JP1/NETM/DM 運用ガイド1 (Windows(R)用)

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3.4.2 設定に必要な情報の抽出

マップファイルおよびパラメタファイルの作成で使用する情報をActive Directoryからエクスポートする手順および必要な情報を抽出する手順について説明します。

<この項の構成>
(1) 必ず指定する情報の抽出手順
(2) 任意で指定する情報の抽出手順

(1) 必ず指定する情報の抽出手順

必ず指定する情報を,Active Directoryの情報から抽出する手順について説明します。取得したい情報に応じて,抽出する情報が異なるため,事前にActive Directoryから取得する情報の範囲を検討してください。

必ず指定する情報,マップファイルへの指定の有無,およびパラメタファイルに指定するタグ名を次の表に示します。

表3-3 必ず指定する情報の一覧

指定する情報 マップファイルへの指定の有無 パラメタファイルに指定するタグ名
接続ID ID
ドメイン名 DOMAIN
取得対象のグループのDN※1 GNAME
取得対象のグループが所属するOUのDN※1 GOU
取得対象のコンピュータが所属するOUのDN※1 COU
取得対象のユーザが所属するOUのDN※2 UOU
(凡例) −:指定不要
注※1 これらの情報のうち,少なくとも一つ以上指定する必要があります。
注※2 ユーザ情報を取得したい場合に指定します。

Active Directoryの情報は,Windowsで標準提供されているLDIFDEコマンドを使用してエクスポートします。オプションを指定しないでLDIFDEコマンドを実行すると出力結果が大量になるため,出力したい項目ごとにコマンドを複数回実行します。

LDIFDEコマンドを使用して,Active Directoryの情報をエクスポートする手順を次に示します。

  1. Active Directoryの稼働しているコンピュータに管理者権限でログインする。
  2. 次のコマンドラインを実行して,接続IDの情報を出力する。
    ldifde -u -p Subtree -r "objectclass=user" -l dn -f out1.txt
    -uは文字コードをUTF8で出力するためのオプションです。必ず指定してください。
    out1.txtに次のような情報が出力されます。
    dn: CN=Administrator,CN=Users,DC=Sample,DC=co,DC=jp
    changetype: add
     
    dn: CN=Guest,CN=Users,CN=Users,DC=Sample,DC=co,DC=jp
    changetype: add
     
    dn: CN=User01,OU=Domain Controllers,CN=Users,DC=Sample,DC=co,DC=jp
    changetype: add
    :
    :
    接続IDには管理者のIDを指定するため,この場合は「CN= Administrator,CN=Users,DC=Sample,DC=co,DC=jp」が,パラメタファイルの接続ID(「ID」タグ)に指定する値になります。
  3. 次のコマンドラインを実行して,ドメイン名の情報を出力する。
    ldifde -u -p Base -l dn -f out2.txt
    out2.txtに次のような情報が出力されます。
    dn: DC=Sample,DC=co,DC=jp
    changetype: add
    この場合は「dn: DC=Sample,DC=co,DC=jp」が,パラメタファイルのドメイン名(「DOMAIN」タグ)に指定する値になります。
  4. 次のコマンドラインを実行して,ディレクトリ情報を取得するグループのDNの情報を出力する。
    ldifde -u -p SUBTree -r "(objectclass=group)" -l dn -f out3.txt
    out3.txtに次のような情報が出力されます。
    dn: CN=Managers,DC=Sample,DC=co,DC=jp
    changetype: add
     
    dn: CN=Group01,DC=Sample,DC=co,DC=jp
    changetype: add
     
    dn: CN=Group02,DC=Sample,DC=co,DC=jp
    changetype: add
    :
    :
    例えば,「Managers」のグループの情報を取得する場合は,「dn: CN=Managers,DC=Sample,DC=co,DC=jp」が,パラメタファイルの取得対象のグループのDN(GNAME)に指定する値になります。
  5. 次のコマンドラインを実行して,ディレクトリ情報を取得するグループ,コンピュータおよびユーザが所属するOUのDNの情報を出力する。
    ldifde -u -p SUBTree -r "(objectclass=organizationalUnit)" -l dn -f out4.txt
    out4.txtに次のような情報が出力されます。
    dn: OU=Groups,DC=Sample,DC=co,DC=jp
    changetype: add
     
    dn: OU=ソフトウェア事業部,DC=Sample,DC=co,DC=jp
    changetype: add
     
    dn: OU=A本部,OU=ソフトウェア事業部,DC=Sample,DC=co,DC=jp
    changetype: add
    :
    :
    例えば,「Groups」のグループの情報を取得する場合は,「dn: OU=Groups,DC=Sample,DC=co,DC=jp」がパラメタファイルの取得するグループが所属するOUのDN(「GOU」タグ)に指定する値になります。
    また,「ソフトウェア事業部」のコンピュータの情報を取得する場合は,「dn: OU=ソフトウェア事業部,DC=Sample,DC=co,DC=jp」が,パラメタファイルの取得するコンピュータが所属するOUのDN(「COU」タグ)に指定する値になります。
    なお,ユーザの情報を取得する場合は,パラメタファイルの「UOU」タグに取得対象のユーザが所属するOUのDNを指定してください。

(2) 任意で指定する情報の抽出手順

任意で指定する情報を,Active Directoryの情報から抽出する手順について説明します。任意で指定する情報は,LDIFDEコマンドを実行してActive Directoryの情報をエクスポートして,抽出します。任意で指定する情報,マップファイルへの指定の有無,およびパラメタファイルに指定するタグ名を次の表に示します。

表3-4 任意で指定する情報の一覧

指定する情報 マップファイルへの指定の有無 パラメタファイルに指定するタグ名
ユーザとコンピュータの引き当てに使用する,ユーザ側の属性名 USRKEY
ユーザとコンピュータの引き当てに使用する,コンピュータ側の属性名 COMKEY
ユーザから取得したい項目の属性名 USRATTR
コンピュータから取得したい項目の属性名 COMATTR
OUから取得したい項目の属性名 OUATTR
グループから取得したい項目の属性名 GRPATTR
(凡例)
○:指定できる
−:指定不要

ここでは,ユーザとコンピュータの引き当てに使用する,コンピュータ側の属性名(COMKEY)を特定する手順を例に説明します。

  1. 次のコマンドラインを実行して,管理者のコンピュータ情報を出力する。
    ここでは,管理者のコンピュータ名が「dmp001」の場合の例を示します。
    ldifde -u -p Subtree -r "cn=dmp001" -f out5.txt
    out5.txtに次のような情報が出力されます。

    図3-58 LDIFDEコマンドでの出力結果例

    [図データ]

  2. 管理者の設定されているコンピュータを調べておく。
    ここでは,管理者の設定されているコンピュータ名を「dmp001」とします。
  3. LDIFDEコマンドでエクスポートしたファイルから,「dn」が「dmp001」を含むデータを探す。
    図3-58を参照してください。
  4. コンピュータのプロパティダイアログボックスで,Active Directoryでの管理者名を確認する。
    ここでは,管理者名を「AD.CO.JP/USERS/山田」とします。
  5. LDIFDEコマンドでエクスポートしたファイルから,「山田」を含むデータを探す。
    図3-58を参照してください。「山田」が設定されている属性名が「managedBy」であるため,コンピュータの管理者名の属性名は「managedBy」であることが特定できました。これをパラメタファイルの「COMKEY」タグの値に指定します。