JP1/NETM/DM 運用ガイド1 (Windows(R)用)

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3.3.1 ユーザインベントリ情報の取得手順

ユーザインベントリ情報の取得手順について次に説明します。

<この項の構成>
(1) ユーザインベントリ項目の作成
(2) ユーザインベントリ項目の配布
(3) クライアントでのユーザインベントリ情報の入力
(4) ユーザインベントリ情報の取得
(5) 配布管理システムを階層化したシステムでのユーザインベントリ情報の取得

(1) ユーザインベントリ項目の作成

ユーザインベントリ情報として管理する項目を[ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスで作成します。ユーザインベントリ項目はクライアントでの入力方法によって,次の3種類に分けられます。

また,複数のユーザインベントリ項目を関連づけて,ある項目の特定の選択肢を選んだとき,それに関連するものだけを別の項目の選択肢として表示することもできます。例えば,ユーザインベントリ項目に「部」と「課」があった場合,特定の部を選択すると,その部内の課だけを「課」の選択肢として表示できます。

ユーザインベントリ項目の作成方法については,「3.3.2 ユーザインベントリ項目の作成」を参照してください。

(2) ユーザインベントリ項目の配布

作成したユーザインベントリ項目をクライアントに配布するには次の2種類の方法があります。

「ユーザインベントリ情報の転送」ジョブを実行する場合,ユーザインベントリ項目に情報を入力した状態で,配布することができます。ユーザインベントリ情報のうち,クライアントで入力する必要がない情報は配布管理システムのデータベースへ一括して入力しておくと,ユーザインベントリ項目の配布時に入力された情報をユーザインベントリ項目に反映してクライアントに配布します。

配布管理システムのデータベースにユーザインベントリ情報を一括して入力する方法については,「3.3.5 ユーザインベントリ情報のCSV形式ファイル入力」を参照してください。

(3) クライアントでのユーザインベントリ情報の入力

クライアントでは[JP1/NETM/DMユーザ情報設定]ダイアログボックスで,ユーザ情報を入力します。このダイアログボックスは,クライアントで[スタート]メニューから[JP1/NETM/DMユーザ情報設定]アイコンを選択すると表示されます。また,次のタイミングで自動的に表示させることができます。

なお,これらのタイミングで表示させるには,クライアントのセットアップの[通知ダイアログ]パネルの「ユーザ情報設定ダイアログの表示」で,次のチェックボックスをオンにしておく必要があります(デフォルトはオンです)。

クライアントの[JP1/NETM/DMユーザ情報設定]ダイアログボックスには,取得したユーザインベントリ情報が常に最新の状態で表示されます。ユーザインベントリ項目をすべて空欄にして[JP1/NETM/DMユーザ情報設定]ダイアログボックスを表示させたい場合は,ユーザインベントリ項目を再作成する必要があります。

ユーザインベントリ項目を再作成する場合は,既存の項目とは異なる名称にしてください。既存のユーザインベントリ項目の名称を使用すると,以前にユーザが入力した情報が自動的に表示されます。

(4) ユーザインベントリ情報の取得

ユーザインベントリ情報は,次に示す2種類のジョブで取得できます。

(a) 「ユーザインベントリ情報の取得」ジョブを使用する

「ユーザインベントリ情報の取得」ジョブをクライアントで定期的に実行させると,クライアントではジョブが実行されるたびに,[JP1/NETM/DMユーザ情報設定]ダイアログボックスが表示されます。

また,ジョブ作成時に[スケジュール]パネルから表示される[実行日時の詳細設定]ダイアログボックスで,「エンドユーザが変更時,サーバ側に反映する」を選択すると,ユーザインベントリ情報がクライアントで変更された時点で,配布管理システムに変更内容が通知されます。さらに「ジョブ実行時,情報に変更がないとサーバ側に反映しない」を選択すると,初回のジョブ実行時はすべてのユーザインベントリ情報を配布管理システムへ通知しますが,以降のジョブ実行時,ユーザインベントリ情報に変更があった場合だけ全情報を通知し,変更がない場合は通知しません。したがって,ネットワークの負荷が軽減できます。

図3-31 [実行日時の詳細設定]ダイアログボックス

[図データ]

このように,「ユーザインベントリ情報の取得」ジョブを実行すれば,配布管理システムでは,常に最新のユーザインベントリ情報を管理できます。

(b) 「システム情報の取得」ジョブを使用する

「システム情報の取得」ジョブを使用すると,システム情報と合わせてユーザインベントリ情報が取得できます。

(5) 配布管理システムを階層化したシステムでのユーザインベントリ情報の取得

配布管理システムを階層化したシステムでは,マネージャと中継マネージャとで別々のユーザインベントリ項目を取得できます。

ユーザインベントリ項目はマネージャと中継マネージャとでそれぞれ作成しますが,クライアントに配布するときはマネージャの項目と中継マネージャの項目がまとめて配布されます。中継マネージャでは,ユーザインベントリ項目を作成する[ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックスで,マネージャの取得項目を参照できます。マネージャで取得する項目を中継マネージャでも取得したい場合は,共通管理項目として設定できます。

図3-32 [ユーザインベントリ項目作成]ダイアログボックス

[図データ]

「ユーザインベントリ情報の取得」ジョブを実行すると,クライアントからはすべての情報が通知されますが,マネージャへはマネージャで取得する項目だけが転送され,マネージャのリレーショナルデータベースへ反映されます。マネージャの[システム構成],[あて先]または[ディレクトリ情報]ウィンドウでは,マネージャが取得するユーザインベントリ情報だけが確認できます。また,中継マネージャでは,中継マネージャで取得する項目,および共通管理項目だけが中継マネージャのリレーショナルデータベースへ反映されます。

配布管理システムを階層化したシステムでのユーザインベントリ情報の取得を次の図に示します。

図3-33 配布管理システムを階層化したシステムでのユーザインベントリ情報の取得

[図データ]