Replication Manager Software Application Agent CLI ユーザーズガイド
Application Agentの拡張コマンドでは,ShadowImageとTrueCopyを組み合わせたシステム構成で,リモートサイトの副ボリュームへのバックアップと連動して,ローカルサイトの副ボリュームへ同時バックアップ(マルチターゲット構成でバックアップ)を実行できます。
なお,ローカルバックアップを実行しないで,リモートサイトの副ボリュームだけにバックアップする場合(カスケード構成でバックアップする場合)は,拡張コマンドを使用しないで,基本コマンドを使用してください。基本コマンドを使用したカスケード構成でのバックアップ例については,「6.12 カスケード構成またはマルチターゲット構成でバックアップおよびリストアする」を参照してください。
ここでは,拡張コマンドを使用したマルチターゲット構成での処理の例について説明します。次の図に示すシステム構成を想定しています。
図6-24 SQL Serverデータベースをマルチターゲット構成でテープへバックアップ,リストアするためのシステム構成
この例でのシステムの前提条件は次のとおりです。
- 正ボリュームは,NTFSでフォーマットされている。
- ローカルサイトとリモートサイトそれぞれの正ボリューム同士がTrueCopyでペア定義されている。また,それぞれのサイトで正ボリュームと副ボリュームがShadowImageでペア定義されている。
- マルチターゲット構成で運用するための準備がされている。マルチターゲット構成で運用するための準備については,「6.12.1 カスケード構成またはマルチターゲット構成でバックアップおよびリストアする準備」を参照してください。
- ローカルサイトとリモートサイトで,SQL Serverデータファイルとトランザクションログファイルが同じディレクトリ構成になっている。
- ローカルサイトとリモートサイトで,バックアップ対象となるSQL Serverデータベース名とデータベースIDが同じである。
- SQL Serverデータベースのデータファイルと,VDIメタファイル格納ディレクトリが同じボリュームにある。
- バックアップサーバにテープバックアップ管理用のソフトウェアがインストールされている。
- drmtapeinitコマンドを実行して,テープバックアップ管理用のソフトウェアのパラメーターが登録されている。
- バックアップサーバでFTPサービスが起動しており,データベースサーバのOSログオンユーザーを使用してFTPサーバへのログインおよびファイルの転送ができるように設定されている。
- 正ボリュームから副ボリュームにオンラインバックアップされたデータを,テープにバックアップする。
- データベースサーバ(サーバ名:hostB)上には2つのインスタンス「INSTANCE_1」および「INSTANCE_2」が在り,サービスが起動されている。
- 副ボリュームは通常はマウントされていないで,運用時にだけEドライブ(ドライブ文字:E:)にマウントされる。
- 副ボリュームをテープへバックアップするまでは,バックアップ対象の副ボリュームとペアを構成している正ボリュームのバックアップを新たに実行することはないとする。
- コマンドプロンプトから「cscript //H:Cscript」コマンドが実行され,ホストパラメーターが変更されている。
この例では次のオペレーション定義ファイルを使用します。オペレーション定義ファイル名はこの例で使用するオペレーションID「opid_SQL」に対応して,「_opid_SQL.dat」とし,サーバ「hostA」,「hostB」に配置しています。
_opid_SQL.datの内容
BACKUP_OBJECT=MSSQL DB_SERVER_NAME=hostB INSTANCE_NAME=DEFAULT TARGET_NAME=USER_DB1 FTP_HOME_DIR=C:\FTP_ROOT FTP_SUB_DIR=script SET_DRM_HOSTNAME=0この例では次のホスト環境設定ファイルを使用します。ホスト環境設定ファイルは,サーバ「hostA」,「hostB」にそれぞれ配置してください。
「hostA」用のホスト環境設定ファイル
HOST_ROLE=BK MAX_LOG_LINES=1000「hostB」用のホスト環境設定ファイル
HOST_ROLE=DB MAX_LOG_LINES=1000この例では次のユーザースクリプトファイルを用意します。ここでは,ユーザースクリプトファイル名を「C:\Uscrip.txt」とします。
C:\Uscrip.txtの内容
LOCAL_BACKUP=YES [RESYNC_PROC] # Target pair volume: TC01,sql01 [CMD] CMDLINE=C:\HORCM\etc\pairresync.exe -g TC01 -d sql01 -FBC 0 ENV=HORCMINST=0 ENV=HORCC_MRCF= END_CODE=TERMINATE_NZ TIMEOUT=10 [CMD] CMDLINE=C:\HORCM\etc\pairevtwait.exe -g TC01 -d sql01 -s pair -t 600 -FBC 0 ENV=HORCMINST=0 END_CODE=TERMINATE_NZ TIMEOUT=0 [SPLIT_PROC] # Target pair volume: SI01,dev01 [CMD] CMDLINE=C:\HORCM\etc\pairsplit.exe -g TC01 -d sql01 -FBC 0 ENV=HORCMINST=0 ENV=HORCC_MRCF= END_CODE=TERMINATE_NZ TIMEOUT=10 [CMD] CMDLINE=C:\HORCM\etc\pairevtwait.exe -g TC01 -d sql01 -s psus -t 600 -FBC 0 ENV=HORCMINST=0 END_CODE=TERMINATE_NZ TIMEOUT=0 [FINISH_PROC] #do nothing
- この節の構成
- 6.9.1 マルチターゲット構成でSQL Serverデータベースをバックアップする例
- 6.9.2 マルチターゲット構成でSQL Serverデータベースをリストアする例
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