Cosminexus システム運用ガイド

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付録G.4 システムの処理性能の解析

ここでは,サーブレットエンジンモードで動作するシステムでの処理性能の解析方法について説明します。

Cosminexusで構築したシステムの処理性能は,クライアントからデータベースなどのEISまで,およびその処理結果がクライアントに返却されるまでのリクエストの一連の処理で,リダイレクタやWebコンテナなどから出力されるトレース情報を基に解析できます。トレース情報を出力するリダイレクタやWebコンテナなどを,機能レイヤといいます。サーブレットエンジンモードで動作するシステムでのリクエストの処理過程では,次に示す機能レイヤからトレース情報が出力されます。

各機能レイヤでは決まった処理のポイント(トレース取得ポイント)でトレース情報を出力します。各機能レイヤが出力するトレース情報は,パフォーマンストレーサ(Cosminexus Performance Tracer)のPRFデーモンによって,トレースファイル(PRFトレースファイル)に出力されます。PRFデーモンにはトレース取得レベル(標準または詳細)を設定できます。PRFデーモンに設定するトレース取得レベルをPRFトレース取得レベルといいます。各機能レイヤのトレース取得ポイントおよびPRFトレース取得レベルの詳細については,「付録A トレース取得ポイントとPRFトレース取得レベル」を参照してください。

なお,各機能レイヤのトレース情報はバイナリ形式でPRFトレースファイルに出力されます。システムの処理性能を解析する際は,PRFトレースファイルをテキスト形式(CSV形式)に変換したファイル(性能解析トレースファイル)を使用します。

サーブレットエンジンモードの場合,システムの処理性能を解析する作業は,パフォーマンストレーサのコマンドで実行します。

システムの処理性能を解析する場合に実施する作業を次に示します。詳細については,参照先の説明を参照してください。

表G-2 システムの処理性能を解析する場合に実施する作業(サーブレットエンジンモードの場合)

作業の目的 作業の概要 パフォーマンストレーサのコマンド 参照先
性能解析トレースファイルを収集する PRFトレースファイルを出力して,CSV形式に変換します。 cprfflush
cprfed
収集した性能解析トレースファイルを利用してシステムの処理性能を解析する Webサーバのレスポンスタイムを解析します。 3.3.1
アプリケーションサーバ内でのリクエストの処理状況を調査します。 3.3.2
セッションのライフサイクルを調査します。 3.3.3
タイムアウトしたトランザクションを特定します。 3.3.4
タイムアウトしたリクエストを特定します。 3.3.5
ルートアプリケーション情報を利用してログを調査します。 3.3.6
データベースとの接続中にトラブルが発生したコネクションを特定します。 3.3.7

(凡例) −:該当しません。


注※ cprfedコマンドを使用して出力された性能解析トレースファイルを使用します。

各コマンドの詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス コマンド編」を参照してください。