JP1/NETM/DM 運用ガイド1 (Windows(R)用)

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7.1.3 タスクスケジューラを利用したパッチの自動取得

Windowsのタスクスケジューラを利用して,パッチ情報ファイルの取得,パッチの取得およびパッケージングを自動で実行できます。ただし,自動的に取得できるパッチは,OSのパッチだけです。

タスクスケジューラによるパッチの自動取得は,次の流れで実行されます。

  1. 日立Webサーバからパッチ情報ファイルが取得される。
  2. 取得するパッチの設定に従って,パッチが取得される。
  3. パッケージングの設定に従って,パッチがパッケージングされる。

パッチのパッケージングの設定については,「7.1.2(1) パッケージングの設定」を参照してください。

「リモートインストールマネージャ」を「サーバ本体機能」と別のコンピュータにインストールしている場合は,タスクスケジューラを利用してパッチを自動取得する前に,[自動ダウンロード設定]パネルで取得するパッチの設定を完了しておく必要があります。

ここでは,取得するパッチの設定とタスクスケジューラの設定について説明します。

<この項の構成>
(1) 取得するパッチの設定
(2) タスクスケジューラの設定

(1) 取得するパッチの設定

タスクスケジューラを利用して自動的にパッチを取得する場合,取得するパッチの種類をあらかじめ設定しておく必要があります。また,自動的に取得したパッチを,そのままパッケージングするかどうかも設定します。

自動的に取得するパッチの種類は,[更新プログラムの管理]ダイアログボックスから表示する,[自動ダウンロード設定]パネルで設定します。

[自動ダウンロード設定]パネルの表示方法を次に示します。

  1. [セットアップ]ボタンをクリックする。
    [セットアップ]ダイアログボックスが表示されます。
  2. [自動ダウンロード設定]タブを選択する。
    [自動ダウンロード設定]パネルが表示されます。

[自動ダウンロード設定]パネルでの設定内容について説明します。

図7-4 [自動ダウンロード設定]パネル

[図データ]

製品
取得するパッチの対象OSを選択します。
タスクスケジューラによるパッチの自動取得が実行されると,ここで選択したOSのパッチが取得されます。デフォルトでは,すべて選択されています。
クラス
取得するパッチのクラスを選択します。デフォルトでは,「重要な更新」と「セキュリティ問題の修正プログラム」が選択されています。
更新プログラムをダウンロード後に自動でパッケージングを行う
パッチを取得したあと,自動でパッケージングする場合にチェックボックスをオンにしてください。デフォルトはチェックボックスがオフです。
パッケージング後に更新プログラムを削除する
「更新プログラムをダウンロード後に自動でパッケージングを行う」チェックボックスがオンの場合に活性化されます。パッケージング後に更新プログラムを削除するときにチェックボックスをオンにしてください。デフォルトはチェックボックスがオフです。
パッケージングしたことのある更新プログラムをダウンロードしない
一度パッケージングしたことのある更新プログラムをダウンロードしないときにチェックボックスをオンにしてください。デフォルトはチェックボックスがオフです。

(2) タスクスケジューラの設定

パッチを自動的に取得する場合の,タスクスケジューラの設定方法を次に示します。

  1. [コントロールパネル]の[タスク]アイコンをダブルクリックする。
    タスクスケジューラの画面が表示されます。
  2. タスクを新規に作成する。
  3. 実行するプログラムとして「dptview.exe /exec」を指定する。
  4. タスクを実行するスケジュールなどを設定する。
    タスクを実行するユーザには,Administrator権限を持ったユーザを指定してください。

タスクの実行結果を確認するには,タスクスケジューラの画面で,右クリックから表示されるメニューから[表示]−[詳細]を選択してください。「前回の結果」にタスクスケジューラの実行結果の戻り値が表示されます。戻り値の内容を次の表に示します。

表7-2 タスクスケジューラの戻り値(パッチの自動取得)

項番 戻り値 内容
1 0x0 正常終了した。
2 0x1 取得するデータが存在しない。
3 0x2 パッチの取得を実行中のため,プログラムの起動に失敗した。
4 0x3以上 そのほかのエラーで終了した。

エラーの詳細情報は,JP1/NETM/DMのインストール先ディレクトリ\LOG\DPT.LOGに出力されます。DPT.LOGの形式を次に示します。

図7-5 DPT.LOGの形式

[図データ]

DPT.LOGに出力されるログの要因と対処を次の表に示します。

表7-3 パッチ取得時に出力されるログの要因と対処

メッセージID メッセージテキスト 要因 対処
DPT006-E Another instance of the application is already running. すでにパッチの取得が実行されています。
  • 起動している[更新プログラムの管理]ダイアログボックスを終了してください。
  • dptview.exeの実行を終了してください。
DPT009-E Application will be stopped. Reason: Invalid arguments specified. タスクスケジューラから起動するための引数が不正です。 引数が正しく指定されているか確認してください。
DPT101-E Database connection failed. Reason: データベースのエラーメッセージ データベースへの接続に失敗しました。
  • データベースが起動しているか確認してください。
  • セットアップの[データベース環境]パネルで,管理者ユーザIDおよびパスワードを確認してください。
DPT102-E Error occurred while accessing database. Reason: データベースのエラーメッセージ データベースへのアクセス中にエラーが発生しました。
  • データベースとの通信環境を確認してください。
  • データベースが起動されているか確認してください。
DPT103-E Unable to get a DSN to connect or DSN invalid. Reason: データベースのエラーメッセージ. データソースの取得に失敗した,またはデータソースが不正であるおそれがあります。
  • データベースマネージャまたはリモートインストールマネージャ起動後に再実行してください。
  • データソースの設定を確認してください。
DPT204-E Unable to configure the proxy settings. プロキシサーバへの接続に失敗しました。 [ネットワーク設定]パネルの,プロキシサーバの設定を確認してください。
DPT205-E Error in network settings information. Unable to connect to the internet. ネットワークへの接続に失敗しました。 [ネットワーク設定]パネルの,ネットワーク接続の設定を確認してください。
DPT207-E Unable to store the downloaded information in the file system. ファイルのダウンロードに失敗しました。
  • ハードディスクに空き容量があることを確認してください。
  • JP1/NETM/DM Managerのインストール先ディレクトリに書き込み権限があることを確認してください。
DPT209-E 'サーバ名' login failure. サーバへのログインに失敗しました。 [ネットワーク設定]パネルで,該当するサーバの認証情報を確認してください。
DPT254-E Unable to establish connection with the JP1/NETM/DM Manager. パッケージャで,サーバへの接続に失敗しました。
  • パッケージャの接続先の設定を確認してください。
  • ネットワークに接続されていることを確認してください。
DPT255-E Unable to communicate with the JP1/NETM/DM Manager. パッケージャで,サーバへの接続中にエラーが発生しました。
  • [パッケージング設定]パネルの,「管理者ユーザのパスワード」の設定を確認してください。
  • ネットワークに接続されていることを確認してください。
DPT256-E Unable to transfer the file to the JP1/NETM/DM Manager. パッケージング中にネットワークが切断されたおそれがあります。 ネットワークに接続されていることを確認してください。
DPT257-E Package 'パッケージ名' already exists. パッケージの格納先キャビネットに,同じパッケージ識別IDのパッケージが存在するおそれがあります。 格納先のキャビネットに,同じパッケージ識別IDのパッケージが存在するか確認してください。存在する場合は,該当するパッケージを削除するか,格納先キャビネットを変更してください。
DPT258-E Invalid password specified for JP1/NETM/DM Manager login. パッケージャで,サーバへの接続に失敗しました。 [パッケージング設定]パネルの,「管理者ユーザのパスワード」の設定を確認してください。
DPT260-E Unable to execute the command 'パッケージングのコマンド名のフルパス'. パッケージャの起動に失敗しました。 パッケージャがインストールされているか確認してください。インストールされていない場合は,パッケージャをインストールしてください。