Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド(Web Version)

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8.3.3 クラスタ環境への変更(Solaris)

非クラスタ構成でDevice Manager,Tiered Storage ManagerまたはReplication Managerのシステムの運用を開始したあとで,クラスタ構成に変更したい場合は,次の手順で変更してください。ここでは,すでに運用中のDevice Managerサーバ,Tiered Storage ManagerサーバおよびReplication Managerサーバがインストールされたマシンを実行系ノードとする場合を想定して説明します。

注意
クラスタ環境のセットアップでは,Hitachi Command Suiteのサービスの停止を伴う操作を実行します。セットアップ中は,Hitachi Command Suiteにアクセスしないでください。

管理サーバのOSがSolarisの場合に,運用開始後にクラスタ環境に変更する手順を次に示します。

  1. Tuning Managerとリモート接続している場合は,Tuning Managerサーバがインストールされているマシンで,Tuning Managerのサービスをいったん停止します。
  2. 待機系ノードとなるマシンにHitachi Command Suiteをインストールします。
  3. GUIで待機系ノードにアクセスして,使用する製品のライセンスを登録します。
    インストールする製品ごとに,ライセンスキーの入力が必要です。
  4. 実行系ノードで次のコマンドを実行して,GUIを起動するためのURLを論理ホスト名に変更します。
    Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/bin/hcmdschgurl /change http://実行系ノードのIPアドレスまたはホスト名:ポート番号 http://論理ホスト名:ポート番号
  5. 実行系および待機系の各ノードで,テキストエディターを使ってクラスタ設定ファイルを作成します。
    実行系ノードの場合
    mode=online
    virtualhost=<論理ホスト名>
    onlinehost=<実行系ノードのホスト名>
    standbyhost=<待機系ノードのホスト名
    待機系ノードの場合
    mode=standby
    virtualhost=<論理ホスト名>
    onlinehost=<実行系ノードのホスト名>
    standbyhost=<待機系ノードのホスト名
    作成したファイルは,cluster.confというファイル名で,<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/confに格納します。
    注意
    • modeには,実行系ノードの場合はonline,待機系ノードの場合はstandbyを指定してください。
    • virtualhostonlinehoststandbyhostにはIPアドレスは指定できません。ホスト名からIPアドレスの名前解決ができることを確認してください。
    • virtualhostに指定する論理ホスト名には,有効でアクセスできるIPアドレスが割り当てられている必要があります。
  6. 実行系および待機系の各ノードで,server.propertiesファイルを開き,server.http.hostプロパティに論理ホスト名を指定します。
    Device Managerサーバのインストールディレクトリ/HiCommandServer/config/server.properties
  7. 次のコマンドを実行して,実行系ノードでデータベースをバックアップします。
    Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/bin/hcmdsbackups -dir バックアップファイルの格納先ディレクトリ -auto

    dir
    データベースのバックアップファイルを格納するローカルディスク上のディレクトリを絶対パスで指定します。
    dirオプションに指定するディレクトリが空であることを確認してください。

    auto
    Hitachi Command Suite製品のサービスを自動的に起動/停止するオプションです。
    重要
    hcmdsbackupsコマンドを実行すると,dirオプションに指定したバックアップファイルの格納先ディレクトリにdatabaseというディレクトリが作成され,データベースのバックアップファイルがbackup.hdbというファイル名で格納されます。
  8. HiRDBが使用するポートをデフォルト(23032/tcp)以外のポートに変更して運用している場合は,使用しているポート番号を控えておきます。
  9. 次のコマンドを実行して,実行系ノードでデータベースを共有ディスクに移行します。
    Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/bin/hcmdsdbclustersetup -createcluster -databasepath データベースの再作成先ディレクトリ -exportpath データベースの退避先ディレクトリ -auto

    createcluster
    非クラスタ構成のHitachi Command Suite製品をクラスタ構成へ移行するためのオプションです。

    databasepath
    データベースの再作成先ディレクトリを指定します。共有ディスク上のディレクトリを,63バイト以内の絶対パスで指定してください。
    パスに使用できる文字を次に示します。そのほかに,スラント(/)をパスの区切り文字として使用できます。パス中に空白は指定できません。
    A~Z a~z 0~9 . _

    exportpath
    データベースの退避先ディレクトリを指定します。ローカルディスク上のディレクトリを,63バイト以内の絶対パスで指定してください。パスに使用できる文字は,databasepathに指定できる文字と同じです。

    auto
    Hitachi Command Suite製品のサービスを自動的に起動/停止するオプションです。
    注意
    • hcmdsdbclustersetupコマンドを実行すると,HiRDBが使用するポート番号の設定がデフォルト値(23032/tcp)に戻ります。
    • hcmdsdbclustersetupコマンドを実行すると,Tuning Managerのリモート接続の設定が初期化されます。
    • データベースの退避先ディレクトリ>がすでにある場合は,ディレクトリの中を空にするか,ディレクトリを削除してください。
    • hcmdsdbclustersetupコマンドが正常終了するまでは,共有ディスクを実行系ノードから切り離さないでください。
    • hcmdsdbclustersetupコマンドが異常終了した状態でサーバを再起動すると,共有ディスクの接続先が待機系ノードに切り替わることがあります。
  10. 待機系ノードで次のコマンドを実行して,共有ディスク上のデータベースを使用するように設定を変更します。
    Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/bin/hcmdsdbclustersetup -createcluster -databasepath データベースの再作成先ディレクトリ -exportpath データベースの退避先ディレクトリ -auto
    hcmdsdbclustersetupコマンドに指定するオプションについては,手順9を参照してください。databasepathには,実行系ノードで指定した<データベースの再作成先ディレクトリ>と同じディレクトリを指定してください。
  11. 実行系および待機系の各ノードで,hcmdssrvコマンドを実行して,Hitachi Command Suite製品のサービスが停止していることを確認します。
  12. 次のコマンドを実行して,Hitachi Command Suite製品のサービスがマシンの起動時に自動的に開始しないようにします。
    Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールディレクトリ/bin/hcmdssrv -starttype manual -all
  13. 実行系および待機系の各ノードで,Device ManagerサーバおよびTiered Storage Managerサーバがマシンの起動時に自動的に開始しないようにします。
    次のファイルを別ディレクトリに移動するか,ファイル名を変更します。ファイル名を変更する場合は,変更後のファイル名の先頭文字にKとSは使用しないでください。
    /etc/rc3.d/S99hicommand(Device Managerの場合)
    /etc/rc3.d/S99htsmserver(Tiered Storage Managerの場合)
  14. クラスタ環境で必要な設定をします。
    (5) クラスタリソースの登録(Veritas Cluster Serverの場合)」または「(6) クラスタリソースの登録(Sun Clusterの場合)」に従って,クラスタリソースを登録してください。
  15. 非クラスタ環境で運用していた時にTuning Managerとリモート接続していた場合は,必要に応じて,Tuning Managerのサービスを起動したあと,Tuning Managerと連携するための設定を再度実施します。

関連項目

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