JP1/NETM/DM 運用ガイド1 (Windows(R)用)

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11.1.2 クライアントの起動状態とジョブの実行

配布管理システムから指示されたジョブを受け取り,インストールなどの処理を自動的に行うには,クライアントを起動状態にしておく必要があります。逆に,クライアントのPCで作業を中断できないなどの理由で,配布管理システムからのジョブを受けたくない場合は,クライアントを停止させる必要があります。さらに,常にクライアントを停止しておきたいJP1/NETM/DM Client(クライアント)では,セットアップでクライアントの非常駐を設定できます。

ここでは,クライアントの起動・終了方法,クライアントを起動しないでジョブを実行する方法,注意事項などについて説明します。

なお,JP1/NETM/DM Manager(中継マネージャ)およびJP1/NETM/DM Client(中継システム)では,クライアントが常に起動している必要があります。クライアントの状態が「停止中」となっていると,ジョブを受け取ることができないで,中継システムとしての役割が果たせなくなるためです。JP1/NETM/DM Manager(中継マネージャ)の場合,クライアントの機能はWindowsの起動・停止に合わせて起動・停止し,手動で起動したり停止したりできません。しかし,JP1/NETM/DM Client(中継システム)のクライアント機能の場合は,クライアントマネージャを使用して手動で起動や停止ができるためご注意ください。

<この項の構成>
(1) クライアントの起動・停止
(2) クライアントの非常駐
(3) クライアントが未起動(非常駐)の場合のジョブの実行
(4) クライアントがスリープ状態から復帰したあとのジョブの実行の注意事項

(1) クライアントの起動停止

クライアントは,Windows起動時に自動的に起動し,Windows終了時に自動的に停止しますが,クライアントマネージャを使用すると,手動で起動・停止させることができます。クライアントマネージャは,JP1/NETM/DM Clientで使用できます。

クライアントマネージャは,クライアントの現在の状態を確認するための機能です。[スタート]メニューから[クライアントマネージャ]アイコンを選択すると,[クライアントマネージャ]ダイアログボックスが表示され,クライアントの状態が,「起動中」,「停止中」,「起動又は停止処理中」,および「非常駐」(Windows NTだけ)のどれかで表示されます。

図11-1 [クライアントマネージャ]ダイアログボックス

[図データ]

[クライアントマネージャ]ダイアログボックスの[起動],[停止]ボタンを選択することで,クライアントを起動させたり停止させたりすることもできます。ただし,「非常駐」の状態では,[起動]ボタンを選択してクライアントを起動させることはできません。「非常駐」の状態からクライアントを起動させる方法については,「(2) クライアントの非常駐」を参照してください。また,クライアントマネージャでクライアントを停止させても,稼働状況の監視は停止できません。

(2) クライアントの非常駐

クライアントのPCを常にほかの業務で使用している場合や,ソフトウェアのインストールの間隔が大きく,常時起動しておいてもむだであることが多い場合は,セットアップの設定で,クライアントのプロセスを非常駐にしておくことができます。クライアントの非常駐は,[クライアント常駐・ポーリング]パネルで指定します。

非常駐に設定した場合,[クライアントマネージャ]ダイアログボックスには「停止中」と表示され,必要に応じて手動で起動できます。クライアントマネージャで「非常駐」と表示されるのは,セットアップで次の三つの設定をしているWindows NTの場合だけです。

このような場合に,クライアントを起動させたいときは,セットアップで「クライアントを常駐する」を選択したあと,次のどちらかの操作をする必要があります。

クライアントの非常駐は,JP1/NETM/DM Client(クライアント)だけで設定できます。JP1/NETM/DM Manager(中継マネージャ)およびJP1/NETM/DM Client(中継システム)では設定できません。

(3) クライアントが未起動(非常駐)の場合のジョブの実行

クライアントは,未起動または非常駐の状態では,配布管理システムからのジョブを受け取ることができません。ジョブを受け取って実行するには,配布管理システムに対するポーリングが必要です。ポーリングとは,上位システムと接続し,自システムあてのジョブがないかどうか確認することです。クライアントを非常駐にしている場合,システム起動時に一度だけポーリングさせることができます。システム起動時のポーリングは,クライアントの非常駐と同じ[クライアント常駐・ポーリング]パネルで設定します。ただし,クライアントPCのOSがWindows 8,Windows 7またはWindows Vistaの場合は常駐設定のため,設定する必要はありません。

システム起動時以外のポーリングには,[ジョブ実行]アイコンを使用します。[ジョブ実行]アイコンの使用方法については,マニュアル「導入・設計ガイド」の「2.13.1(2)(b) 任意のタイミングでジョブを実行する」を参照してください。

なお,クライアントの機能には,「IDへの登録」,「パッケージセットアップマネージャ」,「ローカルシステムビューア」など,クライアントが起動していなくても実行できるものがあります。これらの機能を実行する場合,[JP1_NETM_DM Client]または[JP1_NETM_DM Manager]フォルダのアイコンを使用します。各アイコンの詳細については,「11.1.3 クライアントのメニュー」を参照してください。

(4) クライアントがスリープ状態から復帰したあとのジョブの実行の注意事項

クライアントがスリープ状態(一定時間まったく操作しないと切り換わる電力の消費を抑えて待機している状態)から復帰したあとの注意事項を次に示します。