオプション「-path」で指定したフォルダ>\shift\extbl set EXTBL=%SHIFT%\[SFShiftコマンドのオプション「-out」で指定したフォルダ]

注※
「extbl」はSFShiftコマンドのオプション「-out」で指定したフォルダ名です。オプション「-out」に「extbl」以外のフォルダ名を指定した場合は,指定したフォルダ名に読み替えてください。

(7) 環境設定バッチファイルの実行

HiRDBマシンで環境設定バッチファイル(sfshift_config.bat)を実行します。環境設定バッチファイルは次の場所に格納されています。

<SFShiftコマンドのオプション「-path」で指定したフォルダ>\shift

(8) pdload実行バッチファイルの実行

HiRDBマシンでpdload実行バッチファイル(sfshift_pdload.bat)を実行します。環境設定バッチファイルを実行したコマンドプロンプトと同一のコマンドプロンプトで実行してください。

pdload実行バッチファイルは次の場所に格納されています。

<SFShiftコマンドのオプション「-path」で指定したフォルダ>\shift\<SFShiftコマンドのオプション「-out」で指定したフォルダ>

バッチファイル内に記載されているpdloadコマンドのオプションの意味については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。

(9) pdrorg実行バッチファイルの実行

HiRDBマシンでpdrorg実行バッチファイル(sfshift_pdrorg.bat)を実行します。環境設定バッチファイルを実行したコマンドプロンプトと同一のコマンドプロンプトで実行してください。

pdrorg実行バッチファイルは次の場所に格納されています。

<SFShiftコマンドのオプション「-path」で指定したフォルダ>\shift

(10) 移行結果の検証

データが正しく移行されたかどうかを移行後に検証する必要があります。

なお,次に示すデータはスキップデータファイルに登録され移行されません。

データの移行結果は,次の手順で確認してください。

  1. SFShiftコマンド実行後に出力されたテーブル検証ファイルを参照し,すべてのテーブルでデータ件数と移行件数が一致しているか確認してください。
    テーブル検証ファイルの出力箇所
    <Scheduler Serverインストールフォルダ>\tool\sfshift\check\TableCheck.lst
    テーブル検証ファイルのフォーマット
    テーブル名
    データ件数(移行前に登録されていた既存データの件数)
    移行件数(HiRDBに移行されるデータの件数)
    すべてのテーブルのデータ件数と移行件数が一致する場合は,検証作業は完了です。
    データ件数と移行件数が一致しないテーブルがある場合,次の手順に進んでください。
  2. データ件数と移行件数が一致しないテーブルがある場合,そのテーブルのユーザ検証ファイルを参照し,ユーザ(施設)ごとのデータ件数と移行件数を確認してください。
    ユーザ検証ファイルの出力箇所
    <Scheduler Serverインストールフォルダ>\tool\sfshift\check\<テーブル名>.lst
    ユーザ検証ファイルのフォーマット
    ユーザ(施設)ID
    データ件数(移行前に登録されていた既存データの件数)
    移行件数(HiRDBに移行されるデータの件数)
  3. スキップデータファイルを確認してください。
    不正データと判断されたデータはスキップデータファイルに出力されます。
    スキップデータファイルの出力箇所
    <Scheduler Serverインストールフォルダ>\tool\sfshift\check\skip
    スキップデータファイルのファイル名
    <移行に失敗したファイル名>_YYYYMMDDhhmmss.csv
    出力形式はpdload入力データファイルと同じです。エラー内容は,出力されたエラー情報の末尾にある「#」以降に出力されます。

(11) 一時ファイルの削除

7.5(6) HiRDBコマンド実行用のバッチファイルの編集」で,pdrorg用制御情報ファイルのidxwork及びsortに指定したフォルダには,移行前の環境の規模に応じたサイズの一時ファイルが作成されます。正常に運用が開始したあと,不要であれば削除してください。

(12) 移行データの時刻情報に関する注意事項

07-32以前のScheduler Serverでは,次に示すデータの年月日情報は保存されていますが,時刻情報は保存されていません。これらの情報をDBモードに移行した場合,時刻はSFShiftコマンドの-gmtオプションで指定したタイムゾーンでの12:00となります。

移行コマンドで移行したシステムの休日情報及び組織テンプレートの休日情報は,日本(エリアコード「JP」)の休日となります。その他の地域の休日は,移行後に管理ツールコマンド「sfsetdfthdy.bat」及び「sfsetorghdy.bat」を実行して登録してください。