JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)
このコマンドには,次の三つの機能があります。
- WSUSを同期させる
JP1/NETM/DMが接続する最上位のWSUSから,WSUSコンピュータグループの構成と更新プログラムの承認状態を,指定した下位のWSUSにコピーします。ただし,WSUSコンピュータグループにはクライアントは登録されません。
また,同期実行時には,最上位のWSUSでダウンロードされた更新プログラムも,下位のWSUSに転送されます。
- WSUSコンピュータグループにクライアントを登録する
下位のWSUSで,指定したあて先グループと同名のWSUSコンピュータグループにクライアントを登録します。指定したあて先グループに含まれるクライアントの内,コマンドが実行されたWSUSサーバで管理しているクライアントだけが,WSUSコンピュータグループに登録されます。
最上位のWSUSに対してこの機能のコマンドを実行した場合,指定したあて先グループと同名のWSUSコンピュータグループが作成されます。指定したあて先グループに,最上位のWSUSサーバで管理するクライアントが含まれている場合は,作成されたWSUSコンピュータグループに登録されます。
- WSUSコンピュータグループに登録されたクライアントの一覧を出力する
指定したWSUSコンピュータグループに登録されているクライアントの一覧を,指定したファイルに出力します。
- WSUSを同期させる場合
dcmwsus.exe SYNCHRONIZE /w WSUSサーバのURL
/o 実行結果の出力ファイルのフルパス
[/u ユーザ名][/p パスワード]
[/LC {ON|OFF}]
- WSUSコンピュータグループにクライアントを登録する場合
dcmwsus.exe GROUP_CREATE /w WSUSサーバのURL
/g あて先グループ名
/o 実行結果の出力ファイルのフルパス
[/u ユーザ名][/p パスワード]
[/LC {ON|OFF}]
- WSUSコンピュータグループに登録されたクライアントの一覧を出力する場合
dcmwsus.exe CLIENT_LIST /w WSUSサーバのURL
/g WSUSコンピュータグループ名
/o 実行結果の出力ファイルのフルパス
[/u ユーザ名][/p パスワード]
[/LC {ON|OFF}]
- /w
コマンドの実行対象となるWSUSサーバのURLを127文字以内で指定します。指定するURLの形式を次に示します。
http://WSUSサーバ名[:ポート番号 ]/仮想ディレクトリ名
- /o
コマンドの実行結果を出力するファイルのフルパスを指定します。
- /u
WSUSサーバへの接続時に認証が必要な場合に,ユーザ名を指定します。
- /p
WSUSサーバへの接続時に認証が必要な場合に,パスワードを指定します。
- /g
WSUSコンピュータグループにクライアントを登録する場合は,対象となるWSUSコンピュータグループと同名のあて先グループ名を指定します。
クライアントの一覧を出力する場合は,対象となるWSUSコンピュータグループ名を指定してください。
なお,WSUSコンピュータグループにクライアントを登録する場合は,「すべてのコンピュータ」および「割り当てられていないコンピュータ」は指定できません。これらはデフォルトでWSUSに存在するコンピュータグループです。
- /LC
タスクスケジューラやJP1/AJSを使用してコマンドをバックグラウンドサービスとして実行している場合にWindowsをログオフしても,コマンド処理を継続するかどうかを「ON」または「OFF」で指定します。
- ON
Windowsをログオフしても,コマンド処理を継続します。
- OFF
Windowsをログオフすると,コマンド処理を強制終了します。
この引数は,次に示すOSでコマンドをサービスから実行した場合に,有効となります。
- Windows 2000
- Windows XP
- Windows Server 2003(Windows Server 2003 (IPF)を除く)
コマンドプロンプトからコマンドを実行する場合は,フォアグラウンドプログラムとして実行されるため,「/LC ON」を指定しないでください。
Windowsをログオフしてもコマンド処理を継続するかどうかは,レジストリでも設定できます。レジストリでの設定については,マニュアル「構築ガイド」の「4.6 レジストリの設定(JP1/NETM/DM Manager)」を参照してください。
なお,/LCでの指定と,レジストリでの設定の組み合わせで,動作が異なります。詳細については,「4.28 レジストリ設定とログオフオプションによるログオフ時のコマンドの動作」を参照してください。
- /wオプションで指定したWSUSサーバに接続して,[WSUSコンピュータグループの作成]ダイアログボックスおよび[更新プログラムの承認設定]ダイアログボックスを操作しているときは,そのWSUSに対してdcmwsusコマンドによる同期とクライアントの登録は実行できません。
- dcmwsusコマンドが実行中のWSUSに対しては,dcmwsusコマンドによる同期とクライアントの登録は実行できません。
- WSUSサーバでは,WSUSコンピュータグループ名の全角と半角,およびひらがなとかたかなの違いが区別されないことがあります(例:「ぐるーぷ」(ひらがな)と「グループ」(全角かたかな)が同じグループ名として扱われてしまう)。そのため,このような組み合わせとなる,あて先グループとWSUSコンピュータグループがある場合,そのWSUSコンピュータグループへのクライアントの登録は実行されません。
- 下位のWSUSに対してGROUP_CREATEを指定してdcmwsusコマンドを実行する場合,事前にSYNCHRONIZEを指定したdcmwsusコマンドを実行して,最上位のWSUSとの同期を実行しておいてください。
- 同期を実行しても下位のWSUSにWSUSコンピュータグループが作成されない場合は,最上位のWSUSの障害やネットワーク障害などが発生しているおそれがあります。次の点を確認して,対処してください。
- 最上位のWSUSサーバの起動状態
- 最上位のWSUSサーバでの障害の有無
- 下位のWSUSでの上位WSUSの指定
- WSUSサーバ間のネットワークの状態
- 最上位のWSUSから転送されていない更新プログラムが蓄積しないように,WSUSの同期は定期的に実行してください。
上位サーバからダウンロードされていない更新プログラムが大量にあると,同期実行時に大量の更新プログラムがダウンロードされ,コマンドの完了に時間が掛かるおそれがあります。
- 同期の実行中に再度同期を実行した場合,コマンドは正常終了しますが,同期を実行したタイミングによっては,WSUSコンピュータグループの構成と,更新プログラムの承認設定がコピーされないことがあります。
(5) リターンコード
dcmwsusコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。
コード |
意味 |
対処 |
0 |
正常終了した。 |
なし。 |
2 |
コマンドの引数に不正な値が指定されている。 |
コマンドの引数の設定値を確認してください。 |
3 |
指定したWSUSサーバ(WSUS連携機能)に接続できなかった。 |
WSUSサーバおよびWSUS連携機能の状態に問題がないか,次の点を確認してください。
- WSUSサーバのURLに誤りがないか
- WSUSサーバの起動状態は問題ないか
- WSUSサーバに障害は発生していないか
- 「WSUS連携機能」がインストールされているか
- Microsoft .Net Frameworksの設定は正しいか
- Microsoft .Net Frameworksのバージョンは正しいか
- WSUSサーバ間のネットワークの状態は正常か
|
4 |
結果出力ファイルをオープンできない。 |
結果出力ファイルの指定を確認してください。 |
5 |
処理中にWSUSサーバ(WSUS連携機能)との通信エラーが発生した。 |
WSUSサーバの状態に問題がないか,次の点を確認してください。
- WSUSサーバの起動状態は問題ないか
- WSUSサーバに障害は発生していないか
- WSUSサーバ間のネットワークの状態は正常か
|
6 |
指定したグループが存在しない,または使用できない文字が含まれている,もしくは指定できる文字数の最大長を超えている。 |
引数に指定したグループ名を確認してください。 |
7 |
コンピュータグループが作成されていない。 |
最上位のWSUSに,WSUSコンピュータグループが作成されているかを確認してください。作成されている場合は同期を実行してください。作成されていない場合は,最上位のWSUSにWSUSコンピュータグループを作成したあと,同期を実行してください。
その後,しばらく待ってからコマンドを再実行してください。 |
8 |
WSUSサーバでエラーが発生した。 |
結果出力ファイルを参照してください。 |
12 |
その他のエラーが発生した。 |
イベントログを参照してください。 |
13 |
ユーザ名またはパスワードに誤りがある。 |
ユーザ名またはパスワードの指定を確認してください。 |
15 |
ほかのプロセスがWSUSサーバに対して処理を実行中。 |
しばらく待ってからコマンドを再実行してください。 |
また,JP1/Baseと連携してJP1/NETM/DMのユーザを管理している場合は,「1.3.3 コマンドを実行するための設定」も合わせて参照してください。
WSUSを同期させる場合,WSUSコンピュータグループにクライアントを登録する場合,およびWSUSコンピュータグループに登録されたクライアントの一覧を出力する場合の実行例を次に示します。
- WSUSを同期させる場合
dcmwsus.exe SYNCHRONIZE /w http://wssrv001:80/netmWS /o C:\temp\wsussync.txt
- WSUSコンピュータグループにクライアントを登録する場合
dcmwsus.exe GROUP_CREATE /w http://wssrv001:80/netmWS /g グループ1 /o C:\temp\wsuscreate.txt
- WSUSコンピュータグループに登録されたクライアントの一覧を出力する場合
dcmwsus.exe CLIENT_LIST /w http://wssrv001:80/netmWS /o C:\temp\wsuscltlist.txt
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