JP1/Base 運用ガイド
イベントサービス環境の設定,変更および設定内容の確認方法について説明します。
- <この項の構成>
- (1) 設定する
- (2) イベントサービスの動作環境を変更する
- (3) JP1イベントの転送設定を変更する
- (4) イベントサービスの動作状況を確認する
- (5) JP1イベントの転送設定の設定内容を確認する
(1) 設定する
イベントサービス環境の設定手順を次に示します。
- イベントサービスの動作環境を設定する。
イベントサービスの動作環境は,次に示すファイルで設定します。
各定義ファイルの詳細については,「14. 定義ファイル」の「イベントサーバインデックスファイル」,「イベントサーバ設定ファイル」,「API設定ファイル」を参照してください。
- イベントサーバインデックスファイル(index)
イベントサーバが使用するディレクトリを指定するファイルです。
- イベントサーバ設定ファイル(conf)
イベントサービスの各種動作環境を指定するファイルです。
- API設定ファイル(api)
アプリケーションプログラムからイベントサーバへの接続方法や使用するポートを指定するファイルです。
- JP1イベントの転送設定をする。
転送設定ファイル(forward)で,どのイベントサーバへどのようなJP1イベントを転送するか設定します。デフォルトでは,重要なJP1イベントだけをJP1/IM - Managerで定義されたシステム構成に従って上位のサーバへ転送する設定になっています。システムの障害監視を目的とする場合は,デフォルトの設定を推奨します。
転送設定ファイルの詳細については,「14. 定義ファイル」の「転送設定ファイル」を参照してください。
- 設定を有効にする。
イベントサービスを起動すると,設定が有効になります。
- Windowsの場合
- システム起動時にイベントサービスが自動起動するようにデフォルトで設定されています。起動管理については,「7. サービスの起動順序および終了順序の設定(Windows限定)」を参照してください。
- UNIXの場合
- jevstartコマンドを実行します。
(2) イベントサービスの動作環境を変更する
イベントサービスの動作環境を変更する手順を次に示します。
- 各設定ファイルを編集する。
イベントサーバインデックスファイル(index),イベントサーバ設定ファイル(conf),またはAPI設定ファイル(api)を編集します。
- 各設定ファイルの変更内容を有効にする。
イベントサービスを再起動すると,変更内容が有効になります。
- Windowsの場合
- [コントロールパネル]の[サービス]ダイアログボックスで,「JP1/Base Event」の名称のサービスを終了したあと,再起動してください。
- UNIXの場合
- jevstopコマンドでイベントサービスを終了したあと,jevstartコマンドで再起動してください。
- 上書きインストールした場合の注意事項
- 09-00では,イベントサーバ設定ファイル(conf)のoptionsパラメーターにsave-repフラグが追加されました。このフラグを設定すると,イベントDBの重複防止テーブルをファイル上に保持します。設定しない場合は,重複防止テーブルをメモリー上に保持します。そのため,イベントサーバの再起動時に,重複防止テーブルが破棄されたあとで再構築され,他ホストから転送されたJP1イベントの受信に時間が掛かります。他ホストから転送されたJP1イベントを受信するイベントサーバでは,save-repフラグを設定することを推奨します。
- なお,08-50以前のバージョンから上書きインストールした場合は,このフラグが設定されていないため,次の手順で重複防止テーブルをファイル上に構築してください。
- イベントサーバ設定ファイルのoptionsパラメーターにsave-repフラグを追加する。
イベントサーバ設定ファイルについては,「14. 定義ファイル」の「イベントサーバ設定ファイル」を参照してください。
- jevdbmkrepコマンドを実行する。
jevdbmkrepコマンドについては,「13. コマンド」の「jevdbmkrep」を参照してください。
- イベントサーバを起動する。
(3) JP1イベントの転送設定を変更する
JP1イベントの転送設定を変更する手順を次に示します。
- 転送設定ファイル(forward)を編集する。
- 転送設定ファイル(forward)の変更内容を有効にする。
転送設定ファイル(forward)をリロードするか,イベントサービスを再起動すると,変更内容が有効になります。
- 転送設定ファイル(forward)をリロードする
システムの運用中に設定を有効にできます。次のコマンドを実行してください。
jevreload
- イベントサービスを再起動する
Windowsの場合:[コントロールパネル]の[サービス]ダイアログボックスで,「JP1/Base Event」の名称のサービスを終了したあと,再起動してください。
UNIXの場合:jevstopコマンドでイベントサービスを終了したあと,jevstartコマンドで再起動してください。
(a) マネージャーホストから定義情報を収集・配布する
転送設定ファイル(forward)の情報は,JP1/IM - Managerのシステム構成で定義された上位ホストから下位ホストに一括して配布できます。配布に成功した時点で各ホストの転送設定がリロードされ,更新された情報を基にイベント転送が開始されます。
定義収集・配布の詳細については,「10. イベントサービスの定義情報の収集と配布(JP1/IM限定)」を参照してください。
(b) 転送設定ファイル(forward)のリロード時の注意事項
転送設定ファイル(forward)のリロード時にJP1イベントが転送中だった場合,その転送は中断され,転送に失敗したと見なされます。このため,リロード後に転送に失敗したJP1イベントから転送を再開するように,イベントサーバ設定ファイル(conf)のforward-limitパラメーターでリトライ時間を設定しておく必要があります。
(c) JP1/IM - Manager使用時の転送設定ファイルのリロードについて
転送設定ファイル(forward)の転送設定ブロックにto-upper形式を指定している場合は,JP1/IM - Managerのシステム構成に従ってJP1イベントを転送します。JP1/IM - Managerのシステム構成が変更になった場合でも,JP1/IM - Managerでシステム構成を定義するjbsrt_distribコマンド実行時に,転送設定ファイル(forward)もリロードされます。そのため,JP1/IM - Managerのシステム構成が変更になっても,各ホスト上でjevreloadコマンドを実行する必要はありません。
jbsrt_distribコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイルリファレンス」を参照してください。
- 注意事項
- 06-00のJP1/Baseがインストールされたホストと06-51以降のJP1/Baseがインストールされたホストが混在する環境の場合,jbsrt_distribコマンドを実行すると,構成定義情報は配布されますが,06-00のJP1/Baseがインストールされたホストでは転送設定ファイル(forward)はリロードされません。
- 06-00のJP1/Baseがインストールされたホストでは,イベントサービスを再起動する必要があります。
(4) イベントサービスの動作状況を確認する
イベントサービスが稼働しているかどうかを確認したい場合は,次のコマンドを実行してください。戻り値が0の場合は,イベントサービスが稼働しています。
jevstatjevstatコマンドの詳細については,「13. コマンド」の「jevstat」を参照してください。
(5) JP1イベントの転送設定の設定内容を確認する
稼働しているイベントサービスでイベント転送の設定内容を確認したい場合は,次のコマンドを実行してください。画面に転送設定ファイル(forward)の形式で出力されます。
jbsgetopinfo -o forwardjbsgetopinfoコマンドの詳細については,「13. コマンド」の「jbsgetopinfo」を参照してください。
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