JP1/NETM/DM 運用ガイド1 (Windows(R)用)

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3.3.2 ユーザインベントリ項目の作成

ユーザインベントリ情報を取得するには,取得するユーザインベントリ項目のリストを配布管理システムで作成し,クライアントに配布しておく必要があります。

ユーザインベントリ項目の作成では,どのような項目を,クライアントユーザにどのように入力させるかを設定します。ユーザインベントリ項目は255個まで作成できます。

<この項の構成>
(1) ユーザインベントリ項目の作成方法
(2) クライアントユーザが入力する文字の制限
(3) ユーザインベントリ項目の関連づけについて
(4) 選択項目についての注意事項
(5) 階層化したユーザインベントリ項目の作成手順
(6) ユーザインベントリ項目のインポートおよびエクスポート
(7) 配布管理システムを階層化したシステムでのユーザインベントリ項目のマージ
(8) ユーザインベントリ項目を作成するときの注意事項

(1) ユーザインベントリ項目の作成方法

ユーザインベントリ項目の作成方法について説明します。

  1. [システム構成],[あて先],[パッケージ],[ジョブ定義],[ジョブ実行状況],または[ディレクトリ情報]ウィンドウで,[オプション]−[ユーザインベントリの編集]を選択する。
    [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスが表示されます。

    図3-34 [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックス

    [図データ]

  2. 「項目名称」欄の「項目」を選択し,[追加]ボタンをクリックする。
    [項目の追加]ダイアログボックスが表示されます。

    図3-35 [項目の追加]ダイアログボックス

    [図データ]

  3. 項目名称を入力する。
    項目名称は半角で64文字(全角で32文字)まで入力できます。次に示す半角記号およびタブ文字は使用できません。
    「\」「/」「*」「"」「'」「:」「;」「,」「&」「%」
    また,文字列の末尾の半角スペースは無視されます。
    項目名称は管理上のキー名称になるため,設定後は変更できません。また,ほかのユーザインベントリ項目の項目名称と重複する値は設定できません。
    なお,システム情報およびレジストリ情報で使用している項目とは異なる名称を設定してください。同じ名称を設定すると,インベントリビューアでの表示や集計が正しく実行されません。
  4. [OK]ボタンをクリックする。
    [項目設定]ダイアログボックスが表示されます。

    図3-36 [項目設定]ダイアログボックス

    [図データ]

  5. 項目に対するクライアント側での入力方法などを設定する。
    項目名称
    [項目の追加]ダイアログボックスで設定した項目名称が表示されます。項目名称は変更できません。
    ラベル
    ラベルは,配布管理システムとクライアントで表示される名称です。ほかのユーザインベントリ項目のラベルと重複する値は,設定できません。
    ラベルは半角で64文字(全角で32文字)まで入力できます。次に示す半角記号およびタブ文字は使用できません。
    「\」「/」「*」「"」「'」「:」「;」「,」「&」「%」
    また,文字列の末尾の半角スペースは無視されます。
    コメント
    コメントを半角で255文字(全角で127文字)まで入力できます。半角の「;」,「%」およびタブ文字は使用できません。
    また,文字列の末尾の半角スペースは無視されます。
    入力方法
    クライアント側の入力方法を指定します。
    テキスト入力
    端末使用者名など,クライアント側で任意の文字列を入力させる項目の場合に選択します。
    選択入力
    部署名など,クライアント側で選択させる項目の場合に選択します
    選択入力(テキスト入力も可)
    クライアント側で,固定的な項目を選択することも,任意のテキストを入力することもできる項目の場合に選択します。この入力方法を指定する場合は,「コメント」欄に,クライアントユーザに対する入力ガイダンスを書いておくと,わかりやすいでしょう。
    選択項目の設定
    「選択入力」または「選択入力(テキスト入力も可)」を選択した場合,選択項目を設定します。
    選択項目は,1項目につき半角で200文字(全角で100文字)まで入力できます。選択項目は,選択項目の合計値が51,254バイト以内であれば,幾つでも作成できます。
    選択項目の合計値を求める計算式の例を次に示します。
    [図データ]
    なお,次に示す半角記号およびタブ文字は使用できません。
    「\」「/」「*」「"」「'」「:」「;」「,」「&」
    また,文字列の末尾の半角スペースは無視されます。
    [追加]ボタン
    選択項目を作成するには,選択項目を入力して[追加]ボタンをクリックします。なお,選択項目の合計値が51,254バイトを超えた場合,[追加]ボタンをクリックしても,入力した選択項目の追加登録はできません。
    [削除]ボタン
    選択した選択項目を削除します。
    [ソート]ボタン
    「選択入力」または「選択入力(テキスト入力も可)」を選択した場合に使用できます。このボタンをクリックすると,選択項目を名称順にソートします。初回は昇順,次回は降順にソートされ,ボタンをクリックするたびに繰り返されます。いったん[ソート]ボタンをクリックすると元には戻りません。ソートを無効にするには[キャンセル]ボタンをクリックしてください。したがって,項目の入力後,いったん[OK]ボタンをクリックして項目を保存したあとにソートすることをお勧めします。
    テキスト入力できる文字を限定する
    入力方法として,「テキスト入力」または「選択入力(テキスト入力も可)」を選択した場合,クライアントユーザが入力できる文字を限定できます。詳細は,「(2) クライアントユーザが入力する文字の制限」を参照してください。
    項目を必須入力とする
    クライアントユーザが必ず入力する必要のある項目に設定できます。
  6. [OK]ボタンをクリックする。
    設定した項目が,[ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスに追加されます。

    図3-37 [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックス

    [図データ]

(2) クライアントユーザが入力する文字の制限

[項目設定]ダイアログボックスで「テキスト入力できる文字を限定する」を選択すると,ダイアログボックスが次のように広がり,クライアントユーザが入力できる文字を制限する設定ができます。

クライアントユーザが入力できる文字の種類を,大文字,小文字,半角,全角などに限定することによって,取得したユーザインベントリ情報を集計や,ほかの用途に利用する場合に,より有用なデータとすることができます。例えば,ユーザインベントリ情報を集計するとき,同じ情報が,全角と半角の違いだけで別情報として扱われることを防ぐことができます。

図3-38 [項目設定]ダイアログボックス

[図データ]

設定方法は次のとおりです。

  1. 「サンプルを選んでください」リストボックスから,サンプルを選択する。
    選択したサンプルに応じて,「入力できる文字の種類」が自動的に設定されます。
  2. 必要に応じて,「入力できる文字の種類」を変更する。
    クライアントユーザは,チェックのついている文字種だけを入力できます。ただし,ここでの設定に関係なく,次に示す半角記号とタブ文字は使用できません。
    「\」「/」「*」「"」「:」「;」「,」「&」
    また,文字列の末尾の半角スペースは無視されます。
    「入力できる文字の種類」の「その他すべて」をチェックすると,上記以外の記号を入力できるようになります。
    「入力方法」で「選択入力(テキスト入力も可)」を選択している場合は,選択項目のテキストと「入力できる文字の種類」が矛盾しないように設定してください。

(3) ユーザインベントリ項目の関連づけについて

複数のユーザインベントリ項目を関連づけておくことで,クライアントユーザの入力支援ができます。例えば,次の図のような組織の場合,通常のユーザインベントリ項目の「部」と「課」を作成すると,クライアントユーザがユーザ情報を入力するとき,どの部を選択しても,「課」には八つの選択項目が表示されます。しかし,「部」と「課」の選択項目を組織図どおりに関連づけておくと,クライアントユーザがユーザ情報を入力するとき,「課」には,「部」で選択した部内の課だけが表示されます。

図3-39 ユーザインベントリ項目の関連づけ

[図データ]

このように,ユーザインベントリ項目の下位に別のユーザインベントリ項目を関連づけ,上位項目の選択項目と下位項目の選択項目を関連づけることを,ユーザインベントリ項目の階層化と呼びます。

項目の階層化によって,クライアントユーザは,限られた選択項目の中から該当する選択項目を探せます。また,間違った選択項目を選ぶ可能性も減ります。

階層化できるユーザインベントリ項目は,クライアントの入力方法が「選択入力」の項目だけで,10階層まで作成できます。

(4) 選択項目についての注意事項

階層化したユーザインベントリ項目の選択項目を作成するときは,次のことに注意してください。

(a) 選択項目名が重複する場合

同じユーザインベントリ項目内に,重複する選択項目値は設定できません。ただし,最下位層のユーザインベントリ項目で,関連する上位選択項目が異なるときは,重複する選択項目値を設定できます。重複する選択項目値の扱いについて,次の図に示します。

図3-40 重複する選択項目値の扱い方

[図データ]

中間層に同じ部署名があるような場合の選択項目名は,次の図で示すように,上位選択項目名を前に付けるなどの対処方法を検討してください。

図3-41 選択項目名の付け方例

[図データ]

また,中間層の選択項目をとばして,その上位の選択項目と下位の選択項目を直接関連づけることはできません。

(b) 選択項目の合計サイズの制限

一つのユーザインベントリ項目に設定できる選択項目の合計サイズには,制限があります。選択項目の作成時に,設定した選択項目の合計サイズが計算され,上限値を超えた選択項目は作成できません。

階層化したユーザインベントリ項目の選択項目を作成する場合,選択項目の合計サイズは2段階でチェックされます。

  1. 階層内の選択項目の合計サイズ
    まず,一つの階層内での選択項目の合計サイズがチェックされます。最上位の階層の選択項目は,このチェックだけ適用されます。
  2. 下位層の選択項目の合計サイズ
    次に,2階層目より下の階層では,一つ上の階層の選択項目名も含めて合計サイズがチェックされます。

選択項目の合計サイズの計算式について説明します。

なお,選択項目の合計サイズが「階層内の選択項目の合計サイズ」と「下位層の選択項目の合計サイズ」のどちらか一方,または両方のサイズ制限を超えた場合,画面に警告メッセージが表示されます。警告メッセージに従って,対処してください。

(c) 下位層に関連づけられた選択項目がない場合

下位層に関連づけられた選択項目がない場合,クライアント側でユーザ情報を入力するとき,その項目は非活性になります。例えば,図3-39の場合,「総務部」−「秘書課」を順に選択すると,「係」項目は非活性となり,クライアントユーザは入力の必要がなくなります。

(5) 階層化したユーザインベントリ項目の作成手順

階層化したユーザインベントリ項目を作成する場合の手順を説明します。ユーザインベントリ項目は,最上位項目から順番に作成してください。最上位項目と最下位項目を作成したあと,中間位の項目を作成することはできません。

(a) 最上位項目を作成する

階層化したユーザインベントリ項目を作成するには,最上位項目から順に作成します。最上位項目を作成する方法は,通常のユーザインベントリ項目を作成する方法と同じですので,「(1) ユーザインベントリ項目の作成方法」を参照してください。ただし,いったん追加した選択項目を編集する方法は,下位項目を作成する場合と同じですので,「(b) 下位項目を作成する」を参照してください。

なお,最上位項目を作成するときは,次のことに注意してください。

(b) 下位項目を作成する

ユーザインベントリ項目の下位項目を作成する方法について説明します。

  1. [システム構成],[あて先],[パッケージ],[ジョブ定義],[ジョブ実行状況]または[ディレクトリ情報]ウィンドウで,[オプション]−[ユーザインベントリの編集]を選択する。
    [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスが表示されます。
    階層化した項目は,「項目名称」欄に階層構造で表示されます。項目名称の前に付いているアイコン内の番号は,階層を表します。

    図3-44 [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックス

    [図データ]

  2. 「項目名称」欄で,上位項目を選択し,[追加]ボタンをクリックする。
    [項目の追加]ダイアログボックスが表示されます。

    図3-45 [項目の追加]ダイアログボックス

    [図データ]

  3. 「項目の追加位置」として「最下位の項目として追加」が選択されていることを確認し,項目名称を入力する。
    項目名称
    項目名称は半角で64文字(全角で32文字)まで入力できます。次に示す半角記号およびタブ文字は使用できません。
    「\」「/」「*」「"」「'」「:」「;」「,」「&」「%」
    また,文字列の末尾の半角スペースは無視されます。
    項目名称は管理上のキー名称になるため,設定後は変更できません。また,ほかのユーザインベントリ項目の項目名称と重複する値は設定できません。
    項目の追加位置
    項目を階層化するかどうかを指定します。[ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスで,自管理項目で「選択入力」に設定された項目を選択した場合にだけ,活性化されます。
    独立項目として追加
    ほかのユーザインベントリ項目と関連しない,通常のユーザインベントリ項目として追加します。
    最下位の項目として追加
    [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスで選択した項目の最下位に,項目を追加します。
  4. [OK]ボタンをクリックする。
    [項目設定]ダイアログボックスが表示されます。

    図3-46 [項目設定]ダイアログボックス

    [図データ]

  5. ラベルおよびコメントを入力する。
    項目名称
    [項目の追加]ダイアログボックスで設定した項目名称が表示されます。項目名称は変更できません。
    ラベル
    ラベルは,配布管理システムとクライアントで表示される名称です。ほかのユーザインベントリ項目のラベルと重複する値は,設定できません。
    ラベルは半角で64文字(全角で32文字)まで入力できます。次に示す半角記号およびタブ文字は使用できません。
    「\」「/」「*」「"」「'」「:」「;」「,」「&」「%」
    また,文字列の末尾の半角スペースは無視されます。
    コメント
    コメントを半角で255文字(全角で127文字)まで入力できます。半角の「;」,「%」およびタブ文字は使用できません。
    また,文字列の末尾の半角スペースは無視されます。
  6. 選択項目を設定する。
    「選択項目の設定」欄には,現在追加している項目と関連する,すべての項目の選択項目が階層構造で表示され,編集できます。選択項目名の前に付いているアイコン内の番号は,階層を表します。
    選択項目は,半角で200文字(全角で100文字)まで入力できます。次に示す半角記号およびタブ文字は使用できません。
    「\」「/」「*」「"」「'」「:」「;」「,」「&」
    また,文字列の末尾の半角スペースは無視されます。
    [追加]ボタン
    上位の関連づけたい選択項目を選択して[追加]ボタンをクリックすると,[選択項目の追加]ダイアログボックスが表示されます。選択項目を入力して[OK]ボタンをクリックすると,入力した選択項目が「選択項目の設定」欄に反映されます。
    [選択項目の追加]ダイアログボックスでは,複数の選択項目を一括入力できます。改行までが一つの選択項目とみなされます。また,テキストデータやCSV形式データをコピーし,貼り付けることもできます。
    [選択項目の追加]ダイアログボックスで複数の選択項目を追加しようとして,選択項目の合計値が上限を超えた場合,上限値以内の選択項目だけを追加するかどうか選択できます。上限値の詳細については,「(4)(b) 選択項目の合計サイズの制限」を参照してください。
    [変更]ボタン
    選択項目を選択して[変更]ボタンをクリックすると,変更可能な状態になります。
    選択項目の名称を変更しようとして,選択項目の合計値が上限値を超えた場合,その選択項目の名称は変更できません。選択項目名の長さを調整し,再入力してください。上限値の詳細については,「(4)(b) 選択項目の合計サイズの制限」を参照してください。
    [削除]ボタン
    選択した選択項目を削除します。選択項目に関連づけられた下位の選択項目もすべて削除されます。
    [↑][↓]ボタン
    選択項目を選択して[↑]または[↓]ボタンをクリックすると,表示順を変更できます。関連づけられた下位の選択項目も同時に移動します。クライアント側でユーザ情報を入力するとき,[JP1/NETM/DMユーザ情報設定]ダイアログボックスには,ここで表示されている順に選択項目が表示されます。
    [ソート]ボタン
    選択項目を選択して,このボタンをクリックすると,関連づけられている下位の選択項目が名称順にソートされます。初回は昇順,次回は降順にソートされ,ボタンをクリックするたびに繰り返されます。いったん[ソート]ボタンをクリックすると元には戻りません。ソートを無効にするには[キャンセル]ボタンをクリックしてください。したがって,項目の入力後,いったん[OK]ボタンをクリックして項目を保存したあとにソートすることをお勧めします。
    [プロパティ]ボタン
    選択した選択項目の属しているユーザインベントリ項目の名称,ラベル名,作成済みの選択項目数などの情報が表示されます。
    「選択項目の設定」欄では,同じユーザインベントリ項目内(同じ階層内)であれば,ドラッグ&ドロップ操作で,選択項目をコピーまたは移動することもできます。その場合,選択項目に関連づけられた下位の選択項目も同時にコピーまたは移動します。
    コピーしようとして,選択項目の合計が上限値を超えた場合,上限値以内の選択項目だけをコピーするかどうか選択できます。上限値の詳細については,「(4)(b) 選択項目の合計サイズの制限」を参照してください。
  7. 選択項目を設定し終わったら,[OK]ボタンをクリックする。
    設定した項目が,[ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスに追加されます。
(c) 既存のユーザインベントリ項目を階層化する

作成済みのユーザインベントリ項目を階層化できます。ただし,階層化できる項目は,クライアント側の入力方法が「選択入力」の項目だけです。また,「項目を必須入力とする」属性は,最上位項目の属性を引き継ぎます。

作成済みのユーザインベントリ項目を階層化する方法は,次のとおりです。

  1. [システム構成],[あて先],[パッケージ],[ジョブ定義],[ジョブ実行状況]または[ディレクトリ情報]ウィンドウで,[オプション]−[ユーザインベントリの編集]を選択する。
    [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスが表示されます。
  2. 「項目名称」欄で,下位項目にするユーザインベントリ項目を,上位項目にするユーザインベントリ項目にドラッグ&ドロップする。
    [項目設定]ダイアログボックスが表示されます。

    図3-47 [項目設定]ダイアログボックス

    [図データ]

    「選択項目の設定」欄には上位項目の選択項目が表示され,「関連づけられていない選択項目」欄には下位項目の選択項目が表示されています。ただし,上位項目の中に,関連づけられていない選択項目が残っていた場合は,その選択項目も「関連づけられていない選択項目」欄に表示されます。選択項目名の前に付いているアイコン内の番号は,階層を表します。
  3. 上位項目の選択項目と下位項目の選択項目を関連づける。
    関連づけられていない選択項目」欄の選択項目を,「選択項目の設定」欄の関連づけたい選択項目に,ドラッグ&ドロップで移動します。複数の選択項目を同時に移動することもできます。異なる階層への移動はできません。
    移動先に同じ選択項目があった場合,「選択項目の設定」欄の選択項目はそのまま残され,「関連づけられていない選択項目」欄の選択項目は削除されます。
  4. 「関連づけられていない選択項目」欄に不要な選択項目が残った場合は,[削除]ボタンで削除する。
    「関連づけられていない選択項目」に選択項目が残ったまま編集を終了すると,クライアント側でユーザ情報を入力するとき,上位項目で選んだ選択項目に関係なく,常に下位項目の選択項目として,関連づけられていない選択項目が表示されることになります。
    また,「選択項目の設定」欄と「関連づけられていない選択項目」欄に,同じ階層の重複値があった場合,保存するときに「関連づけられていない選択項目」欄の重複値が削除されます。
  5. [OK]ボタンをクリックする。
    ユーザインベントリ項目が階層化されます。
    ここで[キャンセル]ボタンをクリックすると,[ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスでのドラッグ&ドロップ操作もキャンセルされます。
(d) 階層化したユーザインベントリ項目を階層から切り離す

階層化しているユーザインベントリ項目の最下位項目を,階層から切り離し,独立した項目に変更できます。

このとき,最下位項目の選択項目は,上位項目の選択項目との関連づけが解除され,通常の選択項目になります。また,重複した選択項目があった場合は,一つの選択項目にまとめられます。「項目を必須入力とする」属性は,元の最上位項目の属性を引き継ぎます。

階層化したユーザインベントリ項目を独立した項目にするには,[ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスの「項目名称」欄で,最下位項目を,「項目」にドラッグ&ドロップします。

図3-48 [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックス

[図データ]

(6) ユーザインベントリ項目のインポートおよびエクスポート

[ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスからユーザインベントリ項目を作成するには,1個ずつ項目を入力していくため,選択項目の作成には手間が掛かります。このような場合,ユーザインベントリ項目をファイルで編集することで,ユーザインベントリ項目の選択項目などを一括して作成できます。

次に既存のユーザインベントリ項目を更新する場合と新規に作成する場合ごとに編集の手順を示します。

(a) 既存のユーザインベントリ項目を更新する場合

既存のユーザインベントリ項目を更新する場合は,既存のユーザインベントリ項目をファイルにエクスポートして編集し,ファイルをインポートして戻すことで更新します。

  1. [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスの[エクスポート]ボタンから,任意の場所にファイルを出力する。
  2. ファイルをテキストエディタで開く。
    編集する前の状態でファイルを別名で保存しておいてください。その後,変更する行または追加する行以外の変更しない項目の行を削除してください。
  3. 行を編集してファイルを保存する。
  4. [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスの[インポート]ボタンから編集したファイルをインポートして,ユーザインベントリ項目として反映する。
    インポートして作成したユーザインベントリ項目には次の制限があります。
    • 上位管理項目および共通管理項目を更新することができません。また,エクスポートによって上位管理項目および共通管理項目を出力できません。
    • コメントに改行を含んだ文字列の入力はできません。
    • クライアントが入力できる文字を制限する設定はできません。ただし,既存の項目を更新する場合,既存の文字制限の種類を引き継ぎます。新規に追加する場合は,文字の種類を制限しない設定になります。
    • すでに階層化しているユーザインベントリ項目のうち,上位項目の選択項目は追加,変更,および削除できません。
    以上の制限を解消するには,ユーザインベントリ項目作成ダイアログボックスからユーザインベントリ項目を再編集してください。
(b) 新規にユーザインベントリ項目を作成する場合

新規にユーザインベントリ項目を作成する場合は,1項目だけ作成しておき,それをコピーして作成します。なお,パラメタファイルから新規に作成してインポートしても作成できます。パラメタファイルの作成方法については,「(c) インポートとエクスポートで使用するファイル形式」を参照してください。

  1. [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスからユーザインベントリ項目を1項目だけ作成する。
  2. [エクスポート]で任意の場所にファイルを出力する。
  3. テキストエディタでファイルを開き,作成した項目をコピー&ペーストして新たな項目を追加する。
  4. ファイルを[ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスからインポートする。
    新規に追加した項目は最後尾に追加されます。
(c) インポートとエクスポートで使用するファイル形式

ユーザインベントリ項目のインポートとエクスポートで使用するファイル形式を,通常のユーザインベントリ項目と階層化したユーザインベントリ項目に分けて示します。

なお,パラメタの入力規則については,マニュアル「運用ガイド2」の「4.26 パラメタファイルの作成」を参照してください。

通常のユーザインベントリ項目のファイル形式
USER_INVENTORY { { item = 項目名称 label = ラベル comment = コメント require = YまたはN insert = YまたはN select = 選択項目1; 選択項目2; 選択項目3; … } }
 
  • item = 項目名称
    項目名は半角で64文字(全角で32文字)まで入力できます。指定できる最大個数は255個です。次に示す半角記号およびタブ文字は使用できません。
    「\」「/」「*」「"」「'」「:」「;」「,」「&」「%」
    また,文字列の末尾の全角および半角スペースは無視されます。なお,項目名称は管理上のキー名称になるため,設定後は変更できません。
  • label = ラベル
    ラベルを半角で64文字(全角で32文字)まで指定できます。なお,次に示す半角記号およびタブ文字は使用できません。
    「\」「/」「*」「"」「'」「:」「;」「,」「&」「%」
    また,文字列の末尾の全角および半角スペースは無視されます。
    ラベルは,配布管理システムとクライアントで表示される名称になります。
  • comment = コメント
    コメントを半角で255文字(全角で127文字)まで入力できます。半角の「;」,「%」およびタブ文字は使用できません。
    また,文字列の末尾の全角および半角スペースは無視されます。
  • require = Y(y)またはN(n)
    この項目がクライアント側で必須入力項目かどうかを示します。指定しない,またはN(またはn)を指定した場合は任意入力項目を示します。
  • insert = Y(y)またはN(n)
    選択入力に加えて,テキスト入力できるかどうかを示します。指定しない,またはN(またはn)を指定した場合は選択入力だけであることを示します。
  • select = 選択項目1; 選択項目2; 選択項目3; …
    選択項目を示します。複数の選択項目を指定する場合は,「;」で区切って複数の選択項目を並べるか,または選択項目単位に改行して並べます。
ファイル作成例(通常のユーザインベントリ項目の場合)
通常のユーザインベントリ項目の場合のファイル作成例を次に示します。

図3-49 ファイル作成例(通常のユーザインベントリ項目の場合)

[図データ]
階層化したユーザインベントリ項目のファイル形式
USER_INVENTORY { { item = 項目名称 label = ラベル comment = コメント require = YまたはN select = 選択項目1; 選択項目2; 選択項目3; … upper_item=上位項目名称 relation { { upper_select=上位項目の選択項目 selectable=上位選択項目と関連づけられている選択項目 } } } }
 
  • item = 項目名称
    項目名は半角で64文字(全角で32文字)まで入力できます。指定できる最大個数は255個です。次に示す半角記号およびタブ文字は使用できません。
    「\」「/」「*」「"」「'」「:」「;」「,」「&」「%」
    また,文字列の末尾の全角および半角スペースは無視されます。なお,項目名称は管理上のキー名称になるため,設定後は変更できません。
  • label = ラベル
    ラベルを半角で64文字(全角で32文字)まで指定できます。なお,次に示す半角記号およびタブ文字は使用できません。
    「\」「/」「*」「"」「'」「:」「;」「,」「&」「%」
    また,文字列の末尾の全角および半角スペースは無視されます。
    ラベルは,配布管理システムとクライアントで表示される名称になります。
  • comment = コメント
    コメントを半角で255文字(全角で127文字)まで入力できます。半角の「;」,「%」およびタブ文字は使用できません。
    また,文字列の末尾の全角および半角スペースは無視されます。
  • require = Y(y)またはN(n)
    この項目がクライアント側で必須入力項目かどうかを示します。指定しない,またはN(またはn)を指定した場合は任意入力項目を示します。下位項目では,最上位項目と同じ値を設定する必要があります。
  • select = 選択項目1; 選択項目2; 選択項目3; …
    選択項目を示します。複数の選択項目を指定する場合は,「;」で区切って複数の選択項目を並べるか,または選択項目単位に改行して並べます。
  • upper_item=上位項目名称
    上位項目の項目名称を指定します。指定できるのは,選択入力の項目だけです。下位項目では必ず指定してください。
  • relation
    選択項目間の関連づけを設定することを示します。下位項目では必ず設定してください。{ }内にupper_selectとselectableをペアで指定します。
  • upper_select=上位項目の選択項目
    上位項目の選択項目を指定します。下位項目では必ず指定してください。
  • selectable=上位選択項目と関連づけられている選択項目
    upper_selectで指定した上位選択項目と関連づけられている選択項目を指定します。複数の選択項目を指定する場合は,「;」で区切って複数の選択項目を並べるか,または選択項目単位に改行して並べます。下位項目では必ず指定してください。
ファイル作成例(階層化したユーザインベントリ項目の場合)
次の階層化した3個のユーザインベントリ項目を例に,ファイル形式を示します。

図3-50 階層化したユーザインベントリ項目の例

[図データ]

図3-51 ファイル作成例(階層化したユーザインベントリ項目の場合)

[図データ]
(d) インポートとエクスポート時の注意事項

(7) 配布管理システムを階層化したシステムでのユーザインベントリ項目のマージ

配布管理システムを階層化したシステムでは,マネージャと中継マネージャとで別々のユーザインベントリ項目を作成できます。

(a) 中継マネージャでのユーザインベントリ項目のマージ

中継マネージャでは,マネージャから転送されたユーザインベントリ項目がある場合,中継マネージャのユーザインベントリ項目と次の規則でマージされます。

マージされた結果は[ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスで確認できます。

図3-52 [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックス

[図データ]

ユーザインベントリ項目の取得元は,「属性」欄に次のように表示されます。

上位管理項目
マネージャが取得する項目です。
自管理項目
中継マネージャが取得する項目です。
共通管理項目
マネージャと中継マネージャの両方で取得する項目です。
(b) 中継マネージャでの管理項目の変更

中継マネージャでは,上位管理項目を共通管理項目にしたり,共通管理項目を上位管理項目に戻したりできます。

上位管理項目および共通管理項目の削除や設定内容の変更はできません。ただし,上位マネージャが任意入力に設定している項目を,必須入力項目に変更して,共通管理項目にすることはできます。このように変更した項目を,再度,上位管理項目に戻す場合は,任意入力項目に戻した上で,上位管理項目に戻してください。

階層化したユーザインベントリ項目の場合,上位マネージャで作成した項目への追加,削除はできません。また,管理属性を変更する場合は,最上位項目で属性を変更してください。下位項目は,最上位項目の管理属性を引き継ぎます。

なお,管理属性に関係なく,項目の並び順は[↑]または[↓]ボタンで変更できます。

管理属性の変更方法は,次のとおりです。

  1. [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスで,属性を変更する項目を選択し[変更]ボタンをクリックする。
    [項目設定]ダイアログボックスが表示されます。

    図3-53 [項目設定]ダイアログボックス

    [図データ]

  2. 「項目属性」の「上位管理項目を自身でも管理する」チェックボックスをオンまたはオフにする。
    「上位管理項目を自身でも管理する」は,対象となる項目が上位管理項目または共通管理項目の場合に活性化されます。上位のマネージャが管理している項目を自システムでも管理したい場合は,オンにしてください。上位管理項目が共通管理項目となります。逆に,共通管理項目を自システムで管理する必要がなくなった場合は,オフにしてください。その項目は上位管理項目となります。
  3. 必要に応じて,「項目を必須入力とする」を変更する。

(8) ユーザインベントリ項目を作成するときの注意事項