JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)

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4.7 dcmdici.exe(ソフトウェアインベントリ辞書のインポート)

ソフトウェアインベントリ辞書をインポートするdcmdiciコマンドについて説明します。このコマンドは,JP1/NETM/DM Managerの配布管理システムで実行できます。なお,このコマンドでは,パラメタファイルを使用しません。

<この節の構成>
(1) 機能
(2) 形式
(3) 引数
(4) リターンコード
(5) 注意事項
(6) 実行例

(1) 機能

ローカルホスト上の配布管理システムに接続し,CSV形式ファイルに記述されたソフトウェア情報をソフトウェアインベントリ辞書にインポートします。dcmdiceコマンドで出力したCSV形式ファイルを表計算ソフトなどで編集し,dcmdiciコマンドで,ソフトウェアインベントリ辞書にインポートします。

インポートするCSV形式ファイルには,ソフトウェアごとに,次の表に示す情報を順に入力しておく必要があります。インポート時のキー項目は,「ファイル名」,「ファイルサイズ」,および「更新日時」です。キー項目の情報を変更してインポートを実行すると,別のソフトウェアとして扱われます。

表4-9 CSV形式ファイルで指定できる値

項目 指定できる値 必須
管理フラグ I,E,U,H,D,またはF。
各管理フラグの意味は次のとおり。
  • I
    新規ソフトウェア
  • E
    管理対象ソフトウェア
  • U
    管理対象外ソフトウェア
  • H
    保留ソフトウェア
  • D
    削除ソフトウェア管理テーブルに登録されているソフトウェア
  • F
    削除ソフトウェア管理テーブルから削除するソフトウェア
ソフトウェア名称 50文字以内の文字列。
ソフトウェアバージョン 50文字以内の文字列。
会社名 50文字以内の文字列。
言語 Windowsのロケール識別子(LCID)の下4けた。
ただし,[ソフトウェアインベントリ辞書編集]ダイアログボックスに,指定したLCIDに対応する言語がない場合,「ニュートラル」と表示される。また,「0400」を指定すると,[ソフトウェアインベントリ辞書編集]ダイアログボックスでは「規定の言語」と表示される。
パス名 255文字以内の文字列。
ソフトウェアインベントリ辞書にすでに登録されているソフトウェアの場合,CSV形式ファイルでパス名を変更してインポートしても,ソフトウェアインベントリ辞書のパス名は変更されない。
ファイル名 255文字以内の文字列。
ファイルバージョン 50文字以内の文字列。
ファイルサイズ 0以上の整数。単位はバイト。
更新日時 YYYY/MM/DD hh:mm:ss形式の年月日時分秒。指定できる日時の範囲は,1970/01/01 00:00:00〜2037/12/31 23:59:59。
検索日時 YYYY/MM/DD hh:mm:ss形式の年月日時分秒。指定できる日時の範囲は,1970/01/01 00:00:00〜2037/12/31 23:59:59。
ソフトウェアインベントリ辞書にすでに登録されているソフトウェアの場合,CSV形式ファイルで検索日時を変更してインポートしても,ソフトウェアインベントリ辞書の検索日時は変更されない。
説明 50文字以内の文字列。
所有ライセンス数 0〜99,999,999の整数。
警告ライセンス数 0〜99,999,999の整数。
所有ライセンス数より値が大きい場合は,エラーになる。
更新日時(UTC) YYYY/MM/DD hh:mm:ss形式の年月日時分秒。指定できる日時の範囲は,1970/01/01 00:00:00〜2037/12/31 23:59:59。
ローカル時間を指定する。ここで指定した日時は,UTC時間に変換されてインポートされる。

(凡例) ○:必ず指定する −:値を省略できる


各ソフトウェア情報のインポート時の処理は,インポートする前のソフトウェアインベントリ辞書への登録状態と,インポートするソフトウェア情報の管理フラグによって異なります。インポート時の処理を次の表に示します。

表4-10 インポート時の処理

インポート前の登録状態 インポートするソフトウェア情報の管理フラグ インポート時の処理
削除ソフトウェア管理テーブルに登録されている。 I,E,U,H,D 無視される。
F 削除ソフトウェア管理テーブルから削除される。
ソフトウェアインベントリ辞書に登録されている。 I,E,U,H ソフトウェアインベントリ辞書にインポートされ,情報に変更があれば,更新される。
D インポート前に管理対象外ソフトウェアであった場合だけ,ソフトウェアインベントリ辞書から削除され,削除ソフトウェア管理テーブルに登録される。各ホストのソフトウェアインベントリ情報からも削除される。
引数に/fを指定した場合は,すべての管理フラグのソフトウェアに対して,同様の処理が行われる。
F 無視される。
削除ソフトウェア管理テーブルとソフトウェアインベントリ辞書の両方に登録されていない。 I,E,U,H ソフトウェアインベントリ辞書に追加される。
D 無視される。
引数に/fを指定した場合は,削除ソフトウェア管理テーブルに登録される。
F 無視される。

(2) 形式

dcmdici.exe /if 入力ファイル名 [/f]
           [/df 出力ファイル名1] [/nf 出力ファイル名2]
           [/LC {ON|OFF}]

(3) 引数

(4) リターンコード

dcmdiciコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。

コード 意味 対処
0 インポートが成功した。または,ソフトウェアインベントリ辞書または削除ソフトウェア管理テーブルに変更がなかった。 なし。
2 コマンドの引数に不正な値が指定されている。 コマンドの引数の設定値を確認してください。
3 配布管理システムへの接続でエラーが発生した。 配布管理システムのバージョンを確認してください。
4 入力ファイルまたは出力ファイルをオープンできない。 入力ファイルまたは出力ファイルの指定を確認してください。
12 そのほかのエラーが発生した。 イベントログを参照してください。システムエラー,処理が拒否されたなどが考えられます。
15 ほかのプロセスがデータベースを更新中。 しばらく待って再実行してください。または更新中のプロセスを確認してください。

また,JP1/Baseと連携してJP1/NETM/DMのユーザを管理している場合は,「1.3.3 コマンドを実行するための設定」も合わせて参照してください。

(5) 注意事項

ソフトウェアインベントリ辞書をインポートするときは,ソフトウェアインベントリ辞書をエクスポートした配布管理システムと同じタイムゾーンで実行してください。エクスポート時とインポート時のタイムゾーンが異なる場合,インポート時に更新日時が正しく取得されないため,ソフトウェア情報が正しく管理できなくなります。

(6) 実行例