Cosminexus システム運用ガイド

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3.2.2 性能解析トレースファイルの出力先と出力情報

収集した性能解析トレースファイルの出力先と出力情報について説明します。

<この項の構成>
(1) 性能解析トレースファイルの出力先
(2) 性能解析トレースファイルの出力情報

(1) 性能解析トレースファイルの出力先

 

なお,性能解析トレースファイルは,トレース情報の収集対象別に次の表に示すファイル名で出力されます。

表3-3 性能解析トレースファイルのファイル

トレース情報の収集対象 ファイル名
運用管理ドメイン内のすべてのパフォーマンストレーサ <運用管理ドメイン名>-<日時※1>.zip
特定のホスト内のすべてのパフォーマンストレーサ <ホスト名>-<日時※1>.zip
特定のパフォーマンストレーサ <論理サーバ名※2>-<日時※1>.zip

注※1

性能解析トレースファイルを収集した日時が表示されます。

注※2

指定したパフォーマンストレーサの名称が表示されます。


(2) 性能解析トレースファイルの出力情報

パフォーマンストレーサから性能解析トレースファイル(CSV形式)に出力される情報を次の表に示します。なお,CTMとそれ以外の機能レイヤでは,取得項目が異なります。また,付加情報の有無など,取得ポイントごとに,出力される項目は異なります。各取得ポイントで出力される項目の詳細については,「付録A トレース取得ポイントとPRFトレース取得レベル」を参照してください。

表3-4 性能解析トレースファイルに出力する情報

トレース情報のヘッダ 説明 値の範囲
PRF そのプロセスのレコードの状態(正常または異常)。 次のどちらかが出力されます。
正常:Rec
異常:ErrRec
Process トレース情報を取得したプロセスのプロセスID。 10けたの10進数が出力されます。
Thread トレース情報を取得したプロセス内スレッドのスレッドID,およびスレッドのハッシュ値※1 スレッドID:20けた以内の10進数が出力されます。
ハッシュ値:10けた以内の10進数が出力されます。
Trace トレース情報を取得したプロセス内スレッドでのトレース通番。 10けたの10進数が出力されます。
ProcessName プロセス名。 32文字以内のプロセスを表す文字列※2が出力されます。
Event トレース取得ポイントを示すイベントID。 6けたの16進数(6けたには,"0x"も含みます)が出力されます※3
Date トレース情報を取得した年月日。 年月日が「yyyy/mm/dd」のフォーマットで出力されます。
yyyy:年
mm:月
dd:日
Time トレース情報を取得した時刻(時:分:秒)。 時刻が「hh:mm:ss」のフォーマットで出力されます。
hh:時
mm:分
ss:秒
Time(msec/usec/nsec) トレース情報を取得した時刻(ミリ秒/マイクロ秒/ナノ秒)。 時刻が「ms/us/ns」のフォーマットで出力されます。
ms:ミリ秒
us:マイクロ秒
ns:ナノ秒
Rc リターンコード。 16けたの16進数(16けたには,"0x"も含む)が出力されます。
正常:0
異常:1(または0以外)
ClientAP IP※4 トレース情報を取得したクライアントアプリケーションのIPアドレス。 IPアドレスが,「aaa.bbb.ccc.ddd」のフォーマットで出力されます。
ClientAP PID※4 トレース情報を取得したクライアントアプリケーションのプロセスID。 10けたの10進数が出力されます。
ClientAP CommNo.※4 トレース情報を取得したクライアントアプリケーションの通信番号。 18けたの16進数(18けたには,"0x"も含みます)が出力されます。
RootAP IP※5 トレース情報を取得したルートアプリケーションのIPアドレス。 IPアドレスが「aaa.bbb.ccc.ddd」のフォーマットで出力されます。
RootAP PID※5 トレース情報を取得したルートアプリケーションのプロセスID。 10けたの10進数が出力されます。
RootAP CommNo.※5 トレース情報を取得したルートアプリケーションの通信番号。 18けたの16進数(18けたには,"0x"も含む)が出力されます
SendSCD IP※5 リクエスト要求元CTMのIPアドレス。 IPアドレスが「aaa.bbb.ccc.ddd」のフォーマットで出力されます。
SendSCD PID※6 リクエスト要求元CTMのプロセスID。 10けたの10進数が出力されます。
ReceiveSCD IP※6 リクエスト要求先CTMのIPアドレス。 IPアドレスが「aaa.bbb.ccc.ddd」のフォーマットで出力されます。
ReceiveSCD PID※6 リクエスト要求先CTMのプロセスID。 10けたの10進数
INT 取得ポイントごとのインタフェース名。 33文字以内の文字列※7が出力されます。
OPR 取得ポイントに関連するオペレーション情報。 33文字以内の文字列※7が出力されます。
LookupName※6 ルックアップ名。 33文字以内の文字列※7が出力されます。
OPT※8 取得ポイントごとの付加情報。 514文字以内の16進数値文字列が出力されます。
ASCII 取得ポイントごとの付加情報をASCII文字出力。 OPTの内容が258文字以内のASCII文字列として出力されます。

注※1
CTMおよびリダイレクタで取得したトレース情報には,スレッドのハッシュ値は出力されない場合があります。

注※2
プロセス名称は次のように決定されます。
  • EJBクライアントアプリケーションの場合
    EJBクライアントアプリケーションのシステムプロパティejbserver.server.prf.processNameに指定された名称。
    このシステムプロパティを指定していない場合,またはこのプロパティにnull文字を指定した場合は,"EJBClient"になります。
  • J2EEサーバ,バッチサーバ,およびWebコンテナサーバの場合
    サーバ名がプロセス名称となります。
  • リダイレクタの場合
    WebサーバとしてHitachi Web Serverを使用している場合は,"RD-{Webサーバ待ち受けポート番号}"がプロセス名称となります。Microsoft IISを使用している場合は,"Redirector"がプロセス名称となります。
  • CTMの場合
    CTMの各プロセス名称となります。

注※3
イベントIDは,機能レイヤのトレース取得ポイントごとに割り当てられています。詳細は,「付録A トレース取得ポイントとPRFトレース取得レベル」を参照してください。

注※4
クライアントアプリケーション情報の構成要素です。

注※5
ルートアプリケーション情報の構成要素です。Webコンテナで出力されるトレースポイントでは,トレース情報を取得したルートアプリケーションのIPアドレス,プロセスID,および通信番号が「0.0.0. 0/0/0x0000000000000000」と出力される場合があります。詳細は「3.3.6 ルートアプリケーション情報を利用したログ調査」を参照してください。

注※6
CTMの場合だけ出力される情報です。CTM以外のレイヤでは,「****」が表示されます。

注※7
インタフェース名,およびオペレーション名が33文字を超える場合,次のどれかの方法で,33文字になって出力されます。詳細は,「付録A トレース取得ポイントとPRFトレース取得レベル」を参照してください。
先頭32文字+*
先頭16文字+*+末尾16文字
*+末尾32文字

注※8
機能レイヤによっては,「OPT」に入り口時刻が出力されるトレース取得ポイントがあります。入り口時刻とは,そのトレース取得ポイントのトレースに対応する入り口トレースが出力された時間を示します。例えば,リダイレクタのトレース取得ポイントの場合,WebサーバへのHTTPレスポンスボディ情報の送信完了時(0x8104)のトレース取得ポイントで出力される入り口時刻は,WebコンテナからのHTTPレスポンスボディ情報の送信開始時(0x8004)の時刻になります。
なお,入り口時刻は,「1970年1月1日00:00:00」からの通算時間が16バイトの値で出力されます。前半の8バイトの値は秒単位を,後半の8バイトの値はマイクロ秒単位を示します。ただし,リダイレクタの性能解析トレースの場合は,後半の8バイトはミリ秒単位を示します。