Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド(Web Version)
エンタープライズクラスストレージ(Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VMまたはHitachi USP)の性能情報を取得するための設定について説明します。
- この項の構成
- (1) ストレージシステムで必要な設定
- (2) 性能情報を収集するホストで必要な設定
- (3) Device Managerサーバで必要な設定
- (4) コマンドデバイスを登録する(perf_findcmddevコマンド)
- (5) perf_cmddev.propertiesファイルの形式
各ストレージシステムにコマンドデバイスを用意し,性能情報を収集するホストにLUNパスを割り当てて,性能情報を収集するホストにコマンドデバイスを認識させます。
なお,Virtual Storage PlatformまたはVP9500の性能情報を収集する場合は,認証モードが無効になっているコマンドデバイスをホストに認識させてください。
Device Managerエージェントをインストールし,コマンドデバイスを登録します。
性能情報を収集するには:
- Device ManagerエージェントおよびRAID Manager LIBをインストールします。
RAID Manager LIBは,Device Managerエージェントに同梱されています。ただし,ホストのOSがUNIXで,すでにホストにRAID Manager LIBがインストールされている場合,RAID Manager LIBは上書きされません。この場合は,次の表に示すバージョンのRAID Manager LIBをインストールしてください。表7-3 性能情報を収集する場合のRAID Manager LIBの前提バージョン
ストレージシステム バージョン Virtual Storage Platform 01-15-03/00以降 VP9500 01.15.00以降 Universal Storage Platform V/VM 01-12-03/03以降 H20000/H24000 01.12.04以降 Hitachi USP 01-12-03/03以降 H10000/H12000 01.12.04以降 - Device Managerエージェントのhdvmagt_settingコマンドを実行して,一括管理構成の設定をします(推奨)。
- perf_findcmddevコマンドを実行して,コマンドデバイスを登録します。
注意
- Device Managerエージェントをバージョン6.3以前から,バージョン6.4以降に更新インストールした場合,perf_cmddev.propertiesファイルの設定は維持されます。SLPR環境でストレージシステムを使用している場合は,更新インストール後にperf_cmddev.propertiesファイルに定義されたSLPRのコマンドデバイスの情報を更新してください。
- バージョン6.3以前のDevice Managerエージェントを使用している場合,SLPR環境でストレージシステムを使用するためには,perf_cmddev.propertiesファイルを直接編集してSLPRのコマンドデバイスを定義してください。
- (4) コマンドデバイスを登録する(perf_findcmddevコマンド)
- 11.3.4 Device Managerサーバの情報,HiScanコマンドの実行周期およびRAID ManagerまたはP9000 RAID Managerの情報の設定(hdvmagt_settingコマンド)
- Device Managerエージェントのインストール方法:マニュアル「Hitachi Command Suite Software インストールガイド」
Device Managerサーバのserver.propertiesファイルにあるserver.cim.agentプロパティに,性能情報を収集するホスト(Device Managerエージェントをインストールしたマシン)のホスト名を指定します。
注意
- server.cim.agentプロパティに設定したホスト名と,Device Managerに登録されているホスト名が一致していることを確認してください。一致していないと,性能情報を取得できません。
(4) コマンドデバイスを登録する(perf_findcmddevコマンド)
Device Managerエージェントでコマンドデバイスを登録するには,perf_findcmddevコマンドを実行します。コマンドデバイスを登録する場合は,writeオプションを指定します。
- Administrator 権限またはroot 権限のユーザーでのログイン
perf_findcmddev {write [-file <ファイル名>]|verify|view}
- Windowsの場合:
- <Device Managerエージェントのインストールフォルダ>\bin
- SolarisまたはLinuxの場合:
- /opt/HDVM/HBaseAgent/bin
- write [-file <ファイル名>]
- ホストが認識しているすべてのコマンドデバイスの情報を,ファイルに出力します。
- -file <ファイル名>を指定すると,コマンドデバイスの情報を,任意のファイルに出力します。ファイル名は絶対パスおよび相対パスで指定できます。-file <ファイル名>を指定しない場合,perf_cmddev.propertiesファイルが上書きされます。
- ホストが認識しているコマンドデバイスが検出されなかった場合,perf_cmddev.propertiesファイルには,何も出力されません。
- verify
- perf_cmddev.propertiesファイルで定義しているコマンドデバイスの情報と,ホストが認識しているコマンドデバイスの情報を照合します。ホストが複数のコマンドデバイスを認識している場合,各コマンドデバイスについて,実行結果を出力します。
- perf_cmddev.propertiesファイルで定義済みのコマンドデバイスの情報と,ホストが認識しているコマンドデバイスの情報が一致している場合
The definition of the command device is valid.が表示されます。- perf_cmddev.propertiesファイルで定義済みのコマンドデバイスを,ホストが認識していない場合
メッセージKAIC28615-Wおよびホストが認識していないコマンドデバイスの情報が出力されます。- ホストが認識しているコマンドデバイスが,perf_cmddev.propertiesファイルに定義されていない場合
メッセージKAIC28616-Wおよび定義されていないコマンドデバイスの情報を出力します。
なお,perf_cmddev.propertiesファイルにバージョン6.3以前のフォーマットでコマンドデバイスの情報が定義されている場合,そのコマンドデバイスはSLPR0に属していると見なされます。- view
- perf_cmddev.propertiesファイルに定義されているコマンドデバイスの情報を表示します。
- perf_cmddev.propertiesファイルに認識できない値が定義されている場合や,書式に従って定義されていない行では,UNKNOWNが表示されます。コメント行または空白行は表示しません。また,perf_cmddev.propertiesファイルに値が定義されていない場合は,ヘッダーだけ表示されます。
- 出力例を次に示します。出力される内容は,perf_cmddev.propertiesファイルの設定項目と同じです。
Raid ID Serial# SLPR# LDEV# Device file name R500 14050 0 345 \\.\PhysicalDrive3 R601 44332 1 456 \\.\Volume{xxxxxxx-xxxx-xxx-xxxxxxxx} R501 UNKNOWN - 1045 \\.\PhysicalDrive10
(5) perf_cmddev.propertiesファイルの形式
perf_cmddev.propertiesファイルを編集して,ストレージシステムのコマンドデバイスを定義できます。
perf_cmddev.propertiesファイルの格納先
- Windowsの場合:
- <Device Managerエージェントのインストールフォルダ>\mod\hdvm\config
- SolarisまたはLinuxの場合:
- /opt/HDVM/HBaseAgent/mod/hdvm/config
次の書式で,1行に1つのコマンドデバイスを定義してください。
- バージョン6.4以降のDevice Managerエージェントを使用している場合:
- <RAID ID>.<シリアル番号>.[<SLPR番号>.]<LDEV番号>: <deviceFileName>
- バージョン6.3以前のDevice Managerエージェントを使用している場合:
- <RAID ID>.<シリアル番号>.<LDEV番号>: <deviceFileName>
表7-4 perf_cmddev.propertiesファイルの設定項目
設定項目 設定内容 <RAID ID> 次のどれかを指定します。
R700:Virtual Storage PlatformまたはVP9500の場合
R600:Universal Storage Platform VまたはH24000の場合
R601:Universal Storage Platform VMまたはH20000の場合
R500:Hitachi USPまたはH12000の場合
R501:Hitachi NSC 55またはH10000の場合<シリアル番号> ストレージシステムのシリアル番号を10進数で指定します。 <SLPR番号> コマンドデバイスが属するSLPRの番号を10進数で指定します。SLPRを構築していない場合は0を指定してください。
この項目は省略できます。省略した場合(バージョン6.3以前の書式で定義した場合)は,SLPRを構築していないものと見なされます。<LDEV番号> コマンドデバイスのCU:LDEV番号を10進数で指定します。 <deviceFileName> ホストが認識しているコマンドデバイスの識別名(Physical Drive番号,VolumeGUID,またはデバイスファイル名)を次の形式で指定します。※ xは整数を示します。
- Windowsの場合:
\\.\PhysicalDrivex
\\.\Volume{<GUID>}- Solarisの場合:
/dev/rdsk/cxtxdxs2- Linuxの場合:
/dev/sdx注※
- WindowsのPhysicalDrive番号で指定した場合,またはLinuxの場合,OSの再起動によってPhysicalDrive番号やデバイスファイル名が変更されることがあります。このため,OSの再起動後に,perf_findcmddevコマンドを実行して設定情報の確認,更新が必要です。Windowsの場合は,VolumeGUIDを指定すると,OSの再起動の影響を受けません。
- バージョン6.3以前のDevice Managerエージェントを使用している場合,SLPR環境ですべてのSLPRの性能情報を取得するためには,perf_cmddev.propertiesファイルにSLPR0のコマンドデバイスを定義する必要があります。
同一ストレージシステム上のほかのSLPRのコマンドデバイスを複数定義する場合は,そのストレージシステムに関する定義の先頭行にSLPR0のコマンドデバイスを定義してください。次の例では,Hitachi USP(シリアル番号:14050)のSLPR0のコマンドデバイスとして,PhysicalDrive5(LDEV番号:345)を定義しています。
R600.44332.456: \\.\PhysicalDrive3 R500.14050.345: \\.\PhysicalDrive5 R500.14050.346: \\.\PhysicalDrive6 R500.14050.347: \\.\PhysicalDrive10 R501.89832.780: \\.\PhysicalDrive15
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