サービスの提供者は，サービスの状況に異常が見られない場合でも，サービスの提供品質について定期的に調査する必要があります。特に，サービスの提供者がデータセンターに業務システムの管理・運用を委託して，データセンターからサービスを利用者に提供している場合には，データセンターはサービスの提供者に対してレポートを提出するなどしてサービスの状況を定期的に報告することが求められます。

JP1/ITSLMを使用すると，サービスの監視結果を月単位で表示できます。また，ファイルに出力することもできます。これによって，定期的な確認やレポートの作成期間を短縮でき，効率良くサービスの管理・運用ができるようになります。

JP1/ITSLMでのレポートの表示結果例を次の図に示します。

図1-5　JP1/ITSLMでのレポートの表示結果例

このレポートの表示結果からは，監視対象サービスの2011年4月の平均応答時間，スループット，およびエラー率という3つの監視項目の監視結果がわかります。

例えば，各監視項目の平均値，SLO遵守率，先月比が表示された一覧表からは，SLOの遵守率が100％であることから，2011年4月についてはサービスレベルを維持しつつ利用者にサービスを提供できたといえます。また，グラフの変化の推移（グラフの傾きが上昇傾向にあるなど）からは，システムの増強が必要であるのかどうかを検討することもできます。

なお，レポートは，サービス単位のほか，サービスの処理単位でも表示できます。