Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド

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2.6.2 HAクラスタ構成時の実行環境のセットアップ

環境の構築後,HAクラスタを構成する実行環境をセットアップします。

HAクラスタ構成時の実行環境のセットアップの流れを次に示します。

図2-8 HAクラスタ構成の場合のセットアップの流れ

[図データ]

図中の各工程について,次に説明します。

なお,HAクラスタ構成での運用については,「5.3.2 HAクラスタ構成での運用」を参照してください。

<この項の構成>
(1) セットアップの準備
(2) 実行環境(待機系)のセットアップ
(3) 実行環境(現用系)のセットアップ
(4) クラスタソフトウェアの設定

(1) セットアップの準備

セットアップ前に,次の作業を行います。次の作業は,現用系および待機系でそれぞれ行います。

実行環境に必要なソフトウェアの設定
J2EEサーバのセットアップなどを行います。設定する内容と設定方法については,「3.1.2 実行環境に必要なソフトウェアの設定」を参照してください。
なお,セットアップ時には,次の名称を現用系と待機系で同じ名称に設定する必要があります。
  • J2EEサーバ名
  • Cosminexus RMのシステム名

サービスリクエスタへの送信制御
サービスリクエスタ用のネットワークを切断するなどして,現用系および待機系でサービス部品の実行要求を受け付けられない状態にします。

(2) 実行環境(待機系)のセットアップ

実行環境(待機系)のセットアップ手順を次に示します。

  1. 次の順序でプロセスを起動します。
    • 運用管理エージェント
    • Management Server
    • PRF
    • J2EEサーバ
    • Hitachi Web Server
    運用管理エージェント,Management Server,PRF,J2EEサーバの起動方法については,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」を,Hitachi Web Serverの起動方法については,マニュアル「Hitachi Web Server」をそれぞれ参照してください。
  2. HCSCサーバをセットアップします。
    HCSCサーバのセットアップ方法については,「3.1.3 HCSCサーバをセットアップする」を参照してください。
  3. HCSCサーバを起動します。
    HCSCサーバの起動方法については,「5.2.4 HCSCサーバを起動する」を参照してください。
  4. サービスアダプタとビジネスプロセスを配備します。
    サービスアダプタとビジネスプロセスの配備方法については,「3.1.9 サービスアダプタを配備する」および「3.1.10 ビジネスプロセスを配備する」を参照してください。
  5. サービスアダプタとビジネスプロセスを開始します。
    サービスアダプタとビジネスプロセスの開始方法については,「5.2.6 サービスアダプタを開始する」および「5.2.7 ビジネスプロセスを開始する」を参照してください。
  6. HCSCサーバを停止します。
    サービスアダプタおよびビジネスプロセスを起動したままHCSCサーバを停止します。
    HCSCサーバの停止方法については,「5.2.36 HCSCサーバを停止する」を参照してください。
  7. Management Serverおよび運用管理エージェントを停止します。
    Management Serverおよび運用管理エージェントの停止方法については,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」を参照してください。

(3) 実行環境(現用系)のセットアップ

実行環境(現用系)のセットアップ手順を次に示します。

  1. 次の順序でプロセスを起動します。
    • 運用管理エージェント
    • Management Server
    • PRF
    • J2EEサーバ
    • Hitachi Web Server
    運用管理エージェント,Management Server,PRF,J2EEサーバの起動方法については,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」を,Hitachi Web Serverの起動方法については,マニュアル「Hitachi Web Server」をそれぞれ参照してください。
  2. HCSCサーバをセットアップします。
    HCSCサーバのセットアップ方法については,「3.1.3 HCSCサーバをセットアップする」を参照してください。
    なお,現用系のHCSCサーバをセットアップするときには,cscsvsetupコマンドの-clusterオプションに指定するクラスタ名を,待機系と同じ値にする必要があります。
    cscsvsetupコマンドについては,「10. コマンド」の「cscsvsetup(HCSCサーバのセットアップ)」を参照してください。
  3. HCSCサーバを起動します。
    HCSCサーバの起動方法については,「5.2.4 HCSCサーバを起動する」を参照してください。
  4. サービスアダプタとビジネスプロセスを配備します。
    待機系に配備したサービスアダプタおよびビジネスプロセスと同じものを配備します。現用系と待機系の間では,配備されているサービスアダプタおよびビジネスプロセスに過不足がないようにします。
    サービスアダプタとビジネスプロセスの配備方法については,「3.1.9 サービスアダプタを配備する」および「3.1.10 ビジネスプロセスを配備する」を参照してください。
  5. サービスアダプタとビジネスプロセスを開始します。
    待機系で開始したサービスアダプタおよびビジネスプロセスと同じものを開始します。現用系と待機系の間では,サービスアダプタおよびビジネスプロセスの状態に差異がないようにします。
    サービスアダプタとビジネスプロセスの開始方法については,「5.2.6 サービスアダプタを開始する」および「5.2.7 ビジネスプロセスを開始する」を参照してください。
  6. 標準受付を開始します。
    標準受付の開始方法については,「5.2.11 標準受付を開始する」を参照してください。

(4) クラスタソフトウェアの設定

クラスタソフトウェアでは,現用系に障害が発生したときに待機系に切り替えるための設定を行います。

待機系に切り替えるときに次の操作を行うスクリプトを実行するように設定します。次に示す順に実行されるように設定してください。

なお,OSやHCSC-Managerのユーザなどは,現用系と合わせる必要があります。

  1. 待機系のプロセスの起動
    次の順序でプロセスを起動するように設定します。
    • 運用管理エージェント
    • Management Server
    • PRF
    • J2EEサーバ
    • Hitachi Web Server
  2. 待機系のHCSCサーバの起動
  3. 待機系のHCSCサーバの標準受付の開始

注※
クラスタソフトウェアで待機系のHCSCサーバをcscutilコマンドで起動する場合,次のようにオプションを設定します。
-hostオプション
Management Serverを起動するホスト名(またはIPアドレス)とポート番号をコロン(:)で連結して指定します。ホスト名には「localhost」を指定します。ポート番号が「28099」の場合の指定例を次に示します。
 
-host localhost:28099
 
-mnguserオプション
Management Serverの管理ユーザのユーザIDを指定します。
-mngpassオプション
Management Serverの管理ユーザのパスワードを指定します。