Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド(Web Version)

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7.6.2 エンタープライズクラスストレージの性能情報を取得するための設定

エンタープライズクラスストレージ(Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VMまたはHitachi USP)の性能情報を取得するための設定について説明します。

この項の構成
(1) ストレージシステムで必要な設定
(2) 性能情報を収集するホストで必要な設定
(3) Device Managerサーバで必要な設定
(4) コマンドデバイスを登録する(perf_findcmddevコマンド)
(5) perf_cmddev.propertiesファイルの形式

(1) ストレージシステムで必要な設定

各ストレージシステムにコマンドデバイスを用意し,性能情報を収集するホストにLUNパスを割り当てて,性能情報を収集するホストにコマンドデバイスを認識させます。

なお,Virtual Storage PlatformまたはVP9500の性能情報を収集する場合は,認証モードが無効になっているコマンドデバイスをホストに認識させてください。

(2) 性能情報を収集するホストで必要な設定

Device Managerエージェントをインストールし,コマンドデバイスを登録します。

性能情報を収集するには:

  1. Device ManagerエージェントおよびRAID Manager LIBをインストールします。
    RAID Manager LIBは,Device Managerエージェントに同梱されています。ただし,ホストのOSがUNIXで,すでにホストにRAID Manager LIBがインストールされている場合,RAID Manager LIBは上書きされません。この場合は,次の表に示すバージョンのRAID Manager LIBをインストールしてください。

    表7-3 性能情報を収集する場合のRAID Manager LIBの前提バージョン

    ストレージシステム バージョン
    Virtual Storage Platform 01-15-03/00以降
    VP9500 01.15.00以降
    Universal Storage Platform V/VM 01-12-03/03以降
    H20000/H24000 01.12.04以降
    Hitachi USP 01-12-03/03以降
    H10000/H12000 01.12.04以降
  2. Device Managerエージェントのhdvmagt_settingコマンドを実行して,一括管理構成の設定をします(推奨)。
  3. perf_findcmddevコマンドを実行して,コマンドデバイスを登録します。
    注意
    • Device Managerエージェントをバージョン6.3以前から,バージョン6.4以降に更新インストールした場合,perf_cmddev.propertiesファイルの設定は維持されます。SLPR環境でストレージシステムを使用している場合は,更新インストール後にperf_cmddev.propertiesファイルに定義されたSLPRのコマンドデバイスの情報を更新してください。
    • バージョン6.3以前のDevice Managerエージェントを使用している場合,SLPR環境でストレージシステムを使用するためには,perf_cmddev.propertiesファイルを直接編集してSLPRのコマンドデバイスを定義してください。

関連項目

(3) Device Managerサーバで必要な設定

Device Managerサーバのserver.propertiesファイルにあるserver.cim.agentプロパティに,性能情報を収集するホスト(Device Managerエージェントをインストールしたマシン)のホスト名を指定します。

注意
server.cim.agentプロパティに設定したホスト名と,Device Managerに登録されているホスト名が一致していることを確認してください。一致していないと,性能情報を取得できません。

関連項目

(4) コマンドデバイスを登録する(perf_findcmddevコマンド)

Device Managerエージェントでコマンドデバイスを登録するには,perf_findcmddevコマンドを実行します。コマンドデバイスを登録する場合は,writeオプションを指定します。

事前に完了しておく操作

コマンドの形式

perf_findcmddev {write [-fileファイル名]|verify|view}

コマンドの格納先

Windowsの場合:
Device Managerエージェントのインストールフォルダ\bin

SolarisまたはLinuxの場合:
/opt/HDVM/HBaseAgent/bin

オプション

write [-fileファイル名>]
ホストが認識しているすべてのコマンドデバイスの情報を,ファイルに出力します。
-fileファイル名>を指定すると,コマンドデバイスの情報を,任意のファイルに出力します。ファイル名は絶対パスおよび相対パスで指定できます。-fileファイル名>を指定しない場合,perf_cmddev.propertiesファイルが上書きされます。
ホストが認識しているコマンドデバイスが検出されなかった場合,perf_cmddev.propertiesファイルには,何も出力されません。

verify
perf_cmddev.propertiesファイルで定義しているコマンドデバイスの情報と,ホストが認識しているコマンドデバイスの情報を照合します。ホストが複数のコマンドデバイスを認識している場合,各コマンドデバイスについて,実行結果を出力します。
  • perf_cmddev.propertiesファイルで定義済みのコマンドデバイスの情報と,ホストが認識しているコマンドデバイスの情報が一致している場合
    The definition of the command device is valid.が表示されます。
  • perf_cmddev.propertiesファイルで定義済みのコマンドデバイスを,ホストが認識していない場合
    メッセージKAIC28615-Wおよびホストが認識していないコマンドデバイスの情報が出力されます。
  • ホストが認識しているコマンドデバイスが,perf_cmddev.propertiesファイルに定義されていない場合
    メッセージKAIC28616-Wおよび定義されていないコマンドデバイスの情報を出力します。
    なお,perf_cmddev.propertiesファイルにバージョン6.3以前のフォーマットでコマンドデバイスの情報が定義されている場合,そのコマンドデバイスはSLPR0に属していると見なされます。

view
perf_cmddev.propertiesファイルに定義されているコマンドデバイスの情報を表示します。
perf_cmddev.propertiesファイルに認識できない値が定義されている場合や,書式に従って定義されていない行では,UNKNOWNが表示されます。コメント行または空白行は表示しません。また,perf_cmddev.propertiesファイルに値が定義されていない場合は,ヘッダーだけ表示されます。
出力例を次に示します。出力される内容は,perf_cmddev.propertiesファイルの設定項目と同じです。
Raid ID Serial# SLPR# LDEV# Device file name
R500    14050   0     345   \\.\PhysicalDrive3
R601    44332   1     456   \\.\Volume{xxxxxxx-xxxx-xxx-xxxxxxxx}
R501    UNKNOWN -     1045  \\.\PhysicalDrive10

関連項目

(5) perf_cmddev.propertiesファイルの形式

perf_cmddev.propertiesファイルを編集して,ストレージシステムのコマンドデバイスを定義できます。

perf_cmddev.propertiesファイルの格納先

Windowsの場合:
Device Managerエージェントのインストールフォルダ\mod\hdvm\config

SolarisまたはLinuxの場合:
/opt/HDVM/HBaseAgent/mod/hdvm/config

perf_cmddev.propertiesファイルの書式

次の書式で,1行に1つのコマンドデバイスを定義してください。

バージョン6.4以降のDevice Managerエージェントを使用している場合:
RAID ID.シリアル番号.[SLPR番号>.]LDEV番号:deviceFileName

バージョン6.3以前のDevice Managerエージェントを使用している場合:
RAID ID.シリアル番号.LDEV番号:deviceFileName

表7-4 perf_cmddev.propertiesファイルの設定項目

設定項目 設定内容
RAID ID 次のどれかを指定します。
R700:Virtual Storage PlatformまたはVP9500の場合
R600:Universal Storage Platform VまたはH24000の場合
R601:Universal Storage Platform VMまたはH20000の場合
R500:Hitachi USPまたはH12000の場合
R501:Hitachi NSC 55またはH10000の場合
シリアル番号 ストレージシステムのシリアル番号を10進数で指定します。
SLPR番号 コマンドデバイスが属するSLPRの番号を10進数で指定します。SLPRを構築していない場合は0を指定してください。
この項目は省略できます。省略した場合(バージョン6.3以前の書式で定義した場合)は,SLPRを構築していないものと見なされます。
LDEV番号 コマンドデバイスのCU:LDEV番号を10進数で指定します。
deviceFileName ホストが認識しているコマンドデバイスの識別名(Physical Drive番号,VolumeGUID,またはデバイスファイル名)を次の形式で指定します。
  • Windowsの場合:
    \\.\PhysicalDrivex
    \\.\Volume{GUID}
  • Solarisの場合:
    /dev/rdsk/cxtxdxs2
  • Linuxの場合:
    /dev/sdx
xは整数を示します。

注※

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