JP1/NETM/DM 運用ガイド1 (Windows(R)用)
JP1/NETM/DMのインストールスクリプトおよびコレクトスクリプトを記述するためのステートメントについて説明します。これらのステートメントを使用することで,変数を宣言したり,プログラムの流れを変えたりできます。
ステートメントの一覧を次の表に示します。
表D-1 ステートメントの一覧
ステートメント | 機能 |
---|---|
Dim | 変数を宣言する |
ErrorExit | スクリプトの実行をエラーとして終了させる |
Exit | スクリプトの実行を正常に終了させる |
Function | スクリプトの始まりを宣言する |
End Function | スクリプトの終わりを宣言する |
Goto | ラベルへジャンプする |
If〜Then〜Else〜End If | 条件を判定する |
On InstallError Do〜End | インストールスクリプトの実行中にエラーが発生したときのあと処理を宣言する |
On CollectionError Do〜End | コレクトスクリプトの実行中にエラーが発生したときのあと処理を宣言する |
Rem | コメントを記述する |
ステートメントの英大文字と小文字は,区別されるので注意してください。
ステートメントの記述子の区切りには,1文字以上の半角スペース,TABコード,または改行コードを使用してください。ただし,Remステートメントの場合は,1文字以上の半角スペース,またはTABコードで区切ってください。2文字以上の半角スペースや改行コードの場合にはエラーになります。
Dim 変数名 As 変数型
変数を宣言します。このステートメントは,Functionステートメントのすぐあとに記述してください。
使用できないシステム変数名 | ||
---|---|---|
%HITACHI_REG | %NETMDMP% | %SYSTEM% |
%WINDOWS% | ACTIVE | ACTIVE_VERSION |
ALL_DRIVE | BACKUP_PROCESS | COLLECT_NORMAL |
COLLECTION_AFTER | COLLECTION_BEFORE | COLLECTION_END |
COLLECTION_NORMAL | COLLECTION_PROCESS | COLLECTION_START |
CREATEICON_PROCESS | CREATEPROGRAMGROUP_PROCESS | CREATESHORTCUT_PROCESS |
D_ALPHA | DELBACKUP_PROCESS | DmInfo |
EXIST | FALSE | FindFile |
FINDFILE_PROCESS | FORCE | FORCE_DELIVERY |
GDI_MEMORY | GetFileDate | GetFileSize |
I_286 | I_386 | I_486 |
I_860 | I_PENTIUM | INACTIVE |
INSTALL_CAPAERROR | INSTALL_DRIVE | INSTALL_HENVERROR |
INSTALL_NORMAL | INSTALL_PROCESS | INSTALL_PSVRERROR |
INSTALL_SENVERROR | IntegerToString | IsActive |
ISACTIVE_PROCESS | KIND_WINDOWS | KIND_WINDOWS95 |
KIND_WINDOWSNT | M_MIPS | MISC_PROCESS |
MSDOS | MSGBOX_PROCESS | NO_ERROR |
NOEXIST | NOFORCE | OLD_VERSION |
P_POWERPC | PACKAGE_ID | PACKAGE_NAME |
REAL_MEMORY | RESTORE_PROCESS | SETSTATUS_PROCESS |
SETUP_DIRECTORY | SETUP_PROCESS | SHELL_PROCESS |
SYSINFOCOPROCESSOR_PROCESS | SYSINFOCPUTYPE_PROCESS | SYSINFOHDEMPTY_PROCESS |
SYSINFOMEMORY_GDIMEMORY_PROCESS | SYSINFOMEMORY_REALMEMORY_PROCESS | SYSINFOMEMORY_USERMEMORY_PROCESS |
SysInfoOSKind | SYSINFOOSVERSION_MSDOS_PROCESS | SYSINFOOSVERSION_WINDOWS_PROCESS |
TRUE | USER_MEMORY | VERINFO_PROCESS |
VERINFOEX_PROCESS | WINDOWS | − |
(凡例)−:該当なし
ErrorExit
スクリプトの実行を,エラーとして終了させます。インストール処理またはコレクト処理を任意の時点で終了させることができます。この場合,任意のステータスコードを報告させたいときは,ErrorExitステートメントの直前でSetStatus関数を使ってステータスコードを設定しておかなければなりません。
Function main()
スクリプトの始まりを宣言します。End Functionステートメントと対で使用してください。FunctionステートメントとEnd Functionステートメントの間が,スクリプトとして処理されます。
Functionのあとには,main()だけを指定できます。
Function 〜 End Function内のステートメントには,次の記述はできません。
Goto ラベル名
ラベル名で示すラベルへ,スクリプトの処理をジャンプさせます。ただし,次に示すステートメントの中へはジャンプできません。
また,必ず現在のステートメントよりあとのステートメントへジャンプさせなければなりません。前のステートメントへ戻ってループさせるような記述はできないので,注意が必要です。
Goto Label01 : Label01: ' ラベルのあとには,必ず":"(コロン)が必要です ステートメント
If 判定条件 Then 真のときに実行されるステートメント Else 偽のときに実行されるステートメント End If
条件を判定して,スクリプト処理を分岐させます。
真,または偽のときに実行されるステートメントに,次の記述はできません。
On InstallError Do 任意のあと処理 End
インストールスクリプトの処理中にエラーが発生した場合のあと処理として,必要なステートメントを記述します。
Install()関数やShell()関数など,JP1/NETM/DMで使用する関数は,エラーが発生したらすぐにスクリプトを終了させてしまいます。そのため,関数の戻り値をインストールスクリプトで確認できません。このとき,あと処理が必要な場合は,On InstallErrorステートメントで必要な処理を記述してください。On InstallErrorステートメントを使用すると,例えばインストール失敗時に,特定のメッセージを表示させたり,ログファイルに出力させたりするような場合に使用できます。
なお,On InstallErrorステートメント中のあと処理中にエラーが発生した場合は,その後のステートメントは処理されないでスクリプトは停止します。
On InstallErrorステートメントは,Dimステートメント以降であれば,インストールスクリプトのどこに記述してもかまいません。ただし,見やすさのためにできるだけDimステートメントのすぐあとに記述してください。
Function main() : On InstallError Do LogFile("インストール中にエラーが発生しました。") End : : Install("c:\") : End Function
任意のあと処理の中には,次の記述ができません。
On CollectionError Do 任意のあと処理 End
コレクトスクリプトの処理中にエラーが発生した場合のあと処理として,必要なステートメントを記述します。
Collection()関数やShell()関数など,JP1/NETM/DMで使用する関数は,エラーが発生したらすぐにスクリプトを終了させてしまいます。そのため,関数の戻り値をコレクトスクリプトで確認できません。このとき,あと処理が必要な場合は,On CollectionErrorステートメントで必要な処理を記述してください。On CollectionErrorステートメントを使用すると,例えばコレクト(収集)失敗時に,ログファイルに出力させる運用などができます。
なお,On CollectionErrorステートメント中のあと処理中にエラーが発生した場合は,その後のステートメントは処理されないでスクリプトは停止します。
On CollectionErrorステートメントは,Dimステートメント以降であれば,コレクトスクリプトのどこに記述してもかまいません。ただし,見やすさのためにできるだけDimステートメントのすぐあとに記述してください。
Function main() : On CollectionError Do LogFile("コレクト中にエラーが発生しました。") End : : Collection("c:\users\default\user.data") : End Function
任意のあと処理の中には,次の記述ができません。
Rem コメント情報 ' コメント情報
Remステートメントを使って,スクリプト中にコメントを記述できます。' またはRemから改行までが,コメントとして扱われます。スクリプトのファイル中のどこにでも記述できます。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2009, 2013, Hitachi, Ltd.
Copyright, patent, trademark, and other intellectual property rights related to the "TMEng.dll" file are owned exclusively by Trend Micro Incorporated.